Golden Time

時はお金で買えませんが、時間はお金で買えちゃいます。

【リコカツ】第6話 思い出を言葉ではなくモノに残すこと


流れで離婚が一番良い選択だとなったのだが、何故か穏やかな新婚生活みたいな感じになってスタート。「他人と思うと気が楽」という咲の心の声が全てなのかもしれない。この2人にはそのような時間がなかった。出会いがいきなり咲の命を救えるか否かの場だったから。紘一は咲にとって命の恩人という出会いで付き合い始めるのは、普通の出会いから始まる恋愛とは全くDeepさが違う。結婚が早すぎたということか。だからダブルレインボーのくだりなど、付き合いはじめのデートみたいなことやってる。リコカツではなくちゃんとできなかった婚活をやり直している感じ。

一ノ瀬三尉と青山さん

立場も性格も真逆と言えるほど違うが、同じタイミングで両方がそれぞれの相手に会っている。それはそうで、一ノ瀬と紘一は同じ職場、青山は紘一が咲に会うようお願いしている。そして次回から彼らのコンカツが始まる…のか?

ただし一ノ瀬3尉、階級は紘一より3階級も上。もし紘一と結婚まで漕ぎ着けたら、自分で言っていたように仕事辞めて尽くすのかな?この辺りの関係で一ノ瀬が混乱して、結局、一ノ瀬の方から離れていくような気がする。

先を越された2人

共に両親の離婚を目の当たりにして、夫婦について考え直したように思えたが、どうも紘一には戻るもしくは立ち止まるという発想はなかったようで。第6話で3枚の離婚届が出た。さすが『リコカツ』というタイトルなだけある。

別れて良いのか…

こういう思いは悩みではなく疑問と言える。つまり咲は自分の状況を客観視できているということ。その上で、迷っているというのは、客観的には離婚は思いとどまった方が良いのだろう。

怒られて喜ぶ水無月先生

またおこられたぁー

というせりふ。茶化しているように思えるが、水無月先生は紘一に怒られ喜んでいるとも取れる。最後の晩餐、全部食ってるのも紘一に叱られたいからと取れなくもないし。この人だけは緒原家の最後の晩餐を楽しみ尽くした。水無月先生は次回咲を口説くようだが、恐らく水無月先生は自身が気づいていないが、咲の先にいる紘一に惹かれているのだろう。だから紘一のいない咲に魅力を見出せなくて、アプローチはすれど物足りなくて悩むことになるのでは無いかな。水無月先生が欲しいのは、紘一のような、頑固親父的であっても叱ってくれる父親的な人だろう。

咲に何があっても面倒を見てくれる母親を、紘一に強く叱ってくれる父親を見ているとしたら、水無月先生は、恐らく2歳児が取る行動を取っているのだろう。本当に2歳の時には何らかの理由があって取れなかったであろう行動を。水無月先生が2歳児のだと思うと色々合点がいく。そして、だからこそ紘一と咲の離婚には反対のはず。

最後の晩餐

焼き魚が食べたいと言っても、明日家を空ける最後の晩餐で魚はないと思う。朝食用にとっておいたもの?それはともかく、「ウチの味」という言葉が出た。水無月先生が最後の晩餐をおおかた食べ尽くしたお陰で、とってつけたようなチューリップの唐揚げではなく、「ウチの味」を味わうことができた。これこそ最後の晩餐だ。

離婚する理由

離婚する理由を100個挙げようとするが、出てこない。2人合わせても5個で打ち止め。しかも挙がったのは全て妥協できるような話と思うが。離婚を決めた理由は、そういう言語化できるものではないのだろうな。

ただ、これを演出と考えると巧妙で、別れる理由は数あれば良いものではない。浮気1つだけでも理由になる。ここで咲と紘一が意地になって100個挙げようとした演出上の意味は、要は致命的な離婚理由は二人の間には無いということ。別れる理由がないのに離婚に進んでいく姿をこう言う形で描くの変な言い方だが素敵。

言葉を足すと、すれ違いのまま離婚に突入という悲劇を面白すぎる喜劇で表しているが、これ、視聴者の見方やその時の感情によって、ライトにもヘヴィにも取れるようになっている。ホント素敵としか言いようがない。

家の売却をやめること

カーテンを紘一は褒めていたが…カーテンと家訓の額が同じ色というのがなんとも。これからはカーテンが咲を守ると紘一は言うが、カーテンの色と家訓の色が同じことを踏まえると、紘一の直感的感覚は鋭敏なのかもしれない。

これ、つまり咲はカーテンを見る度に緒原家家訓を思い出すことになる。毎朝起きてリビングに来たら、頭の中で家訓が鳴る。ちょっとしたホラー。

ボールペン

名前入り、もちろん緒原姓。捨てない限り紘一のことを思い出す。これをもらう時に咲が直感的に嫌っていたのは、名前が入ることで単なるモノに何かが宿ることだろう。そして名前付きボールペンを残す紘一は恋愛上級者…いやそんなわけないから、生まれながらの恋愛の天才だ。咲、気づくの遅い。

