嘘が嫌いと言いつつも、ポロポロ嘘をついていることがバレるどころか、生き方の根幹で大嘘をついていたことが発覚する被告人。それを横目に、過去エピソードも含め嘘を嫌うブレない姿勢を貫くみちお。この対比が思ったより曖昧に描かれている。最終回は、このみちおのスタンスを揺さぶるような事件が起きるのではないだろうかな。
名は体を表す
みちこのきょうだいの名付け親になる流れで「名は体を表す」という言葉が坂間から出る。性格に影響すると。被告人が黙秘していた名前は、御手洗真一。御手洗という苗字はともかく、真一は、口では嘘をついても自分の心の中の真実は一つという意味だろう。まあ、しかしそれだけ。これ以上のネタはなさそう。それとも見落としたものがあるかもしれない。
嘘が嫌いな被告人
氏名不詳と嘘が嫌いは矛盾はしない。しかし野生動物を食べて暮らしているという冗談は良いらしい。嘘と冗談の境界は本人基準できめるのはダメな気がするが被告人の中では良いらしい。しかし、ふいに言い逃れをしてしまった借金取りの話は嘘だと被告人は言う。
結局、この事件がラスト前に置かれたのは、どんな時であっても嘘はつかないみちおの性格を強調するためだろう。つまり、最終回では、みちおに対して嘘をつけるか、つけないか、つかないかが問われるということだろう。期待。
合気道経験者
私みたいなじいさんが、育ち盛りの若者とつかみ合いになったら、一発でノックダウンですよ
と言いながら、体が反応してしまって刑務官を投げ飛ばす。一般論のじいさんと、個人である私を巧み?に使い分けた表現と言えるか。これは…ギリ嘘では無いか?経験者ならじいさんでも若者に勝てると言い切れないから。しかし微妙。
相変わらず優しい城島
難しそうだが担当して鼻が高い特捜部の事件を手がける城島。なんやかやとヒントをちゃんとくれるの優しい。チームイチケイという感じ…あ、野球チームだと姑息な手を使われたり罵り合うライバルチームだった。
ちょっと偶然がすぎる
青山弁護士の母親が看護師をしていた診療所の医師が被告人だったと。これだけでも偶然なのに、これが分かったきっかけが被告人が使った方言だったというの、無理がある。それより更に偶然がすぎるのは、被告人と被害者の関係。突拍子もないにも程がある。
国選弁護人に裏切られる被告人
嘘をつかないと言っていた手前、国選弁護人の青山に裏切られると、被告人は困ってしまう。被告人と関係のあった青山の母まで傍聴席に座っている。黙秘しているのに国選弁護人に次から次へと過去を暴かれる被告人。しかしこれがなぜか同じく傍聴席に座っていた被害者の心を動かすのは、それはちょっと現実には無いだろと言う感じだが、ドラマとしてなら上手い展開。
青山の覚悟
被告人は自らの身内では無いが、母と関係のある人であると青山は知り、被告人のためにと氏名をはじめとした素性の黙秘の作戦を取る。みちおほど強くないからと。しかし、自らの家族が不利になることさえも、高校時代に法廷で証言したほどの嘘が嫌いなみちおに説得され、青山は覚悟する。法廷では嘘をつかないと。
犯行凶器のスパナ
レンガと共に少年たちが投げたと検察は言っている。このスパナが争点となっている傷害に用いられた凶器である。つまり、少年たちが持ってきて被告人たちホームレスに投げたスパナを被告人が拾ってそれで殴打したというのが検察側のシナリオ。しかし、井手検事がそれを話している時、レンガは飛んでいるがスパナは飛んでいない。それに傷害時、スパナは被害者が持っていたということは井出が言っている。スパナ何本持ってきたんだ?それとも投げつけておきながら回収したのか?襲撃の証拠を残さないためなのか?なら石を投げれば良いものを。育ち盛りの若者の考えることは分からない。
被告人の罪
結局、スパナによる傷害の罪は無実となったし、過去の医療行為についても時効となった。しかし、ラスト辺りで被告人はガラス越しに面会していて相変わらず塀の中だった。これはどういうことなのだろう。被害者の若者に対し、緊急時の対応として医療行為をしたから塀の中ということなのか?今回のケースは、本人の生命を守る緊急時の行為なのだから、犯罪の構成要件に該当しても、違法性かせめて有責性は満たさないような気がするが。何で塀の中にいるの?
みちおは伊勢海老が苦手
エビアレルギーと言うならばわかるが、伊勢海老が苦手と言う。その理由が、みちおの過去につながると。この第10話の頭に出てきて、ラストで回収される伊勢海老が苦手と言う発言に絡む、あっさりしているようで記憶に残る綺麗な伏線。最初に伊勢海老のエピソードを出して、ラストのこの坂間と青山のエピソードで語られるみちおの過去の話で回収する。そして、その間の今回の事件で、嘘をつかないと言いながら人生で大きな嘘をついていた被告人の話がこれらに重なるのは見事である。これにより、みちおは徹底して嘘を嫌うことが分かった。嘘を嫌うと言うより嘘が苦手と言った方が良いのかもしれない。自分の嘘だけでなく、他人の嘘も苦手と考えると、みちおの裁判のスタンスが分かりそう。
犯罪者の並木道
前話では坂間に対するストーカー。今回は謎の盗撮者。この並木道には犯罪者がウジャウジャ潜んでいるのか?最終回に向けて謎を演出しているのだろうが、流石に2話連続なのは既視感強い。これ、まさか意図的ということはないよね?
サブタイトル
第10話のサブタイトルは『最終回につづく物語、切ない真実』。ただし、今回の内容がどのように「最終回につづく物語」なのかは、分からない。メインのホームレスによる学生への傷害事件については、きっちりとした1話完結であった。メインではない話を『最終回につづく物語』と言うのも変だが、まあそうだとして、集めてみる。これのどれかが、「最終回に続く物語」なのだろうか。何か違和感。もっと大きな何かがあるのかな。
・みちこに弟と妹ができた話
・伊勢海老の話
・城島が追っている巨額脱税事件
・みちおと青山が歩く写真を撮る盗撮者
・日高が言った裁判官の任期と再任の話
・法律家として正しい選択をしなければならないという青山の言葉