安定のすれ違いドタバタと、相変わらずの奈未の中途半端な人間観察力で楽しく視聴。複数の恋と、複数の仕事エピソードが重なり合う充実した回だった。
おでこにチュー
とにかく潤之介は、説明ないままの男女関係に関する行動が多すぎる。もうこれに尽きる。あと、奈未とのパーソナルスペースが近すぎる。第4話では、JIMMY CHOOのパーティやバーベキューの集合の際を見れば分かるが、急に現れたかと思うと、グッと近づいてくることが多い。これではパーソナルスペースの違う奈未が戸惑うのも無理はない。1m以内に近づくなと奈未が言うのは、パーソナルスペースの観点からはもっともである。これは好き嫌いとは別の話である。好きではあっても、まだ相手の気持ちも確信が持てず、不安定な状態なので、1m保ちたいと言っているのだから。実は潤之介は、姉麗子にもこう言う至近距離のスタンスで接するのかも知れない。そうなら見てみたい。
一方の奈未は、意外に恋愛の想像力高く、誇大妄想と現実的判断の両立が上手いというか下手というか、恋愛におけるヘタウマさが際立つ。宇賀神副社長とウエクサジンコとの関係について、焼けぼっくいに火が着いたとかいう言葉がすぐ出るし、自分だけでなく他人の恋愛にもアンテナ高い…というか、人間とはそういうものか。
少しだけの謎の開示
宇賀神副社長は「音羽堂出版存続」「まだ半年あります」「合併を回避すべく」と言っている。一方、麗子は「この局面を乗り切るには」と言っている。その後に、潤之介と母香織の会話シーンが続く。そこで麗子と潤之介の父との対立について触れられている。つまり、合併相手は、潤之介の父の会社ということではないだろうか。謎が少し明かされた形。しかし、このドラマに深刻な話は必要なのかな。
宇賀神副社長が戦っているもの
合併と言うが、音羽堂出版は、吸収される側なのだろう。吸収された場合、宇賀神副社長の地位が危ないのかも知れない。少なくとも今までのようには行かないだろう。飄々とした表情をしているが、宇賀神副社長には宇賀神なりの苦悩があるのかも知れない。それを阻止するための矢の1つが「Miyabi」の創刊であり、どう言う経緯かは未だ分からないが、麗子に白羽の矢が立ったと。そこにどう麗子の宇賀神への思いが絡むのかが、今後のストーリーの楽しみになりそう。
俺の1番を2番にするとかありえないから
カッコよくて上手いフレーズだわ。しかしこれを使う/使われる機会は、普通はないし、こんなシチュエーションに陥ること自体、普通の人には耐えられない修羅場なはずなので、カッコいいけれど、実用性のない言葉。
グランピング
たった4人なのに恋愛感情のベクトルが交錯していて堪らない人選。来るはずなかった潤之介が現れて、中沢の気持ちは複雑だったろうなぁ。奈未に呼ばれて来てみたら、潤之介がいたなんて最悪な話だ。
ただし、中沢は特に奈未に対して特別な好意を見せていない。ある意味、ほんの少しの好意を感じれば行動に移せる潤之介と、自分の気持ちに確信を持っても恐らく行動に移せない中沢の違いと言えそうだが、中沢に同情したい気持ちは有るが、やはり仕方ないと言うしかない。
ウエクサジンコ
イエスマンを集めるだけのウエクサジンコの仕事場を和気藹々とか捉える奈未甘いな。結局、麗子の良さを知ることになる…んだけれど、これ、おかしい。最悪中の最悪を見せられて、普通の最悪を良いものに思えてるだけな気がする。しかし、ウエクサジンコは、裸の王様と気づいた。これでメデタシメデタシ…とも普通はできない。大人の世界では。ウエクサジンコは、口のうまさで世渡りしている可能性もあるから。
襟にタグエピソード
麗子は昔の自分の失敗エピソードを元に奈未をからかったのではなく、本当に奈未もタグ付けたまま着ていたとか変。
雨だから、今日は星よく見えないや
何だこのセリフの強さ!即優勝だ!昔の少年マンガか何かか?カッコいいなあ。雨の中傘もささずに自分を待ってくれて、その上でこんなこと言われたら、どうなってしまうのだろうか…と言いたいところだが、待つにしても傘くらいさせよ、いや、違う、携帯を撮影現場に忘れてくるなよ。カッコ悪いなぁ。
子犬
奈未は潤之介に子犬のような可愛さを見ている。これは単純に可愛さのみに着眼して見た姿の擬人化と思われる。一方、視点を変えると、麗子からは奈未を子犬のように見ていると思われる。その理由は次の通り。奈未は麗子の雑用係であるが、麗子のビジネス上の言動に対し、あれこれ言っている。これ、単なる会話レベルではなく、注文、文句の類であり、雑用係の範囲を明らかに超える。これを麗子が受けているのは、まさに奈未をキャンキャン言う子犬のように見ているからという考えが成り立つ。潤之介が奈未に惹かれたように、麗子も一眼見て奈未に惹かれたと考えれば、生意気な口をきいても手放さない理由になる。