ラストのすれ違い演出は、長かったけれど、どうなるか予想はつくからドキドキはなく、安心して見ることができました!予想通りでした!でもそれが良いんです。ドラマはいつも想像の上をいくことが期待されるわけじゃない。期待通りで良い時がある。今回のすれ違いは、もうランチの予約客を取った時から視聴者には間に合わないことが期待されていて、長い時間使ってその通りになった。その満足感。
あなたには来る義務があると思う
元カノでオーナーの娘に駿はそう言われて店に来てみれば…なじられ、オーナーには出て行けと言われる。何だそれと言いたいところだが、それが駿のやったこと。しかし、これは駿が止まってしまった時間をまた動かすために必要なこと。本人もわかっているから、引き下がらずにシェフの座を得る。
葉山の人たらしが酷い
相変わらず居候するつもりで皆の家に当然のように帰って来る。しかしさすがに、駿と真柴の関係を察したよう。
俺はこと恋愛に関してそんなに鋭い方じゃないけど
と前置きをして、真柴のことを頼む、もし頼めないなら遠慮はしないと言う葉山だが、駿に、
はじめに泣かせたのはどっちですか
と返され撃沈。確かに人たらしではあるが、恋愛には鋭くない。ただし、人たらしとしてはうまくて、真柴のことを頼む、もし頼めないなら遠慮はしないと自分も土俵に乗ろうとしているのだが、そもそも葉山は真柴の保護者でもないのに、何で頼むとか言えるのだろうか。これは、前提を誤認させて自分の正当性を主張する方法で、非常にタチが悪い。葉山は人生を共にするにはダメな人間だ。
羽瀬と陽人
あっさりと付き合うことになったの笑えるくらい順調。羽瀬はもっと難しい性格だと思ったし、カウンセラー陽人も策士策に溺れるみたいに更なる一歩を踏み出すのにもたつくと思ったのだが。これはこのまま最終回までスンナリ行くな。
放り投げた人
駿と葉山は、仕事のポジションを捨てて逃げ出したと言う点で同じで、葉山はすぐに次を追い求めたが、駿はようやく立ち上がった感じ。どちらも逆境での再スタートである点は共通。
自転車二人乗り
自転車二人乗り。工場敷地は公道ではないのでOK。なかなかテレビでは自転車二人乗りシーンは見られないので、これは良い。設定の勝利。どちらかというと、駿と真柴の二人乗りが見たい。羽瀬と陽人も良いな。
元カノに恋人の存在を言う駿
突然いなくなっておきながら、元カノにそんなこと言えてしまう駿は怖い。ほんと怖い。人の気持ち分からないのではないだろか。その意味で人の気持ちを意図的に操る葉山と真逆だが、引き起こす結果は同じという感じ。ただ、駿の側に立って考えると、理解できる。これはもう贖罪であり、やり直しはありえないのだ。たたただ犯した罪を償うだけの行為。だからこそ、恋愛のやり直しはないことを最初に言っておくことが必要なのだと。それでも、通常は恋人がいるというのは幸せなことであり、それを振った相手にわざわざ言うのは、やはり何か引っかかる。
レストランデートの予定
駿としてはせっかく段取りつけたのに…であり、真柴としては無理なことしなくても…である。互いを思ったが故の諍いになるが、取り敢えずその場は収まる。しかし、ドラマなので、不可抗力とはいえ店の予約客が遅れるというお約束の展開をきっかけに、怒涛のすれ違い。携帯電話を持たないポリシーがここで効いてくるのか。見知らぬ番号からの着信に出ない真柴は普通だから駿の焦りが高まる。ただ、家で陽人に会っているのだから、陽人から真柴に連絡を頼むという手もあるにはあった。
機を利用して、美味しいところをかっさらう嗅覚を持つ葉山が、真柴にアプローチを始める。葉山のイメージがだんだん悪くなるようドラマが巧みに作られている気がしてきた。