Golden Time

時はお金で買えませんが、時間はお金で買えちゃいます。

【オー!マイ・ボス!恋は別冊で】最終回


前半に『MIYAVI』の編集長問題を解決し、後半に奈未と潤之介の恋愛問題を描く。綺麗に半々に時間配分されている。

中沢の名前を和泉の前で出す奈未

あんたそれダメじゃん。しかし、それより、こんなひどい仕打ちをされたのに非難しない和泉はすごい人。中沢さん、和泉の良さに気づけよ!いや、気づいててアレか。恋は難しい。

それにしても、和泉から出されたハンカチはいらない、なぜなら中沢からハンカチをもらったから…こんなことを中沢が好きな和泉に言える奈未は恐ろしい。自分の恋には繊細なくせに、他者に対しては考えが及ばない。奈未は単に思いやる心がないだけな気がする。逆にだからこそ麗子とは良いコンビになれたとも言える。奈未は人当たり良さそうで危害も加えなさそうだが、自分のことしか考えていない人間、一方の麗子は人当たりはきつそうで傷つけられそうだが、常に周りのことを考えている人間という綺麗な対比。人ら見かけによらないことを教えてくれるドラマ。

宇賀神副社長…まだ生き残っていた

被合併側の副社長で、今も副社長ということは、ちょっとすごい人。色々派閥的に大変そうなのに。ただ出版社なので、世襲企業の可能性はあるな。だから合併と言っても、一族の地位は保証されるのかもしれない。まあ、音羽堂出版の名前は残っているので、合併は、現時点では資本的なものだけなのかな。そうでありながら、ラストでどうも別な出版社を始めたようである。ただし、その前に麗子から支援をしてと言われており、自主的に退社した可能性がある。

欲張りすぎだと分かっているが、宇賀神副社長については、もっとキャラを掘り下げて欲しかった。麗子との絡みもそうだが、ビジネス的に何を考え、どう動こうとしているのかが描写が少なくて分からなかった。絶対面白いキャラなのに、残念。

責任を取ることでしか生きられない

麗子もまたよくわからない性格。『MIYAVI』の売り上げを増やすことが責任を取ることという考えもあろうに。あの自己主張の強い高橋が降りてまでポストを空けているのに。ま、その明後日な方向の思い込みも麗子らしいと言えばらしいのか。

ドM先輩

ドMではなく、"自分に対してもドS"という新発明された概念。中沢先輩の自己評。さすが編集者。言葉の魔法を知っている。

なぜかMIYAVI編集部オフィスにやってくる潤之介。それを見て、

何か 来てるぞ

と、奈未に教えてあげる中沢先輩。そんなの無視しておけば良いのにわざわざ教えてあげるなんて、本当に自分に対してもMだわ。それにしても、まるで宅配便か何かが来たかのようなセリフ。中沢先輩の負けを認めてなさそうで認めてる感じ、すごく良い。

麗子の編集長ポジションへの戻り方

なんか勿体つけて、しかも様式美のようなものを感じる。つまり、この芸風を理解するには古典の素養が必要なのである。自分で何書いてるかわからないが、謝るのでも、マウントを取るのでもなく、不思議な戻り方である。こういうふうに私はなりたい。

子犬に「もっとわがままになれ」と言う理緒

「もっとわがままになれ」と理緒に言われて潤之介は微妙な顔をしている。わがままになることがどう言うことなのか分からないという可能性がある。それは、潤之介が犬だから。飼い主に従順な犬だから。宝来家に従順な長男だから…と、そこにスイッチを入れたのが奈未だと。しかし、子犬コスプレまでさせていたのが、外見的可愛らしさだけではなく、性根のところで従順な犬であるからと考えると、誰向けなのか理解が難しかった犬コスプレが度々描かれたことも必然的であり納得である。

奈未がなんか変なメイク?髪型?してる

…と思ったら、3年後の話だったのね。変なメイクというより、メイクしてる感を押し出している。しかし面白いのは、再度麗子の下で働くこととなったら、メイクが戻っていること。

よく分からないラスト

奈未は、自分の部屋に妹といて、スマホで幼馴染の動画を見ていたら、その背景にたまたま潤之介撮影の渋谷の看板写真を見つけて、それを見に渋谷に行って、その足で例のベンチに来たら、潤之介本人がいる。なんだこれ。いやいやいや意味わからん。

第1話のベンチで初めて出会った時のエピソードと似た状況を再現するために、無理をしたのだろう。カンボジアにいる筈の潤之介が日本にいる理由として、日本に対するカンボジア観光の宣伝に関する大きな仕事を得たからと説明したことになる。これはまあ、日本にいる理由にはなる。奈未がベンチに来た理由は、幼馴染の日置か撮影した渋谷での動画の背景にカンボジア観光を宣伝する広告看板があり、それに奈未はピンと来て渋谷を訪れ、その後、なぜかベンチに向かったというもの。潤之介が日本にいること、奈未が渋谷に来たこと。この2つは、まあ、納得できる。しかしおかしいのは、2人が良いタイミングでベンチのところに来たことだ。奈未がなぜベンチに向かったのかは分からないし、それより何より、潤之介は、いつからそこにいたんだ?奈未が来なかったら、いつまでいるつもりだったんだ?このピンポイントのタイミングで出会うのは、動画を見るところから始まって考えれば、確率的に無理がありすぎだろう。ドラマでは超低確率のことが起きるが、それにしても、『ボス恋』のラストは度を越している。

なぜカンボジアなのか

海外であればどこでも良かったと言えそう。つまり、宝来製紙の御曹司という肩書が通用しないところでチャレンジしたかったということなのだろう。それが国内では無理なので海外に行かざるを得なかったと。それでも、なぜカンボジアなのかということは分からない。ただ、驚かせるためなのか、帰国を奈未に知らせていないの不思議。ベンチでの再会は、潤之介にとっては計画外だったようだが、そんなことより奈未は少しでも早く潤之介に会いたかったと思う。つまり、再会に小細工は要らなくて、搭乗する飛行機の便名を教えれば、空港まで迎えに行ったと思う。そういった気持ちを考えられないの、やはり潤之介の思考パターン少しおかしい。