Golden Time

時はお金で買えませんが、時間はお金で買えちゃいます。

【カネ恋】第2話 消費 浪費 投資の区別がつかない人達


全4話なので、これで折り返し。やはりどう見ても早い。この第2話では、経理と経営の視点の違いが浮き彫りになる(というほど大げさなものではないけれど)。

ムダこそ宝(矛盾した心)

社長室の額の文句「ムダこそ宝」は、少し理解が難しい。書かれていることの意味は分かる。しかし富彦社長の性格に合わない気がする。息子慶太の浪費はどうなのだろう。あれは宝となるムダではないのかもしれない。しかしもしそうであるのなら、宝となるムダと宝とならないムダの定義が必要になる…まあ、そんな堅い話ではなくて、自分があまりに合理主義だから、ムダにも長所を見つけろよと言うことだろう。そう考えれば、富彦社長が慶太のことを教育しようとするのは、慶太の中に宝となるムダが見つけられず、単なるムダにしか見えていないということだろう。まあ、その判断は間違っていないけれど、そこに価値を見出す何かが、物語が進むにつれ明らかになっていく(はずだった)のだろう。4話では短すぎる。

慶太における恋の消費 浪費 投資

玲子の15年越しの恋に勝手に白黒出そうとする慶太。この惰性の恋の意味することに玲子は無理やり向き合わされることになる。これは酷いことなのだけれど、しかし、惰性が何も生み出さない…のではなくて、マイナスにしかなっていないことを直感的に見抜いた慶太は、恋においては「浪費」を許さない男と言える。ただ、恋は心の領域なので、経済合理性を求めることに意味があるかという問題はある。そこは慶太はちゃんとしていて、自分の恋には前向きに手を替え品を替えチャレンジしている。これは「投資」。では、慶太における恋の「消費」とは何なのだろう。まあ、既に描かれていて見落としているのでしょうね。

コンコルド効果

玲子は恐らく自分に対しても語っている。慶太の効果は一定程度あったということか、それとも人は人で自分とは結びつけていないかは、ちょっと分からない。ただし、その後、早乙女との一方的な関係を終わらせようとしたことからも、自分のことと認識している可能性が高い。

合理性のある玲子

慶太に「ほころびを見つけてくれてありがとう」と言える玲子は凄い。この人、気づくチャンスがあれば自分を客観視できる。コンコルド効果に気づいてしまった…遅いけど。遅い、遅すぎる。これまでに気づくチャンスあったはずで、強烈に思い知らされてやっと気づいたというのだから、やはり客観視できていないのかもしれない。

早乙女さん絡みで話が次回へ続くこと

第1話では玲子が早乙女さんに貢ぐ姿を出して度肝を抜き、第2話では早乙女さんパパ疑惑が出て次回へ続く。何か最後の最後に取って付けたように出てくるのが早乙女さんネタ。何というか、安易で雑な意外性演出であるためか、驚きの展開であるはずなのに、ネタとして使い古された感を非常に感じてしまい、素直に驚けず、「ふーん」という感想になってしまった。

ムダこそ宝(自然に身につける男)

社長室の額「ムダこそ宝」は、富彦社長の思いが込められている。これは恐らく富彦社長の座右の銘で、いつも実践できているわけではない戒めの意味を込めた言葉。だからこそ額に入れていつも見ることができるようにしているのだろう。しかしここにバカがいる。消費と浪費、投資と浪費の区別がつかないバカが。しかしそのバカが玲子に言い放った次の言葉は注目に値する。

(8万8千8百円のアロハシャツが、いつ どこで どんな利益をもたらすかと聞かれて)いつかどっかで 思わぬ形でだよ

これ、まさに「ムダこそ宝」を実践する男の言葉。

わくわくスポーツランドのリニューアル

採算が取れていない施設。ここで毎年子供達のテニスの大会を開催している。

玲子:採算がとれていない施設ならリニューアルの話が出ても仕方ないのでは
慶太:違うの!あそこはうちのじいちゃんが大事にしてきた場所だし 毎年 うち主催の子供達のテニスの大会だってやってるし

玲子:全てのものは移り変わってゆくものですから

慶太:変わっちゃいけないものだってあるでしょう

この一連の会話。経済合理性を越えた合理性の話を慶太はしているが、玲子は気づいていない。ここが、プライスレスなものに対する、「ムダこそ宝」を自然に身につける男と、消費 浪費 投資の3つにキッチリカテゴリしようとする玲子の違い。しかし、プライスレスなものに経済合理性の物差しのみで挑むのは無理で、結局、慶太の発想も合理性がある。ただ、経営者視点ならば、経済合理性視点がないと直ぐに経営が行き詰まるであろうが、玲子の視点のみでは、経理はできても、経営はできない。また、玲子の見方だと、投資判断が、目先の損得に向かいがち。株式の保有状況によるが、慶太はオーナー会社の社長の息子であり、雇われ社長とは違う発想を持つ必要がある。その意味で二人三脚が物語の落とし所なのかなと予想。

サブタイトル「その恋、投資する価値アリですか?」

恋において、消費 浪費 投資を区分して考える必要があるのかということがテーマですね。

・慶太のまりあへの恋(経済は重視していないが何を重視しているかは不明)
・玲子の早乙女への恋(経済完全無視)
・まりあの山鹿への恋(経済重視にしようと頑張っているが限界を感じている)
・山鹿のまりあへの恋(ある意味自分の価値を高めるために利用しており経済重視)