Golden Time

時はお金で買えませんが、時間はお金で買えちゃいます。

【秒速5センチメートル】桜の花びらとロケットが象徴するもの

「秒速5センチメートル」において、象徴的に描かれるものとして、桜の花びらとロケットがある。この2つは何を意味するのだろうか。 登場シーン 桜の花びら ロケット 両者の共通点相違点 それぞれの意味 桜の花びら ロケット 結論 登場シーン 桜の花びら 「…

【秒速5センチメートル】ファンタジーとしての「桜花抄」

秒速五センチメートルは三話からなる。この内、第二話、第三話は、現実にあり得る話である。しかし、全体の鍵となる第一話は、現実にはありえない、もしくは色々重要な説明が省略されたためにありえないように見える話、言い換えればファンタジーになってい…

【秒速5センチメートル】意図的分断描写について

「第二話 コスモナウト」において、花苗が告白しようとしてできなかった直後、ロケットの打ち上げが始まる。縦に飛ぶロケット反射によって生ずる縦に一筋伸びる雲が、画面左右の一方を明るく、もう一方を暗く分ける。 ロケット雲の明暗が意味するもの 影に眠…

【秒速5センチメートル】桜花抄における擬似夫婦

「秒速5センチメートル」において、貴樹は最後踏切のシーンまで初恋の相手である明里の影を追っていた。ラストの描写が曖昧なので、その後も明里の亡霊に悩まされるのか、徐々に逃れられるかは観る者に任されている。しかし、これほどまでに貴樹の心から離れ…

【秒速5センチメートル】出来事の発生日時

物語の出来事が起きたのはいつなのだろうか。 この物語では、多く具体的な年、月、日のヒントが描かれている。それにつきみていく。 第一話 桜花抄 第二話 コスモナウト 第三話 秒速5センチメートル 時の痕跡 第一話 桜花抄 貴樹が手に取る書店に並ぶ時刻表…

【秒速5センチメートル】上質のサスペンスである第一話

「秒速5センチメートル」の第一話は、上質のサスペンスアニメである。 サスペンスドラマとは 自然と時間のサスペンス 結論は基本二択というシンプルさ 日常の中のサスペンス サスペンスドラマとは サスペンスドラマとは、観る者をハラハラさせるような不安定…

【秒速5センチメートル】「頼る」こと「頼られる」ことと結びつく感情について

「秒速5センチメートル」にて、貴樹が関わりを持った女性3人について、貴樹との関係、特に頼り頼られる関係に着目してみてみる。 明里は思春期初期故に貴樹を頼る 花苗は思春期後期故に貴樹を想うが頼らない 元恋人水野さんは大人であるが故に頼らない 人の…

【秒速5センチメートル】部活の意味について

貴樹の部活 東京の中学時代はサッカー部であった。しかし鹿児島の高校では弓道部に所属している。 舞台となった高校はどこか。クレジットを見ると取材協力として、鹿児島県立中種子高等学校のサーフィン部の皆様、弓道部の皆様、生徒の皆様、教職員の皆様と…

【秒速5センチメートル】変わるということ変わらないということ

「秒速5センチメートル」において、「変わる」ということと「変わらない」ということはどのような意味を持つのだろうか。 変わる明里 明里は第一話と第三話で登場する。明里は第一話では、貴樹に依存しているように見えるのだが、明里と貴樹との関係におい…

【秒速5センチメートル】テーマは卒業

短編3話からなる物語。一貫して描かれるのは、人生の節目である「卒業」に翻弄される男女。 各話における卒業 第一話 桜花抄 第二話 コスモナウト 第三話 秒速5センチメートル 卒業の意味 第一話の卒業の意味 第二話の卒業の意味 第三話の卒業の意味 全体…

【マルチェロ物語】ストレートに愛を知る物語

「マルチェロ物語」です。ストーリーは単純です。愛を知らないマルチェロが、愛とは何かを見つけて行く話です。 マルチェロの受けた愛情 マルチェロの顔 思ったより若いデモルネ 当時の感覚 マルチェロの受けた愛情 父親はおらず、母親からも愛情を注がれな…

【エースをねらえ!】お蝶夫人は何故肉離れを起こしたのか

お蝶夫人が自分が持てる全ての力を以って、ひろみと対戦しようと、蘭子とともに、桂コーチの下、トレーニングしていた際、肉離れとなってしまいひろみとの対戦が不能となってしまった。なぜこのようなことになり、これはどのような意味を持つのであろうか。 …

【エースをねらえ!】ストーリー上の主人公は誰か

「エースをねらえ!」は、単純化すれば1人の女性の成功譚となる。主人公はこの場合、岡ひろみである。この場合というより、「エースをねらえ!」の主人公は岡ひろみに決まっている。しかし、岡ひろみの成功過程を見ると、それよりも別な側面が目につく。 1…

【エースをねらえ!】音羽さんとは誰なのか

「エースをねらえ!」においては、岡ひろみに関わる同世代のテニス人は、全て自らの能力の限界を、ひろみにより知らされる。例外なく全てのテニスプレーヤーがひろみを超えられないことを悟る。これは、お蝶夫人も藤堂も例外なく、というか、お蝶夫人と藤堂…

【エースをねらえ!】藤堂幼馴染の文生ちゃん

第13巻127ページで初登場する独特な髪型の幼馴染の織田文生(あやき)ちゃん。 彼女はテニスにおいても恋においても、ひろみのライバルになりうるキャラクターであったのに、物語の展開の中、埋もれ淘汰されてしまった。残念なことである。 貴おにいち…