Golden Time

時はお金で買えませんが、時間はお金で買えちゃいます。

【カネ恋】「ムダこそ宝」の意味


 TBS「おカネの切れ目が恋のはじまり」の第2話に出てきた社長室の額。ここに「ムダこそ宝」とある。

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【図1】「ムダこそ宝」の額装(シーンの該当部分拡大抜粋)

これは、恐らく社是、もしくは社長の座右の銘であろう。少なくとも猿渡富彦社長はこれに従って、もしくは従うことを理想としていると考えられる。

慶太は宝となりうるムダではないのか

慶太自身は、経済観念が全く欠落しているが、例えば第2話で、わくわくスポーツランドのリニューアルについて、「採算がとれていない施設ならリニューアルの話が出ても仕方ないのでは」「全てのものは移り変わってゆくものですから」と言う玲子に対し、「変わっちゃいけないものだってあるでしょう」と即答した感覚を持っている。

モンキーパス社

慶太の祖父が創業した会社で、慶太の父富彦が現社長。慶太は三代目に当たる。本人はコネ入社ではないと主張するが、まあ、コネ入社。

オーナー企業だとすると、サラリーマン社長の会社と異なり、社長は、血族のために、この会社を子々孫々と継続させる義務があるので、このモンキーパス社の経営は、単に現時点での最適解を追求するだけの経営は、不十分どころか、やってはならない経営となる。その点、慶太は、目先の金勘定のみで判断する人間ではない。しかし、目先の金勘定を全くできない人間でもある。

現社長 猿渡富彦

現場叩き上げで前社長の娘と結婚して社長となった。恐らく、サラリーマン社長の発想での経営を志向している。しかし、その経営の発想に疑義も持っているようで、社長室に「ムダこそ宝」の額を飾っている。叩き上げだからこその長所もあれば、短所もあることを知っているということだろう。減点法の発想にならないための戒めが、「ムダこそ宝」にあると思われる。

この辺り、ドラマの仕込みとして興味がわく。元々の話数であったなら、この「ムダこそ宝」の額装が、最終話あたりでカギとなったであろうと推測される。

宝は守るもの

宝は、それ自体がプライスレスなもの。例えば、国宝は、たくさんのコストをかけて保存されている。つまり、慶太がモンキーパス社の無駄メシ食いだったとして、それは「ムダこそ宝」として守るべき宝であれば、意味を持つ。しかし、モンキーパス社は、社員も相当数いるようで、慶太の振る舞いが、社員の士気に関わるようであれば、制限もしくは追放しなければならないとも言える。

織田信長?

これ、元々は、織田信長の成功譚のような話にしたかったのではないかと思う。うつけの振る舞いをして、社内を闊歩し、時機が来たら、本当に会社のためになる改革を一気に進めるみたいな…まあ、玲子が満を持して買おうとした小皿を含む皿類を大人買いして、マヨネーズ皿にした挙句、使ったら即捨てたという行為から見て、本当のうつけ者に見えるが…いや、信長も身内も欺くうつけ振りだったはず。

いずれにせよ、当初予定の完結は見ることはできないので、この信長シナリオは、夢のまた夢。

ただ、第1話では猿の絵皿が出て来て、慶太がそれを手に入れる。これ、豊臣秀吉を召しかかえたことにならないか…だから慶太は信長…と言いたいところだが、慶太の苗字が「猿渡」なので、信長というより、秀吉本人側だった。。