お金の話が出てくると、コメディはもはやコメディではなくなるという典型的な回になった。全体的に見ていて辛いシーンがコミカルに描かれるの耐えられない。第2話は、お金で幸せを買う形になる寿三郎と、お金で幸せを失う形になる寿一の話だった。寿一は、仕事もなく、貯金もない。寿三郎も資産はあれど使える貯金は無い。コメディだと思ったが、中年以降の切実な話だった。笑って観るドラマという認識で良いのだろうか?
認知症の症状と寿一の後継者指名問題
さくらが結婚詐欺まがいのことをしていたことを、寿三郎は10分で忘れてしまったが、寿一を後継指名にしたことについては忘れていない。この差は何だろう。破門したとはいえ、やはり実の息子に継がせたいと言う思いはあるのだろう。特に老いがその気持ちを強くさせるのだと思う。自分の遺伝子を持ったものに継がせたいという無意識の思い。ただし、寿三郎は既に認知症の症状が進んでいることが色々問題を生んでいる。
さくらからの10万円
もらう時に簡単にお金を出してくることに疑問を持てという感じ。しかし、兄妹弟会議で色々知った後も返さない、いや返せない。顔にでるし。
兄弟に弁護士がいること
さくらと対峙するのに弁護士の踊介がいることは大きい。さくらがさっさと本音らしきことを語ったのも、踊介が弁護士だったから、下手に足掻いても無駄と判断したからだと言える。兄をプロレスラーにしながら、弁護士を弟にした設定の妙。
さくらの恋愛感情の無さ
さくらは寿三郎から、婚約時に恋愛感情はなかったか聞かれて、ごめんなさいと答える。詐欺ではなくビジネスだという理屈であるから、このように聞かれたら、そういう答えにはならないような気もする。「ごめんなさい」という言葉には感情が入っているから。
お金ないと全部変わる
寿一については、まさにさくらが言った、
お金ないとね。もう、言葉、態度、目つき、顔つき、臭いと全部変わるの
が全てだった。それを聞いた上で、寿一は10万円をさくらから受け取る。それで「消えたね、オーラ」と言われる。これ、寿一は素直にさくらの優しさのように受け取っているが、逆にさくらが真の悪女でああり、寿一も自分の側に巻き込もうとしているとも言える。
お金絡みの恋愛の初めと終わりが進行中
寿一と元妻ユカは終わった恋、寿三郎とさくらは始まりの恋。共に現在お金が絡む。寿一はお金でモメ、寿三郎はお金で繋がる。
後継者テスト
1週間で弟子を納得させるような舞を見せる…幼少時から練習したことと、家元の血がそれを実現したのかもしれない。しかし、これまで25年のブランクがあるということは、才能だけではなく、その年月の積み重ねにも価値があるような気もする。伝統芸能というものを知らないとこの辺り分からなくて悲しい。
元妻ユカの再婚
再婚を考えているから、元夫寿一には金づると息子秀生の心の安定以外の役割は求めないのだろう。違った、秀生が問題起こした時の謝罪に行かせるという、嫌な役目も負わせている。こういうの、見ていて辛い。
さくらがいるから頑張れる
人から笑われることなど何でもなくて、さくらがいるから舞台復帰に向けて頑張れると言う寿三郎。そしてそれを肯定するさくら。さらにそれを肯定する寿一。その流れで、寿三郎への恋愛感情がないことをさくらは伝える。このシーンで、多くの方が語られた。ここで負けたのは、責められ、全てを暴露されたさくらではなく、寿三郎の今の状態でさくらに去られたら、寿三郎がどうなるか分からないという現実を知らされた、攻める側だったはずの寿三郎の子舞と踊介。
公称身長
長瀬智也182センチ
長州力184センチ