Golden Time

時はお金で買えませんが、時間はお金で買えちゃいます。

【ウチの娘は、彼氏ができない‼︎】良い最終回だった


バタつきもなく、綺麗に終わって良い最終回だった。変則的ラブコメなので、大満足とか驚きの結末ということなどはないが、そこが良いとも言える。緩やかに日々が進む日常のちょっとした事件が始まり終わったという感じで、碧と空の人生はまた続くのだなぁという余韻と共に観終えることができた。楽しめた!…しかし、何箇所か、おかしいと思う点はあった。さんま焼き、マグロ焼きは良いとして、付け鼻毛とか何だったのか。ビックリ珍発明のニーズがあるのだろうか?まあ、SNSで取り上げてもらうための細工なのだろうが…。あと、出征の秘密から来るシリアス路線とその後に続く風雅問題。タイトルが『ウチの娘は、彼氏が出来ない』なのだから、光と空の恋のみに重点を置いて構成してほしかった。シリアスパートでバランス取るのが空の役目になって、結局、後半は空は負の感情のない、起きたこと、発覚したことは何でも全肯定する機械になっていた。20歳であれだけのことが起きたら、もっと怒り、もっと嘆き、もっと泣くはずである。

漱石のNY異動とプロポーズ

ああ、予告で見ていたから、冒頭のこの衝撃発言に全く驚かなかった。予告というものは罪深いな…と言いたいが、まあ、開始早々なので問題なしか。

モテ期を自慢する碧

これ、やはり碧は恋愛脳。モテていることを周りに自慢する感覚は、恋を知り始めたくらいの非常に若い時期なら分かるが、もういい大人が…という感じがしてしまう。これは、年齢に関係なく、人の性根の話かもしれない。ちゃんと付き合うのであればモテを触れ回ってもまだ良いが、結局、二人とも振ってしまうのだから。モテること彼氏がいることに価値を置いて人を見ていない感じ。つまり、自分のことしか見えていないということ。確かにそのような人間だから、恋愛小説は上手く書けるのかもしれない。逆に娘の空の方は、恋を知る前の光との関係が恋であるか分からないという。ウチの娘は彼氏が出来ないと言うが、それは親を見ているからという解釈もできる。それを理解できずに、碧は、彼氏を作れと言っている可能性がある。空と光の関係も、彼氏というより同志という感じで始まっている。光側も年上の元家庭教師との関係で恋愛に関する感情を乱されており、光と空の恋はまだこれからという感じ。

漱石・風雅・ゴンちゃん揃い踏み

3人が『おだや』に集まった。漱石も風雅もプロポーズしている。ゴンちゃんだけ告白していない。そんな中の騒動。『おだや』の店内で、おだやかでないことが起きた。これが『おだや』の店名の由来である…なわけないか。

ずっといること

漱石には碧の担当になってから出会い、風雅には若い時の一時関係を持っていた。この2人に対し、ゴンちゃんは幼なじみで、若い時に海外へ行ってしまったこともあったが、基本的にずっといる。そんな3人の中での碧へのプロポーズ合戦。結果的にはずっといるゴンちゃんが選ばれた形なのだが、本当に結果論であり、碧の思考だと、もし漱石と風雅が同時にプロポーズしていなければどうなったかは分からないかもという印象。

最終的には落ち着くところに落ち着いた感じであるが、ゴンちゃんは最後までゴンちゃんだったということ。ここが変わらないから、良いのだろう。しかし、彼氏というのは恋愛感情に基づき、それが発展して結婚に至り家族となるのだろうが、ゴンちゃんの場合、娘も含めて既に家族同然というのが、二人の関係を何と呼べば良いのか問題。

鬼だ!鬼畜だ!人間じゃねぇ!

ゴンちゃんが言っているのは大体正しい。風雅は本当のクズだった。何というか、碧や空たちに話していた感じとゴンちゃんに対する話し方とで、暖かさ冷たさの温度差を感じる。これをゴンちゃんと碧を結ぶための演技だと言われても…、ドラマ世界ではよくある話だが、現実世界でこんなこと想像できない、つまり、リアルさがない。。風雅という人、生まれながらの女たらし、人たらしだとしか思えない。挙げ句の果てには、殴られた後に神社の境内で看病する空に対しては、泣いて見せたりさえする。あんなにゴンちゃんには自分の欲求に素直すぎる無責任発言をしていたのに。本当に風雅という人間は怖い。それ以降の風雅のセリフ全てが、ゴンちゃんに対して放った言葉、表情を踏まえて見てしまう。そしてそうなると全て、エゴに基づく裏があるように見えてしまう。やはりクズだな。

元クローズzeroの住人

…なのか?ゴンちゃん。どんな比喩だ、空。古そうで新しいというか変なたとえ。風雅に通じるのか謎。例えるならもっと古いの出してこないと。あと、クローズはマンガだけれど、クローズzeroは、映画。空は、漫画家志望なのだから、クローズzeroが出てくるのはちょっと変。

神社で参拝する空と光の衣装

空は黒い上着と黒いインナーと青いデイパック、光は白い上着と青いインナー。空は曇り空、雨の空、もしくは夜空、光は曇り空、晴れの空もしくは昼の空。空には、雨も晴れも必要であるし、昼も夜も必要。つまり、空と光は良いコンビであると、衣装が主張している。ラストシーンでは、空は同じく黒で、碧は白。そう考えると、空にとって光と碧は同じ位置付けということか。因みに渉先生と会っていた時は、空は相変わらず黒で、渉先生は薄い茶色…空や天気を表す色ではない。ただしその代わりに、空と大地というペアになれる。風雅は、濃い茶色っぽい上着に青いデニムのシャツ…青空イメージだが、上着の色がちょっと空っぽくない。また、持ち込みマンガで努力賞を得た時は、光の衣装は上着は白、インナーがオレンジ色。太陽もしくは夕焼けと、これも空のイメージにある色。

ジャンプ初投稿、努力賞受賞

空と光のマンガ道の戦いはこれからだ!次回作にご期待ください!…って感じでドラマもおしまい。周りは皆、ハッピーの良い感じで終わった。漱石についてはかなり強引であったが、一応考えられる最善のハッピーさであったと言えそうだし。風雅はあんなもんでしあわせだろ!

ウチの娘は、彼氏が出来ない!! (文春文庫)