これ、最初の頃は、よく分からなかった。「あぶない刑事」のように、捜査方法がキワドいのかと思ったりもした。しかしラストまで見て分かった。これは神崎と黒木の2人の関係性がキワドいのだと。
2人の(実質2度目の)出会い
神崎が黒木の部署に異動になることから2人の関係は始まる。この出会いは、何も知らない神崎にとっては、変な奴がいるな程度だが、黒木には運命を感じたであろう。実際は、澤登副署長の企みの上の出会いなのだが。この時すでに、黒木は、神崎との関係をどうするか悩んだであろう。これが1度目のキワドい事態。
同居開始時
黒木は結局、赤の他人として離れ離れで暮らしていれば特に何も問題なかったが、同じ部署になってしまうと、色々神崎との関係が変わってくるし、最終的には神崎父との関係についても話さねばならないことが出来てくると理解したのだろう。先手を打って兄として神崎家で同居することにした。神崎父と黒木の関係は、神崎が神崎父の戸籍謄本を取ればわかることだから。これが2度目のキワドい事態。
神崎が自分の出生の秘密を知った時
黒木が悪いのではないが、黒木も一緒になって自分が神崎父の子だと騙されていたと神崎は考えて激しい感情をどうすれば良いか分からなくなる。これが3度目のキワドい事態。
神崎が神崎父が重体に陥ったことを知った時
ここで、神崎は泣きながら黒木に、何故黒木は実の父である神崎父を守れなかったのかと、黒木のために詰る。この辺りから、3度目のキワドい事態は、終息に向かう。
結論
「キワドい2人」のキワドさは、神崎と黒木の2人の関係が不安定で、「兄弟」「バディ」という関係が、破綻しそうで破綻しない、そのキワドさのことを指しているのだろう。だから「キワドい刑事」というタイトルではなく「キワドい2人」なのである。あくまで刑事としてキワドいのではなく、2人の関係性がキワドいからである。