咲に残された選択

家をいつまで売らないか。これが紘一との最後の繋がり。いくらローンの支払いに協力してくれるとはいえ、新しい恋が始まるのであれば捨てるであろう。つまり、売らない限り咲は紘一との繋がりを維持しようとしているということになる。ボールペンといい家といい、紘一は咲の心の中に思い出を残すのではなく、思い出の詰まったモノを残すことで、咲がそれを見る度に、思い出が心の中に甦るスイッチを残した。このスイッチは捨てない限り起動するし、なんなら捨てても、それでようやくそのモノを捨てたという事実を心の中に残したことになり、相変わらず思い出としては残る。別れた男女が経験する、別れる前の贈り物をどうするか問題を利用して自分のことを過去の思い出にさせない紘一の恋愛スキルの高さ。ただし本人は気づいていなくて、あっさり別れた気になってる。ほんとナチュラルな天才。

思いの言語化

思いを言語化するのに時間がかかると紘一は言う。ここでポイントなのは、思いを言語化できないと言っているのではなく、時間がかかると言っていること。要は、会話はゆっくりとしたスピードでさせてくれと言っている。一方、咲の方は、少し感情的になっただけで、畳み掛けるように話すタイプの人。出版社勤務で言語化が仕事の人だから仕方がないかもしれない。しかし紘一には、それがストレスになったのかもしれない。このあたりは、会話という人が二人以上集まれば自然に行われるものにも、人それぞれの個性があり、相手の個性に気遣いながら話すスキルが必要ということだろう。紘一の側も、言語化に時間がかかると言いながら、発声が大きかったり独特の言い回しであったりと、咲にとってはストレスとなる言い方であり、咲が一方的に考慮不足とは言えない。

離婚不成立の可能性

離婚届には2名の証人が必要なのだが、少なくともドラマの中ではそれに関する描写がない。ひょっとして証人欄未記載のまま提出して差し戻されたとか?しかし、そんなのは初歩的なことで描写がないだけで満たしているはずと思いたいが…展開上、離婚届は実は不受理というのがあって欲しい展開なので、こんなことも考えてしまう。

妄想だが、離婚届出そうとしたが、証人2名の署名がないため不受理。但しもう他人の咲に迷惑かけまいと黙って自力で何とか処理しようとしてるに一票。一ノ瀬に証人になってもらう展開まである。

ラストシーンのあれこれ

感動的なのだが、色々演出上の仕掛けがある。

左手の握手

握手しようとする際、最初は右手を差し出す。握手は通常右手でするものだからこれは問題ない。しかしすぐ引っ込めて、左手に変える。この動作が不自然。自衛官という仕事柄握手をする機会が多いはずの紘一が最初から左手を出すのはおかしいのでこのような流れになったのだろうが、敢えて左手にしたのは咲の左手に結婚指輪を見つけたからだろう。そして最後の握手は何とも言えない時間をかけて終わる。紘一の手には指輪はなくて咲の手にはある…これを視覚的に見せる効果はあるが、やはり左手で握手するのは不自然。

もう、君の夫ではない

これまでの「まだ、君の夫だ」ではなくこれになった。まあ、こういう変化はつけてくるだろうなとは予測できたが、やはり投入してきた。これについてはタイミングもバッチリで不自然なところはない。ただ、予想通りそうきたかという感じ。

荷物

紘一は大きなバックパックと家訓の額を持って家を出たはず。それが最後のシーンでは持ってなかった。家を出てから青葉区役所に行くまでに宅配便に出したか?とも思ったが、そもそも紘一は車を持っていたので車の中に置いてあるのだろう。描かれていないが紘一は区役所に車できたと言うことで問題なし。

それぞれの実家の音沙汰がない

これが最大の謎な点。合理的な説明はあるのだろうか。紘一は実家に帰ると言うのだから実家の父正には連絡しているはず。それならば何らかの騒動になるはずだが…と思ったが、そもそも咲、紘一両方の親も離婚したばかりで、それどころではないというか、離婚についてどうこう言える立場でもないので、正は誰にも紘一が離婚し帰ってくることを言わなかったとも想像できる。つまり、咲と紘一の離婚は、正しか知らないので、騒ぎにはならないと。

または、これは考えられないが、紘一は誰にも言わずに実家に戻っているということはないか?そうなったら帰った途端パニックだな。両家の両親は、恐らく自分たちの離婚は是としても子供の離婚は反対するという矛盾した行動をとるだろうから。ただ、次回予告ではそんな感じはなかったが。

主題歌『Pale Blue』の"Pale Blue"

この色、家訓の額装のマットの色でもあるし、カーテンの色でもある。第6話でこの曲がフルで初めて流れたということなので、色々狙っているのだろう。色だけに。

Pale Blue

Pale Blue

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ゆるキャン△2期

一ノ瀬三尉演じる田辺桃子氏。筑前煮女とまで言われているが、同じ2021年春ドラマで『ゆるキャン△』2期に何とも言えない良いキャラで出演されている。本当に良い人キャラ。『リコカツ』と役の振れ幅大きすぎ。俳優はすごいと思わせてくれる。