被害者と被疑者の人権を守るための覚悟。かなりシリアスで突っ込んだ内容のような気がする。題材からしてセンシティブなものなので、コメディではあるが、これまでの他の回と比べると笑いの成分は、質量共に抑えられている印象。とはいえシリアスすぎるわけではなく、良いあんばいだなぁと。
大事なのは被害者の気持ち
これが今回の話の全て。これを描くためにストーリーは慎重に進んでいる…ような気がする。けれど、恐らくその通りだと思う。まず、女性の下着ドロの話でジャブ。そして強制わいせつの話でガツンとかまされる。ガツンとかまされるというより、被害者から十分な情報が得られなかっただけでなく、被害者の心を閉ざしてしまった。
人を観察して相手の心を掴む…特殊能力
高い取り調べのスキルを持つ源。センシティブな内容を扱う話のために、源でも対応できないケースがあるという設定を持ってくるの、取ってつけた感じもするが、良い。そして、麻依には取り調べ能力は今一つだが似顔絵捜査能力が高いと言う話につながって、適材適所的にまとまるの良い。
肩固め
普段のトレーニングによる反射ってすごいなぁ、ドラマだけれど。犯人の手が肩に掛かった瞬間に次の動作が出ていた…ていで描かれていたが、実際はぎこちなかったな。アングル等で反射のように見せていたが、あれはまだまだ訓練が必要だな。あと、犯人は持っていた傘を投げ捨てていたが、傘を持って向かってきたらどうなっていたのだろう。麻依はオープニングで互いに警棒的なものを持った訓練で、藤に滅多打ちにされていた。つまり犯人が傘を振り回して向かってきたらどうなっていたか分からない。傘など持たせなくても良かったのに持たせているのは、オープニングの戦闘パターンに合わせてのことと思われるので奥が深い。
麻依への周りの温かい指導教育
ドラマ全体のトーンが温かいのがホント良い。周りの先輩警察官が麻依のことを親身に考えていることが分かるエピソードを積み上げているのを見ると、観ている方も力づけられる。今回は特に山田が女性警察官による聴取の役割について語るシーンと、藤が似顔絵捜査能力をほめるシーンが絶品だった。温かい、本当に温かい気持ちになれる…放映されているの夏だけれど。
犯人似顔絵
絵心のある人は上手すぎてダメ…そう来たか。チラシ配布の際、本人が笑われるとクレームしていた伊賀崎の似顔絵がここで生きてくるの、まあ、似顔絵チラシと犯人の似顔絵と、2つの似顔絵話が出てきた段階で薄々気づいてしまうが、やはりこの展開はアツい。
似顔絵作成の際の麻依の聞き取り力
これは絶品。似顔絵捜査のやり方は人それぞれだから麻依のやり方で待ってみてと藤に言われてからは、ノリノリだった。顔のパーツをモノに例えるの、まあ現実感なくても面白いしユニークで観ていてやりとりが楽しかった。
麻依には似顔絵捜査能力が高い…と。他では失敗ばかりしていても、他の人には真似できない長所があるというの良い。睨まれたから目が実際より大きくなっているかもと言えるところまで才能がある。この点は藤が言葉で本人に伝えているのもまた良い。
私たち下々の警察官は、警察組織からそこまで信用されていないんです
警察官がカードや通帳を預かったり暗証番号をお聞きしたりすることは絶対ありませんと言う藤に続く麻依のこのセリフ。これ…つまり、これまで観てきた刑事ドラマのあの人やあの人は、信用されていない人だったのかってなるやつ。組織から信用されることが大切なことかは別として、刑事ものドラマの切り口としては異次元なセリフ。