Golden Time

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【コントが始まる】第4話 生と死


捨て猫のコントの猫2匹の立場が、実際の瞬太と春斗の立場と逆なのが良い。このコントを作った瞬太が自分を客観視できているということ、つまり母親の死を自分の中で消化できていると言うことだから。

『マクベス』の由来

やはり真壁先生の苗字からだったか…まあそりゃそうだよね。ただ、Makabe's studentsの省略形と、もう少し細かい由来があったのか。そこまでは気づかなかった…というか、それは流石に気づくわけないか。

瞬太と母親との確執

何にしても否定から入る母親。自分の息子だけでなく、飲食店のスパゲティにも否定から入る。こういう人物は周りの人間は確かにきつい。そんな人物を母親に持つ瞬太は、母親の目の届かないところで、母親の嫌がることをするという方法で反発する。瞬太は親子の縁を切ったつもりと言うが、反発を続ける限りそれはつながりが残っているということ。無関心こそが縁切りなので、未だ縁は切れていないということ。で、そのまま母親の危篤を迎える。

鬼がくたばる

こういう風にくるかぁ。ちょっと安直に感動狙ってきてるけれど、仕方がない。なぜなら、春斗と潤平の2人の悩みエピソードは、里穂子の分もまとめて3人分を第3話でこなしており、瞬太だけに時間を割くことはバランスを欠くから。瞬太のエピソードだけ時間を割くわけにはいかないから。仕方ないけれども。この瞬太の緊急事態に、すがろうとするのが春斗でも潤平でもなくつむぎというのがなんとも良い。そして、最後に文句言ってこいと瞬太を促すの、最高にうまい。これは傷ついた者を放っておけないつむぎの本領発揮。

ブランコ

ここに2人で座るのは、心のつながりを持つということなのかな。マクベスの三人ともここに座ったことになるか…女性と一緒に。厳密には春斗と里穂子はブランク近くのベンチでのやりとり。

火葬場で飲み物を飲みお菓子を食べて待つ

これは葬儀の時の定番だけれど、缶飲料と袋スナックを屋外でしゃがんで飲食。コンビニ前の学校帰りの高校生みたいな雰囲気。起きていることの非日常性と、日常の延長のように過ごす3人。これはずっと同じ部屋で暮らす3人だからこそ出せる雰囲気。そしてこの光景は、マクベスの命名の日、高校時代の夏の日、三津屋でアイスを食べながら話していたあの日の姿そのまま。その間10年。これの意味するところは、18歳から28歳の10年間の肯定なのか否定なのか。

マクベスの名前の由来から引導を渡される春斗と潤平

まあ、解散しようか悩んでいる3人は、真壁先生に高校生の時のように背中を押してもらいたかったのだろうな。

ミートソースを仕込むつむぎ

瞬太を病院に送り出したらすぐにミートソースを作っている。これは瞬太がミートソースを食べたがることを読んでいたということ。どんなに傷つく人をほっとけないんだ。そして、すぐにはミートソースを求められなかったから冷凍して待っていたと。どんだけなんだ。ただし、これは愛情ではないのがまた凄い。つむぎ回というのも見たい。

生と死

この第4話のなかで、真壁先生の子が生まれ、瞬太の母親が亡くなる。1話の中に生と死を両方、違和感なく埋め込んでるの凄い。

黒髪の瞬太

母親に反発するための金髪のまま危篤の場に駆けつけて、金髪を母親に詫びる瞬太。そして葬儀の時にはちゃんと黒髪に戻す瞬太。そして、つむぎに「黒も似合うね」と言われ、一瞬間を置いて「でしょ?」と言う瞬太。このつむぎのセリフは、母親に想いをぶつけた後の瞬太の出した答え、つまり母親を受け入れることにした気持ちを汲んだ上でのもの。そして瞬太はありがとう、母親とのわだかまりは解けた…の意味で「でしょ?」と言ったのだろう。しかし、葬儀が終わって、スナック『アイビス』でミートソースが食べたいと言う瞬太。つむぎは冷凍ならあると言って自宅に招き入れるが、この時の瞬太の髪ははまた金髪。葬儀から冷凍ミートソースを食べるまでの時間の描写がないが、この時間により瞬太の母親への気持ちが異なってくる。葬儀終わったその夜ということなら、黒髪にしたのは一応、母親のことも考えてやったと言う程度で、完全にわだかまりがなくなったと言うわけではないのだろう。しばらく期間が経った後であれば、これまで金髪にしていたので元に戻したと言うことで、母親を許したかどうかは髪の色だけではわからなくなる。

瞬太の好物

表向きのラーメンとポップコーンではなく、ミートソースが好きというのを知っているのは、『マクベス』にハマる姉里穂子ではなく妹つむぎというのが、後になって効いてくる。瞬太がミートソースを好きと表向き言えない理由も込みでつむぎが受け止めるの好き。

命名の手抜き

コント「捨て猫」のなかで、春斗演じるタマの名前を手抜きと言っている。また、高校時代に真壁先生の子供が産まれた際、太一という名前を手抜きと春斗と潤平が言う。ここでは瞬太は手抜きとは言っていない。しかし瞬太作のコント「捨て猫」の中にこの手抜きエピソードを入れる。これはやはり太一くんに嫉妬した気持ちが今も残っているということか。