Golden Time

時はお金で買えませんが、時間はお金で買えちゃいます。

【ボイスⅡ】第9話 ストーリーに合わせて登場人物は動いている。各人の中には人格はない。


直接対決する久遠京介と樋口。と言っても無線マイク越しだが、これまでと二人の立場が変わっている。これまで冷静な久遠京介が挑発して樋口をイラつかせるパターンだったが、前回くらいからそれが逆転し、この第9話では、冷静な樋口が完全に挑発側に周り、久遠京介はその挑発に翻弄されている。

この第9話には地道な捜査の積み重ねなどなく、無理矢理に3時間半というタイムリミットを設定する話を置いて、その中で解決しようと、さまざまなことが過程をすっ飛ばして結論だけ得て先に進んでいく。ドラマ中でタイムリミットを設定したいというただそれだけの理由で傷害事件を起こす。極悪なのは、久遠京介ではなく制作陣であることがわかった。久遠京介が極悪な理由が今一つピンと来なかったが、視聴率目的だったからか。

ただ、母親が久遠京介の脳内でのみ生きているのは、ヒッチコックの『サイコ』のオマージュなのだろうが、これは説得力あると言える。久遠京介が最後、牢の中でも母親と対話するなら完璧かな。

緒方は何で自宅で捜査してるの?

そこがそもそもダメ。全くおかしな話。警察署内でやるべき仕事。で、ダメなのは、緒方ではなく、制作。自宅で仕事してるのどう見ても納得感なし。なんというか、ダークウェブに入っての"捜査"を趣味でやって良い話ではない。"趣味"でやる分には自己責任。ただし、緒方は進捗状況をECUに報告している。これは"捜査"。

タイムリミットの設定

タイムリミット設定をやりたいがために無理なシチュエーションを用意して緒方を傷つけるとか、久遠京介ではなく制作の発想がおかしい。

近くの別荘

それだけのヒントにより、ピンポイントで1件の別荘を特定してしまうの現実に可能なのだろうか。なんというか、合理性、科学性みたいなの全て見ないふりしているこのドラマのやり口には、飽きが来る。慣れてしまうとドキドキは無くなり、ハイハイまた御都合主義ねとなって、観方も雑になる。

重藤捜査一課長

よく考えれば、この人が一番可哀想。弟に騙され、部下にも騙され。しかも騙され方がハンパない。騙されていたことが分かる前は、樋口に強く当たっていたこともあり、樋口に謝っていたが、しばらくしたら心が折れてしまうかもしれないくらいに酷い目にあっていると思う。ただ、これを全て久遠京介への憎悪に向ければ、立場は真逆であるが第二の重藤(弟)になって、最終的に重藤(兄)対重藤(弟)ということになるかもしれない。