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【コントが始まる】第1話 真面目な人のコント


登場人物全てが真面目な人。真面目でありながら、彼らの外形的な生き方は、冒険的に見える。つまり、『コントが始まる』は、真面目な冒険者の物語。

物語の流れは、マクベスの3人の人生と里穂子の人生という二つの塊があり、第1話では、最初は里穂子の話が描かれ、次にマクベスの話が描かれ、最後に2つの塊がぶつかる感じで描かれる。いつのまにか視点の切り替えがなされている感じ。

『コントが始まる』というドラマの第1話が、コントグループが解散を決意したところで終わるの、タイトルに反した感じだし、ザワつく感じで良い。そもそもテレビオーディションの結果も出てないし。

終わらせることができない青春の群像劇というテイストが全編溢れていた。高速道路のシーンも、長過ぎた青春の終着駅を探している感じで。ごく普通の若者の感じがするのに、夢を追いかけ過ぎてる痛さとか。更に目指すものがコントという古臭さ、こう言うのがグッとくる。ここはゲーム開発やyoutuberであるのが正解な気もするが、それだとこのテイストは出ない気がする。‪ただ未だこの世代になっていない、この喪失感を経験していない若者には、この設定は訴求しないかもしれない。ので、コント程度で良いのかもしれない。

マクベス

里穂子が観に行ったのはマクベスの単独ライブvol.14。しかし、このお笑いトリオは次回で解散だと。それはトリオにとっても里穂子にとっても悲劇だが、しかし『マクベス』というのはシェークスピアの4大悲劇のうちの1つであり、その悲劇はもっとドロドロしたものである。そんな悲劇の名前を持つお笑いトリオ『マクベス』に待ち受ける悲劇は何であろう。青春ラブコメタッチなのに、主人公たちはアラサーという悲喜劇となりうる設定と、悲劇である『マクベス』というトリオ名が暗示するものがどう結びつくのか期待して、このドラマを観ていこうと思う。

『ロミオとジュリエット』が昨年の舞台

『マクベス』というグループ名もシェークスピアであり、シェークスピアつながりでのネタが他にあるのかな。

真壁先生という天使もしくは悪魔

怒られてばかりの先生の一言で、高校生の意識が変わるという流れ。高校生なら分かる…と思いがちだが、実際はそんなことはなくて、大抵の高校生は良い思い出で卒業していくと思う。つまり、真壁先生はきっかけに過ぎないということ。春斗はいずれ枠からはみ出る人物だったはず。

覗き見

興味ある相手(個人ではなくトリオ)が隣(のマンション)に住んでいて、ベランダから見える場所にあったら、そりゃあ見ちゃうよね。しかし、応援したくなるかは別だけれど。

中華料理店『ポンペイ』

高校時代の3人が行っていた中華屋。シェークスピアの『ジュリアス・シーザー』『アントニーとクレオパトラ』の登場人物。もしくは火山の噴火で消えたイタリアの古代都市。何故かシェークスピアに因んだものが登場するこのドラマだから、古代都市ではなく登場人物なのだろう。しかし中華料理店でポンペイと来るかな。

焼き鳥ハウス『ボギーパット』

高校卒業5年後に3人が訪れた焼き鳥屋。これはシェークスピア絡みではなく、ゴルフで1打多い打数でカップに入れるパットのこと。一言多いという意味か?

ファミレス『メイクシラーズ』

シェイクスピアに語感が似ている…、いやそれ以上にアンナミラーズに似ているか。この店名に意味があるのか?詩人・劇作家のシラーからとっているのか?そうだとすると、シラーの複数形をmakeするってなんだ?劇作家の量産か?

メロンソーダネタのネタ

メロンソーダネタは、コントとしてかなりシュールなネタだと思ったが、これ、実際に春斗が経験した里穂子の行動が元になっているという、凄まじい伏線回収だった。このメロンソーダネタによる春斗と里穂子の繋がりには、2人の間にある運命の糸を感じる。

夜の公園

一年半前は、里穂子が人生の岐路に立たされていて、それをその時点で比較的穏やかな人生を歩んでいた春斗が受け止める役を担う。今は、春斗が人生の岐路に立たされていて、それを今、比較的穏やかな人生を歩んでいる里穂子が受け止める役を担う。綺麗な対比。

タイトル

『コントが始まる』の意味。第1話にして、10年続いたトリオ解散の話。始まるのではなく終わるの間違いじゃないか…この、タイトルは、第1話のストーリーのように、最終話まで観て初めて理解できるタイトルなのだろうなぁ、期待しかない!

三日月

第一話中に2回三日月のカットが挿入される。三日月は満月に向かう過程の状態。これから、マクベス、春斗、里穂子が、満ち足りた人生に向かうという暗示なのだろう。今後、回を重ねるごとの月の描写に期待したい。

青のり

春斗が食べているお好み焼きに青のりあるよと言って、キッチンに探しに行った瞬太。しかし無くて何も言わずに戻ってくる。春斗に青のりは?と言われて、無いよと返す瞬太。これ、何かを意味しているのだろうか?わざわざ描写するからには意味があると思うのだが。

次回予告

中村倫也氏がコーヒー入れずに映っているし、芳根京子氏も半径5メートルより外に出てきてくれているし。主演級ではなく、今現在同じ2021年春ドラマで主演を担う2人がサラッと登場しているから、エエーって感じの次回予告だった。なんか楽しい青春群像劇だぞ…あ、内容は、青春末期、青春の幕引きの話のようだけれど。

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