Golden Time

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【カネ恋】聖徳まりあという女


聖母マリアと聖徳太子と、2人の偉大な人物の名前を想像せざるを得ない名前を持つ女、聖徳まりあ。元カレが山鹿で、その前が慶太。今はフリーのはずが、慶太とヨリを戻そうと画策中。山鹿との結婚話が進んでいるときの慶太に対する態度や、山鹿と決別すると決めた後、強引に慶太と復縁しようとする姿は、ステイタスを持つ男を狩ろうとする気持ちが態度となって溢れてしまっている。ターゲットか否かが絶対的でなくて相対的な感じが何ともな聖徳まりあ。現実世界では絶対に関わり合いたくないがキャラとしてはアリ。

まりあのどこに慶太は惹かれたのか

これがちょっと不明。確かにまりあは山鹿との関係においては、無理をして山鹿に合わせていたが、それはあくまで損得勘定の上のもの。ただし、山鹿に合わせようとするあまり自分の生活が壊れかけ、更に山鹿も自分の価値を高めるために利用する意図で結婚しようとしていた点から、結局疲れ果てて別れた形。テニスにおけるお手製ランチを用意したのは、山鹿に対するテストともいえるし、そのテストになぜだか参加して来た慶太の再評価につなげた。しかしまりあが庶民的で心優しいかというとそうではなく、というかその真逆としかいえない。結局、慶太はまりあの何に惹かれたのか分からない。

なぜまりあは慶太に乗り換えたのか

慶太は、自分をもてなしてくれるが、山鹿は、少なくとも結婚しようとしていたタイミングでは、まりあのことを喜ばせようとはしなくなっていたということか。チヤホヤする感じは山鹿からは感じられなかった。しかし、慶太もチヤホヤする感じとは違っていたが、気分を良くしてくれた。本人の稼ぐ力か、親の財力かの違いはあれど、どちらも将来お金には困らないだろうということで、コントロールしやすそうな慶太に戻ったということか。

山鹿と慶太との結婚相手としての比較

彼女は、まずステイタスを求めている。現在分かる範囲では、慶太も山鹿もお金を湯水のように使うので、お金を持っているか否かがステイタスの最優先事項に見える。ただし、慶太ではなく山鹿を、しかも自分が無理をしてでも婚約まで漕ぎつけている。山鹿にあって慶太にないもの。それは、他者からの尊敬、もしくは羨望の眼差し。山鹿はコンサルとしてガンガン自分の仕事を進め自分で稼いでいる。しかし、慶太は親のお金を使うのみ。第1話で問題の小皿を買ってしまった時も、恐らくバーベキューの金ヅルとして見られていた可能性が高い。まりあは、同じく金には困らなさそうな2人の結婚候補者から、もう1つのステイタスを持つ山鹿を選んだということ。まあ、理解できなくもない。しかし結婚相手を選ぶのは自分だけではなく、相手も自分を選んでいることに気づいてしまったということ。まりあが選んだのはお金と他人の眼差し。一方山鹿が選んだのは、こんな普通の感覚の子を選ぶ自分スゲェのバッジ。まりあを選んだことは、ステイタスでもなく、小さなバッジという認識だったと思う。小さい価値の物を選んだからこそ、それを選んだ自分は、逆に価値高いみたいな感覚。まりあは、それに気づいちゃったということ。

玲子との比較

聖徳まりあは、玲子との比較としてみると、「おカネの切れ目が恋のはじまり」におけるまりあの存在理由が分かる。

玲子は実は浪費癖があったことが分かった。その反動で倹約の道に進んだということ。やることが極端であると言える。しかし、まりあはというと、少なくともドラマの中では、タクシー代も節約し自分磨きにお金をかけていた。ただし、その金額が半端なく、恐らく収入から考えて多すぎだろう。しかし、それは浪費とまで言えるものではなく、山鹿と結婚するための努力であり、これは投資とも言えよう。まりあはその上で、お金持ちに憧れたということではないか。まりあの背景が描かれていないので何とも言えないが、金銭感覚においては、慶太や玲子よりまともである可能性は高い。ただ、お金持ちに憧れただけ。慶太や玲子は、収支を考えない感じなので。

恋についても玲子とは対照的で、玲子は何の見返りもない恋に延々15年も費やすことができるが、まりあは簡単に恋愛対象を切り替えている。恋に恋する玲子と、現実を見て恋をするまりあとの違いが面白い。

名前の主役感

主人公の名前は、九鬼玲子。これ名前の主役感というかなんというか、聖徳まりあと九鬼玲子では、どちらが主役の名かと言われれば、聖徳まりあではないか。少々コメディ感が強くなるが。しかし、聖徳まりあに比べれば九鬼玲子は、よくて敵役、大抵は悪役クラスの名前。本来のシナリオであったなら、この聖徳まりあは、どんな役回りだったのか気になる。名前が良すぎる。