複数の事件が時間を空けて次々とポンポン起きるの見ると、緊迫感があって良いけれど、そんなとこまで計画通りに行くものかなという箇所が多く気になった。
拉致した被害者を一人で放置するスタイル
被害者の1人重藤班長は、水槽の中に入れられその頭上に光の灯った電球を吊ったドローンを飛ばされている。ドローンの飛行可能時間を過ぎたら落下して感電すると。そして現に落下して感電した。ただ、飛行可能時間というより、タイマー起動で落ちたような気がする。
一方、樋口の息子は、廃院となった病院の廊下で女の犯人から逃げている。こちらはどうやって逃げることができたのか分からないが、息子は一旦逃げている。そしてその後また捕まっている。これは、ずっと捕まっているより恐怖かもしれない。
ストーリーは単純
犯人側が、一方的に仕掛けて警察側が翻弄されるという感じで大きな視点で考えると、とてもシンプルな構造。分からないのは、誰が何のためにという部分。しかしそれは当然で、いきなり事件が始まって、色々な描写をせずにどんどん進んでいるだけだから。ほぼ、警察側が見えている部分だけを描写していると言うこともできる。結局、事件は進むが、背景等は何も明かされていないので、この段階で、犯人がどうのということは言えない。
時間差ネタ
重藤に対する白塗りの行為を使った警察との駆け引きが、時間差攻撃だった件。これ、『IP~サイバー捜査班』とかサイバー系刑事ドラマでもメインで扱える大ネタであって、『ボイスⅡ』の中でネタの1つとして使ってしまって良いのかという気はする。
全てが計画通りなんてことあるのだろうか
こんなことあるのだろうか。犯人側にとって、余りに計画通りに行きすぎているように見える。都合よく警察側の人間が動きすぎ。そこまで犯人は読んでいるのか!というより、シナリオがそうだから、そうなんですという感じの意味のわからなさを孕んでいる。流石にちょっと疑問に思う展開。
重いトーン
まあ、そういうドラマなのだから仕方がないが、重い話が畳み掛けるように続く。誰かの大事な人を誘拐し殺すというのは確かにヘビィだけれど、それは設定がヘビィなだけ。殺し方が残忍なのも、殺し方が残忍なだけ。それを組み合わせれば、ヘビィさにヘビィさが重なりホントに怖くなる。しかし、そういうのではない恐怖を見てみたい。というか、初回に、大事な人を残忍に殺すというのをやってきたわけだから、このドラマでは、視聴者のまだ知らない恐怖演出を見せてくれるのだと期待して次回も視聴したい。
愉快犯的劇場版的犯罪だよね、これ
一般的な話として。愉快犯的犯罪、劇場版的犯罪、心神喪失的状態での犯罪は考察向きではないと考えている。観ている時は面白いのだが、観終わったらそれで終わりで、後で、あれがああだったから、これはこうなるのかということを考察するものではないと考えている。犯人側にやむにやまれぬ事情があり、その事情と釣り合う態様の犯罪を犯していないと、合理的な考察はできないと考えるから。例えば、コンビニオーナーが、万引き犯を見つけたが、その場では何もせず、後をつけて犯人の自宅に押し入り、ナイフでなぶり殺しにし、家に火をつけたといった犯罪は、ドラマにはならないみたいな感じ。今回の『ボイスⅡ』第1話では、犯人側は、かなり残虐な殺人を行なっているが、先のコンビニオーナーみたいなことにはならず、動機と犯罪の態様が納得できるものになるのであろうか。