Golden Time

時はお金で買えません

【秒速5センチメートル】恋愛の相対性


明里と貴樹の関係は、貴樹と花苗の関係ときれいな相似形にある。

思い続けるか否か

貴樹は明里を思い続けていても、明里は思い続けない。
花苗は貴樹を思い続けていても、貴樹は思い続けない。(というかこちらは完全に片思い)

手の届かないところに行くこと

明里は1人で貴樹の手の届かないところに行ってしまう。そして新たに別の人と付き合う。
貴樹は1人で花苗の手の届かないところに行ってしまう。そして新たに別の人と付き合う。

決定的な別れのシーンでの2人

貴樹と明里の最後の別れは、「第三話 秒速5センチメートル」の桜舞い散る踏切のシーン。ここでは明里ははっきりと明里としては描かれず、別人の可能性も含んでいる。最後、遮断機が上がった後の貴樹の視線の先には誰もおらず、1人歩いて先を行く貴樹が描かれる。
花苗と貴樹の最後の別れは、これも「第三話 秒速5センチメートル」に挿入される飛行場のシーン。ここでは貴樹は描かれず、飛行場の敷地外で飛び立つ飛行機を眺める花苗と、その後、カブに乗り1人で家路につく花苗が描かれる。

残された者の末路は描かれず

明里が行ってしまい残された貴樹のその後は不明。
貴樹が行ってしまい残された花苗のその後は不明。

する側とされる側はTPOで入れ替わる

結局、この「秒速5センチメートル」という短編3部作は、恋愛に対し何かする側とされる側は、時と場所と場合によって立場が変わるということを、もしくはことも、表現している。また、これは普遍的なものであるということも意味することを意図した作品である。