タイトルとキャストから楽しみにしていたドラマなのだが、蒼介の圧が強すぎて退いた。意図的で極端な描写なのは分かるが、リアルで苦手なタイプのキャラはテレビの中にいても苦手なキャラだ。しかしまあ、未だ小さい子供の子連れシングル2組を無理やりシェアハウスに巻き込むには、これぐらい圧倒的キャラでないと無理でしょという説得力はある。
蒼介
他者との間合いが、異様に近い、近い。声も大きい。相手の都合を考えずずかずか入ってくる。最悪である。独善的で怖いというのが、個人的第一印象。こう言うキャラを上手く演じる仲野大賀氏は凄いけれど、キャラとしては個人的には受け付けないタイプ。第2話以降でこれを覆すことができるのかな。
母親2人と教師2人
言いたいこと言って満足して帰った児童の母親2人と、言いたいこと言わせて直ぐ帰る教師の礼。仲立ちとなってくれた同僚教師中里の協力があってこそであることを礼は分かっているのだろうか。日中の中里と礼のやりとりを見ているとこれに気づいていなさそうなのが気になる。この辺りも掘り下げるのなら、神ドラマになる。火種は、雑用周りを中里に押し付けていながら、自分は丁寧な教育をしようとしている点。中里にしてみれば、自分も礼のような教育をしたくても、礼がすべき雑用までも自分に降ってきている状態ではできないというもどかしさがあり、それが爆発する可能性はある。七夕の各児童の願いごとに対してそれぞれコメントする礼に、中里が比べられたら自分の立場がないから、もっと手を抜いてほしいと言うが無視していることから、礼にはそこは全く見えていなさそう。現状は、中里の協力あってこそ、教師でいられるという可能性があるのだから。つまり、自分のポリシーを貫くために誰かが犠牲になっていることに気づかない礼の頑張りは見方によっては非常に独善的である。
俊平の妻みどり
亡くなったということだが…公式ページの人物相関図では、その辺りのことは全く書かれていないし、にじやの師匠と同じ大きさである。演じるのは山本美月氏である。本当に亡くなったのだろうか?まあしかし、そこに嘘をつくと、俊平のキャラ自体が成り立たなくなるので、亡くなっているのだろう。それでも、赤城みどりと、苗字に赤、下の名前に緑と反対色を持ってきていることとか、俊平が誰もいない自宅を出る時にみどりとのやりとりが浮かぶとか、何か怪しいフラグ的なものを感じる。ロンドンでの事故という荒唐無稽な感じのする死因とかも。
やむにやまれず
保育所と思って電話を架けたら、ただのお好み焼き屋でしかないとだんだん分かっていく時の、礼の反応は正しい。教師らしく理詰めで追求しようとする様と、蒼介ののらりくらりとした説明のギャップが面白い。そもそもを言うと、何でそんな怪しげなところに架けたのかわからないが。どんな検索したのだろ。そして何故か頼ってしまう…怖くないのか?やむにやまれずというのは、ここまでなのか…まあ、ドラマだからね、ということか。
おかえり
入店した時の言葉が、「いらっしゃい」ではなく、「おかえり」なのは良い、良過ぎる。蒼介以外のキャラは、みんないい人なんだよなぁ。蒼介以外は。蒼介が悪い人というわけでもなくて、苦手な人ということだけれど。
俊平と礼の2人がいれば良くね?
シングルファーザー、シングルマザーの吐き出したい何かがある時に、この2人で話すことができればベストなのかもしれない。そういう意味では間に蒼介がいる必要がない。ただし、蒼介がいなければ、この圧が強くて強引な蒼介がいなければ出会わなかった。これは認めざるを得ない。そして、やはり2人だけではダメで、間に蒼介がいるから吐き出せるのかもしれないというのが、キャッチボールのシーンで描かれる。挫けそうなものが2人いて吐き出しあっても力にはならない。そこに異様な圧の蒼介がいることでバランスが取れるような気もする。何というか独特の世界観が1話で築けたような気がする。
子供2人
子供2人がいなければ、ストーリー上、成り立たないドラマだな。子供2人がにじやとその2階の居心地の良さに気づいたからこそのストーリー展開。子はかすがいと言うが、このケースでも使って良いのかな。
また助けが必要になったら、ここで会いましょう
素晴らしい終わり方。素晴らし過ぎる。これで最終回で良いくらいまとまりがあって感動もあって、余韻もある。うーん、蒼介の圧がもう少し低ければなぁ。
名前の色
赤城俊平、桃田礼、小山内蒼介、野田銀治と、色が名前についたキャラ達。しかも何故か俊平と礼は苗字に色が、蒼介と銀次は下の名前に色が付く。この違いは何?さらにさらに、俊平の亡くなった妻は、赤城みどり。赤と緑は反対色。ここにも意味あるのだろうなぁ…読みようによっては、「あか、しろ、みどり」になる。公式のキャラクター紹介で、"ヨーロッパでの取材中に不慮の事故で帰らぬ人となる"とあるが、赤白緑の国旗だからイタリアとかハンガリーとかなのかな。
