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【エースをねらえ!】第12巻 たえよ!この悲しみに…の巻


悲しんでいるのはひろみだけじゃない。悲しむひろみを見て悲しむ人もいる。悲しみの連鎖の回。ちゃんとラストにひろみが立ち直るきっかけを得ることが救い。

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ひろみが宗方コーチの死を知るきっかけ

この役目をひろみの両親にさせるのは、ちょっとひどいと思う。アメリカでの招待試合で準優勝し、得たメダルを見せたいからコーチの家に立ち寄りたいと、空港から自宅へ向かうタクシーの中で言うひろみを両親はどんな気持ちで聞いたのだろう。タクシーに乗る前に、竜崎理事はひろみに労いの言葉をかけていながら、宗方コーチのことは話さない。話さないだけでなく、ひろみが宗方コーチのことを聞くと、それには答えず、「ほら ご両親もあちらに」と言ってひろみを両親に託してしまう。こういうの、大人の汚いところ。ただし、真相を知った後のケアは両親にしかできない仕事いうのはその通りだろう。その辺りの役割分担がなされておらず、全て親にさせているところがまずいということ。親の負荷高すぎ。

シリアス顔のひろみの両親

これまでひろみの両親は、結構コメディリリーフ的役回りだったのに、もちろんこの巻ではかなりシリアスな役となっており、キャラクターデザインもかなり変わっている。ひろみの父親は、なんとか宗方コーチの日記的なものをひろみに渡すが、これはかなり辛いことだったはず。よくやり遂げた。繰り返すが、これは、竜崎理事の仕事。百歩譲っても桂大悟新コーチの仕事。

母親の愛情

宗方コーチの葬儀になんとか参列するも、悲しみを新たにするひろみを見て、その夜、ひろみの両親は話し合う。父親はまたテニスをさせるつもりだが、母親は、反対する。

ひろみはすなおなやさしい子です
あかるく健康にそだってくれさえすれば
いいじゃありませんか…!
前から話していたように短大でもでてお料理でもならって幸せに結婚できればいいじゃありませんか…!

当然と言える母親の愛だ。しかし、この話の軸は、岡ひろみという才能ある女性テニスプレイヤーのために、男女を問わず、周りの人間全てが自らを犠牲にして支える話だ。このひろみの母親のセリフは、ひろみを支える全ての者に向けて放たれている。母親としては、ひろみは特別でなくて良い。あかるく健康ならばそれで良い、幸せに結婚できればそれで良い。なのに、なぜひろみに自分たちの夢を託すのか。そんなことをしたら、素直なやさしい子であるひろみは、明るくなくなるし、不幸になるではないかと言っている。母親としては正しい答えだろう。父親は、

まあこの話はあとにしよう

と、結論を保留する。父親は母親とは違う形でひろみのことを考えているようだが、どのような考えなのかはここでは描かれていない。

父親の愛情

結局、ひろみの父親は、桂大悟の説得に、

これを逃げれば負け犬になる
ひろみにそんな事をさせてはならない

と納得し、ひろみの母親をも説得して、ひろみを桂大悟の寺に預ける。ひろみの父親は、桂大悟に惚れたのだ。

桂大悟は硬軟取り混ぜた方法で岡の気力を戻して行き、ダメ押しに、宗方コーチのラケットというパワーアイテムを渡す。そしてこう言う。

仁の人生から逃げるな!
あいつの教えを無にするな!
周囲の期待を裏切るな!

これです。ひろみの父親が、母親にひろみは普通が良いと言われた際に、恐らく頭に浮かんだが言語化できなかったであろうこと。桂大悟がこれを言語化したので、ひろみの父親は桂大悟にひろみを預けることを決断したと思われる。

とにかくこの巻でラケットを握る

これだけで大収穫なのである。テニスマンガなのに、巻の始めと終わり以外、一切テニスをしないところが本当に良いわ。ラケット握らないまま、この巻は終わるのかと諦めかけたタイミングで、バケツ5杯を空にするほどサーブしちゃうからね!リアルタイムでコミックス買っていた方々も安心して次を待てたでしょうね。

表紙

ひろみの衣装というか、服装。テニス用なのだろうけど、最近のJKという感じですね。