ちゃんとしてそうで詰めが甘い神崎。実は神崎は何かを思いつくと、それを熟考する前にそのまま行動してしまう。しかし黒木は、何か事実を知ってもすぐには動かない。つまり考えてから行動する。一見、キャラ的には逆に見えるが、理に従って動くのは黒木という点が、設定の面白さ。
バディ解消を上司の末長に思いつきのように言っても認められるわけがないし、思いつきで犯人を取り調べても良いわけがない…と、行動でも神崎のダメな点を描いた上で、黒木の方からバディ解消を神崎に言う。
優しい世界の木村さん
畳み掛けるように、木村さんが黒木の長所を提供してくれる。優しい世界だ。木村さん、飲み物も、普段神崎が愛飲?するもの(実在する「キリンメッツ アルギニンV」)をくれたみたいだし。
木村さんの手にあるのは…
この…
キリンメッツ アルギニンV…飲みすぎだよ、神崎。
猿の使い方…猫の使い方…
うまいのか下手なのか…猿かわいそう。なぜならモンブラン作戦の対象にされてしまうのだから。あ、猫もかわいそう。なぜならモンブラン作戦の対象にされてしまうのだから。
思いつきが役に立つ時
聞き込みで「小坂さんは芳村さんの恩人ですね」を聞き出した神崎は偉い。これ、反省する前だからね。
ロスタイム&トラウマ
ロスタイムを取り計らってくれたのも、トラウマを思い出させたのも、神崎と黒木のことを知る男、澤登副署長。
澤登:君が神崎さんを恨む気持ちもわかる。しかし妙なことを考えるんじゃないぞ。彼に罪はない。君達二人は同じ神崎賢造の息子なんだ
黒木:俺はけじめをつけたいだけですよ あの時の
このやり取り、後々意味を持つのだろう。黒木は神崎に異母兄弟と言うが、実際はもっと複雑な可能性を含んだ会話になっている。例えば、神崎も黒木も22年前に射殺された犯人の子で、あった可能性さえ含みうる会話。
戸籍
謎にしたいみたいだけれど、誰が誰の子であるかは、戸籍見れば大体わかる。それをやらずにストーリーを進めるなんてずるい…と言うわけはなくて、黒木はそもそも状況を知っているし、神崎は、黒木の言う異母兄弟を信じてしまっているので戸籍に当たる動機を持たない。故に戸籍見ればわかるのにというのは、その通りだが、戸籍を見ることをしないまま話は進む。うまくできている。まあでも、神崎は、黒木や父親の話を鵜呑みにせず、というかもっと詳しく知りたくなるから、普通の人間なら、そのうち戸籍を調べたくなるはずなのだけれど、それするとドラマ台無しだからしないのだろうね。
澤登副署長(過去の関わり)
ラストシーンで登場し、黒木に対し過去の話をする際、流れる音楽が微妙であった。これは、過去の話に対するものか、それとも澤登副署長が、過去の黒木と神崎の異母兄弟に関する秘密に対して何か関わっていることによるのか不明。何らかの関与はあるのだろう。この辺り、黒い関与があると面白いとも言えるが、ありがちな展開でつまらないとも言えるので、今回はどちらなのか興味ある。
澤登副署長(六角氏)
演じる六角精児氏は、相棒の鑑識 米沢守役のイメージが強くて、ああ、警察学校の先生から副署長になったのかという、錯覚を起こさせるのに十分なキャスティング。なんか怪しい役は、米沢とは違うので、先入観からくる違和感があって見ていて楽しい。「相棒」は長く続く人気シリーズであり、そこで長く米沢役をされていたので、この先入観、私個人のものではないはずであり、このドラマ中の情報とは関係のない先入観であり、そこを突いてミスリードを誘う脚本であったとしたら、面白いことになると思う。