トリプルファイブの意味
これ、語感が良いけれど、3つの5ということなのかな。555と言えば読み方は異なるが昔の仮面ライダーにあった。あと、トリプルは、3組のシングルマザー/シングルファーザーが集まったからということかもしれない。今後、このトリプルファイブの意味について語られることはあるのだろうか。単なる幼少期の俊平の思いつきなだけな気もする。
戦隊モノとしては、大体メインは5人で、それぞれ色が割り当てられる。赤青黄緑桃とか。赤は熱い主人公、青は兄貴分、黄色は姉御肌、緑は弟分、桃は妹分とかそんな感じ。追加戦士というのもあって、金や銀とかが多い。彼らは、1つ上の世代といった感じで圧倒的に強いという設定が多い。
で、『#家族募集します』だが、俊平の息子、赤城陽が被るお面は、"赤城"という苗字にだけにレッド、主役の熱い男。あと、桃田母子のピンク、蒼介のブルー、次回登場の横瀬母子はイエロー。グリーンは…陽の母親がみどりという名前。戦隊モノでよく使われる色はメインキャラの名前に埋め込まれている。この配色に意味があるのか否かは不明であるが、あるとしたら、グリーンの赤城みどりだけが謎。母親なのに何故グリーンという若造設定なのかということと、苗字にレッド属性もある。しかも既に亡くなっている設定。特徴がありすぎて、謎感がある。あと、追加戦士的には、にじやの師匠の野田銀治が、シルバーになっていて、確かに世代が上の設定である。このように戦隊モノの色に寄せていることはわかる。ただし、一部何故その色なのかというのはあるが。
礼についてはまだ何も分からない
何故あれほどまでに自分に厳しい感じでいるのか、娘の雫の父親は今ど子にいるのか。第1話では、礼については未だ何も明かされていない。次回以降に期待。
三人の表情の差
俊平、礼、蒼介の表情は、泣く演技は別として、平常時に勝手な名前をつけて分類すると、俊平は無理をして作られる作り笑顔系、礼は内面のわからないが表面は硬い能面系、蒼介は勢い優先で相手との間合いを詰める土足系みたいなイメージ。これが、指示された演出なのか、重岡大毅氏、木村文乃氏、仲野大雅氏の解釈なのかは分からない。分からないが、上手くバラけていてバランスが良いといえるかも。うるさいのは1人だし。ただ、来週うるさい側にもう1人入ってくるようだが…。
現時点では、蒼介のキャラの内面が分からないので勢いだけの迷惑なやつにしか見えないが、何故こんなキャラになったのかが、今後、明かされるかもしれない。
シェアハウスの中対外の構図
第2話で新たな同居人が増えそうだが、その辺りの基盤が固まった後、シェアハウスの同居人対外の人みたいな構図にならないか不安。この始まり方のドラマで、何かと対決するのは要らない。そうではなく単純に同居人が力を合わせて暮らしていく程度の展開がよい。しかし、何かとの対立というのは分かり易く感情を揺さぶるから、ドラマの最終回近くになるとコメディでさえシリアス展開に行っちゃったりするんだよなぁ。ドラマの世界観を破壊するのに。
サイコホラーな展開予想
このドラマが、サイコホラーだとしたら?第1話であんなに感情を揺さぶっておきながら、実は俊平がサイコパス、もしくはそこまでいかなくてもDVな人だったら?第1話の俊平があまりに笑顔でいようとしているのに悲しみより怖さを見てしまうと、実はみどりは生きていて、俊平から逃げているとか、DVで入院しているとか展開できなくもない。礼も、あの自分のポリシーが絶対正義という考え方から、夫と別れたとかそういうのいくらでも考えられそう。なんというか、俊平の笑顔と礼の生真面目さが強調されすぎている気がして仕方がない。
にじやの師匠の住居
にじやの2階を蒼介が自由にしている。師匠の気配はない。これ、師匠は別なところに住んでいるということ。なぜ?蒼介は師匠に2階の有効活用を語っているところから見て、にじやのある建物が師匠の持ち家ではないにしても、2階の使用権もあるはず。となると、何故わざわざ住居を別にしているのか理由が必要だが…理由づけ出来るのだろうか。恐らくここはシェアハウスにするための話の都合によるもので、理由づけないままスルーされそう。まあ、後付け的に、別宅持ってる資産家で、にじやは道楽というのが出てきそう。
第1話は感動のドラマなのだろうか?
何か少し違和感を覚えるので考えてみた。感動の元となるのが、妻の死にあることが違和感の原因ではないか。そして、息子への想いは強いが、妻への想いがあまり見えないことも気になる。死というのは、それだけで人の感情を揺さぶる。第1話のキャッチボールあたりの感動シーンは、この人の死を上手く利用したもので、実はそれほどのシーンではないのではと思える。なんとなく。