サブストーリーなく、真っ直ぐ事件について骨太に進む回だった。これがドロドロした権力争い絡みのストーリーから解放された日常回の記念すべき1回目である。で、これ、いつまで続くのかな?シリーズ化するならこれでも良いかな?でも少し物足りない気もするが。
痴漢冤罪の騒動
何というか、やっていないと主張する被告人の話と掛けた形で川添書記官の痴漢冤罪騒動を扱っているのだが…痴漢冤罪を茶化す形で扱うのはどうだろう。痴漢冤罪は晴らすことが難しいと言われるもので、面白おかしく茶化すようなものではないと思える。
離婚もしている
川添書記官は離婚しているということもネタ扱い、しかも非常に軽いネタとして消費されている。冤罪も離婚も、茶化すことで笑いをとるようなネタではないと思うのだが。
ストレートなストーリー展開
始めから終わりまで寄り道がほぼなく、推理チックな部分もあるにはあるのだが、それがほとんど引っかかることなく進んでいく。何がいつもと違うんだ、と考えた。
日高と城島がいない…これだ。サブストーリーがない。駒沢部長と城島、坂間と日高というサブストーリーがないため、林が取り扱う刑事事件そのものが最初から最後まで太く横たわって続いていたということ。
相棒三浦刑事役だった大谷亮介氏
捜一トリオでお馴染みだった大谷亮介氏がほんの少し怪しい役で登場。動機もあるからてっきり真犯人かと思ったら、そうでは無かった。今回は小技など使わず結論まっしぐらだから、怪しい役の被害者の夫も少しだけしか怪しさを纏わず、すぐシロになる。ほんと今回の展開すごい。
通常運転再開?
そんな進行ではあるが、日高は登場しなかったが、城島は復帰した。ここから再度エンジンがかかり始めたようで、石倉から坂間への告白と肩透かしや、掟破りに近いみちおの甥っ子登場という弾が飛んでくる。甥っ子…
ということで、次回あたり日高が弁護士になって再登場とかいう感じで、再度テンション上がってくるのではないかな。
石倉の告白と先入観
余りにストーリーがすんなりと流れる回であったため、石倉と坂間とのやりとりが見落とされがちなのだが、オープニング直後に、石倉がアウトオブ眼中であることを自覚し、エンディングで、
言葉にしないと伝わらないことがある。だから僕は言います。僕はあなたのことが好きです
と告白までしている。しかし、恋愛偏差値の低い坂間は、恋愛ではなく同僚として好きという言葉を返す。このため、石倉は、
言葉にしても伝わらないことがある
と引き下がるしかない。恋愛話まで盛り上がりなくスムーズに流される。驚異的な回だ。
第8話は、「先入観」がテーマになっている。太陽は赤、信号は青という先入観、万引きは病気ではないという先入観、痴漢は男という先入観。この石倉のエピソードに先入観を当てはめると、石倉は、言葉にしないと伝わらないことがあると考えている。これは、言葉にすれば伝わるという先入観あっての告白。しかし自らの恋愛感情が坂間に全く通じなかったことにより、その先入観が間違っていたことに気づいたと。石倉くん、ちゃんと今回のテーマ「先入観」に沿ったエピソードに参加できて良かったね!
みちおの甥っ子
なんだこれ、この唐突なエピソード。ただ甥が出てきただけで衝撃を受けるとは。第8話は、全く引っかかることなくすんなり流れていたのに、最後の最後に引っ掛かってしまい頭から離れない。このラストのためにオープニングからずっとストレートに話が進んでいたのか!これはもう素晴らしすぎる!
で、なぜ武井壮さんの甥っ子が登場したのか考えると、これ「甥っ子デカ!」と言う坂間さんのセリフが全て。坂間さんはこの第8話の始めに、みちおが話そうとした切先を制して甥っ子トークを始めそうとみちおの心を読んだ。ここで坂間はしたり顔をするのだが、ラストにみちおの甥が実はいい大人だったと言うオチで、自分の先入観が間違ったことに気付かされたと。綺麗に今回のテーマである「先入観」にやるギャップが決まったということ。
大丈夫じゃない、助けて
今回の被告人のラストの叫び。クレパトマニアを自覚しているが逃げられない妻は、これまで夫に大丈夫と言っていたが、ラストで大丈夫じゃない、助けてと言ったの良い。ほんの些細な言葉、ささいな会話に過ぎないものが、夫婦の絆になってくの、これぞドラマという感じ。
しかしこの言葉、同じ週の別なドラマでも乱発される、今週のバズワードだったの少しがっかり。