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【MIU404】#08 伊吹が踏み絵を踏まされる回


赦しがテーマなのだろう…。伊吹も蒲郡を赦すことができるかの踏み絵を踏まされる。

キリシタン狩りなら踏み絵もあるはずなのに出てこない

キリシタンを獣扱いする、処刑する、クロスが出てくる等、キリシタン弾圧と絡ませた今回の事件。しかし、キリシタン弾圧で日本で義務教育を受けたなら誰もが浮かぶ「踏み絵」の話が出てこない。これは少し引っかかる。

考えてみると、伊吹は、最後に蒲郡の家を訪れた時、捜査一課も張り込んでいたし、伊吹の体にも盗聴器が仕込まれていた。つまり、伊吹は、蒲郡を殺人の容疑者と認識し、刑事として会いに来ていたのだ。個人的には伊吹は蒲郡を、自分を救ってくれた恩人として考えている。しかし、刑事としては蒲郡は、被疑者である。ここで伊吹は、蒲郡を恩人としてか、被疑者として扱うかを迫られる。これがストーリーに隠された「踏み絵」。伊吹は、踏んだことになるのだろう。恐らく。

テーマは赦し

伊吹は蒲郡に親身になってもらったために自らの感情をぶつけらことができ、赦されたために更生できた。蒲郡は、妻を殺した犯人を赦せなかった。過去2度赦されたのに3度目の過ちを、よりによって自分の妻に対して犯したから。そして、蒲郡がしたことを激しくなじったりすることなく受け入れた伊吹は、蒲郡を赦している。しかし、伊吹は警察官らしく、刑法上の罪と罰から逃れさせるようなことはしなかった。あくまで気持ちを理解したということ。

救いの差

蒲郡は、なぜ伊吹を親身に更生させたのに、妻殺害犯からの相談は、あっさり断ったのだろうか。退官したことが理由となっているが、あまりに差がある対応に見える。ひょっとしたら、事故による脳障害以前に、既に蒲郡が何らかの病気に罹り、性格や考え方が変わりつつあったのかもしれない。

また、蒲郡は、伊吹を更生させる際には、先に手を出して来た相手でも、過剰に反撃してはダメだということを説いている。つまり、伊吹を根っからの悪人としてではなく、社会のルールを知らず気持ちだけで動いてはならないという論理を説いている。一方の妻殺害犯に対しては、単純に2回赦されているのに、また罪を犯しても赦すことはできないという論理で対応している。蒲郡は、伊吹は更生可能で更生させるべきと考え、妻殺害犯は更生不可能で関わってはいけないと考えていたのかもしれない。
蒲郡は、妻殺害犯の初犯時に関わったということなので、恐らく、初犯時には出所後も相談に乗っていたのだろう。しかし、2度目の犯罪も犯してしまう。これにより、蒲郡としては裏切られた感じがしたので、2度目の出所後は、冷たくあしらってしまったのかと。それを妻殺害犯は逆恨みし犯行に及んだと。蒲郡が関わったのは1件目の事件というのがポイントである。結局、妻殺害犯に必要だったのは、医療だったと考えられる。蒲郡のようなサポートもよいが、それより優先するのが、短絡的、暴力的性格に対する医療であろう。

伊吹の勘と志摩の想像力

直感的で状況把握をする能力は優れているが、それを言語化できない伊吹と、思考力を使って論理的に想像し説明できる志摩。相手の気持ちを想像できる伊吹と、相手の気持ちに御構い無しの志摩。
学生時代の国語の成績は、言語化能力の高い志摩が優秀だったわけではなく、2人は似たり寄ったりだったんだろうな。評論文力読解は、志摩が得意。しかし、小説読解力は、伊吹の方が上なのだろう。面白い。

学習する志摩

獣の左側のみ書いた札を最初見た際、志摩は、「読めない。日本語じゃないんじゃないか?」と言っている。しかし会議でこれが中国語でショウ、獣を意味すると説明を受ける。するとその後は、「そういえば値札にも中国語で『ケモノ』って書いてあったな」と言っている。これ、志摩はちゃんと会議を聞いているからであり、恐らく伊吹は、覚えていない。そこが良い。

伊吹の恩人 蒲郡さんという名前

また、東海地方繋がりの苗字が出て来た。伊吹山(岐阜)、志摩(三重)で、蒲郡(愛知)。意味があるのだろうが、意味わからん。以下、こじつけで考えてみた。
蒲郡さんは今回初登場し、逮捕されてしまった。第8話ゲスト出演と考えるべき登場人物に、伊吹、志摩と繋がる東海地方の地名を苗字に待たせたのは、伊吹と志摩の関係を強固にするためだろう。

志摩の差し出した手を伊吹が握り返したこと

これまで、伊吹は志摩と組んでいながら、しばしば蒲郡の家に行っていたということが明かされたが、要は、これまで直感的に行動する伊吹を論理的側面においては蒲郡が支えていたということ。今回、蒲郡の逮捕によりそれを継続できなくなったため、伊吹は論理的側面を支える人が必要になった。それが志摩ということである。志摩も第8話で伊吹のことを「あいつはバカですが バカではありません」を評する。そしてラスト。蒲郡のことを思ってか署の屋上で空を見上げ放心状態の伊吹に「行くぞ 相棒」と言い、志摩は右手を差し出す。この行為は、感性から出たものではなく、理性的に考え抜かれた行為。そしてそれを受ける伊吹。

‪ところで、志摩が差し出した手の意味を考えてみる。志摩の相棒だった香坂刑事は死んだ。が、伊吹の心の拠り所である蒲郡さんは逮捕されただけで生きている。生死の違いは大きいが、志摩の喪失は過去のもので伊吹の喪失は始まったばかり。どちらが重いというものでもない。それを踏まえて志摩のは伊吹に手を差し出したのだろう。伊吹が志摩の差し出す手を握り返したのは互いの過去を含めて相棒として受け入れたということ。‬お互がかけがえのない人となる最初のステップを踏んだということ。

これで2人は、今流行りの共依存関係にまっしぐらだ!

ナイトクローラー RECさん

チャンネル登録者数が1.3万人から40万人!まあ、1.3万人も多いけど。最初のツブッターのフォロワー数5012人から見たら、幾何級数的な伸び。
この第8話では、スタッフは、見た範囲で3人入れているし機材にもふんだんにお金使っている。

連続猟奇殺人

…と見誤ったのは、捜査一課ね。

最初の会議で「俺たち持ってるわ」「堀内、茨城出身、俺と同じ」と言っている。さらっと流しそうだが、このまま蒲郡に繋がる。確かに蒲郡が、妻殺害犯堀内が最初に逮捕されたのが茨城県警で、当時の担当が蒲郡。つまり、堀内逮捕の時に、蒲郡は、伊吹と出会っていたということ。3人が茨城県で繋がるから、説得力がある。その犯人が殺された事件に伊吹が担当として入る。確かに持っている。