Time is Priceless

時は金では買えません

【キャンディ・キャンディ】生きていればきっと会えるについて


"生きていればきっと会える"というのは、キャンディが、アンソニーとの死別を経て、聖ポール学院での騒動でテリィと離れなければならなくなった際につぶやいたものである。そして、その後のテリィとの離れ離れの愛の際の心のよすがとなるセリフである。実はこの考えは、テリィとの関係のみならず、「キャンディ・キャンディ」において最初から最後まで一貫して流れている思想なのである。これについてみていく。

テリーとの別れ(1回目)

港で老人がキャンディに「嬢ちゃん…人生には わかれはつきものさ 生きていりゃあ あえるさ きっと…」と語りかける。それを聞きキャンディは「生きていればあえる…」「生きていればきっと会える!いつかきっと…」とつぶやく。

テリーとの別れ(2回目)

スザナの事故により、テリィはキャンディと一緒になれなくなり、2度目の別れを迎える。

「生きていれば…生きていれば いつか会える きっと きっと…」「もう会えない!生きてたって…生きてたって」とつぶやく。まずこれまで信じてきたセリフをつぶやき、その後それを否定する。その後キャンディは意識を失いアードレー家に運ばれる。

病院の昼休み

傷ついたキャンディも、病院での暮らしに戻り、慌ただしい日々を過ごす。そして時は流れ、ある日の昼休みに「テリィと別れたとき もう立ちなおれないと思った…ボロボロにつかれてここに帰ってきた…でも… 時ってふしぎだな… あたしはまた元気になりつつある…そうよ!キャンディさまは不死身じゃ!」と言えるまでに至る。

アルバートさんがウイリアム大おじさまと発覚後

アルバートさんがウイリアム大おじさまであるということで、キャンディの心が落ち着いてきたからか、テリィについて「時が確実にあたしたちのあいだをへだてていく…目に見えないものが すこしずつ二人のあいだにつみかさなっていく…」と客観視できるようになっている。この感覚は大人になると理解できるのであるが、これを少女マンガで表現したところが「キャンディ・キャンディ」のすごいところである。考えてみれば、キャンディがこうなることは分かっている。なぜならアンソニーの死を乗り越えた上にテリィとの愛があるのだから。キャンディがこのような性格であることから、テリィとの別れも最終的に乗り越えられることは理解の範囲内である。

初出

"生きていればきっと会える"という考え方。これはテリィとの1回目の別れの際につぶやいた言葉と認識されがちであるが、実際はもっと早く表れている考えである。キャンディは、丘の上の王子様に初めて会った時に、王子様が落としたと思われるバッジを拾ったが、その際に既に「このバッジをもってたら きっといつかあえる」と言っている。テリィどころかアンソニーに会う前の話である。"生きていればきっと会える"は、「キャンディ・キャンディ」において、最初から最後まで流れている概念なのである。

物語の結末

結局、それを持っていたからかどうかは不明だが、キャンディは物語の最後に丘の上の王子様であるウイリアム大おじさまに会うことができた。そしてこのウイリアム大おじさまは、つまりアルバートさんであり、丘の上の王子様でもあるのである。"生きていればいつか会える"は、キャンディと丘の上の王子様との関係において達せられるのである。
「キャンディ・キャンディ」において、キャンディが最初にまた会いたいと思ったのはアンソニーではなく、丘の上の王子様であったことを思い出して欲しい。そして、物語のラストシーンで、キャンディは、アルバートさんでもウイリアム大おじさまでもなく、丘の上の王子様に再会するのである。
"生きていればいつか会える"は成し遂げられるのである。