第二週は、太平洋戦争突入迄の2年間。時代は確実に変わっていく。これを、祖父のタバコがチェリーから桜へという、『カムカムエヴリバディ』らしい英語を絡ませた形で見せてくれる。
- episode 006 (11月8日)
- episode 007 (11月9日)
- episode 008 (11月10日)
- episode 009 (11月11日)
- episode 010 (11月12日)
episode 006 (11月8日)
安子と稔の手紙のやりとりが始まった。「実用英語会話」がラジオから流れてこないとか書いているが、なぜなのか知らないのか…。1939年9月1日にドイツ軍によるポーランド侵攻から第二次世界大戦が始まったから、確かに夏休み明けから「実用英語会話」がなくなったというのはドラマ的に良いタイミング。しかし基礎英語講座は続けられる。なんで?
デートの約束
正月の帰省に稔から映画に行こうと誘われた。デートの約束を手紙でするのすごい。今ならラインで一瞬でできるけど、何日もかけて伝えて回答してる。そんな時間をかけた約束も、稔の父親の命により、帰省せず大阪の取引先周りになって守られなかった。それでも手紙のやりとりは続く。
稔は大阪でクリーンな生活をしているようだが、安子に対してズバズバアプローチしていることを考えると、何で?という気持ち。大阪でも楽しくやってそうなのだが。描写がないだけ?
甲子園出れたらその時言うわ
このフラグ感たっぷりの勇のセリフ。戦争との兼ね合いを考えると、早く甲子園に行かなければということになる。そして、あっさり弓丘中は地方予選決勝まで行き、決勝で負ける。また来年ということなのでチャンスはあと1年なのだろうか。それまでは戦争にとられるということもなさそうだし、でもフラグ立ったのだから何か起きるはず。甲子園は1941年から中止なので、勇の最後の年が中止なのか?勇の学年がよく分からないからなんとも。甲子園中止で戦争に行って「甲子園出れたらその時言うわ」が果たされないまま終わるパターンぽくて、このセリフのフラグ感は後味悪い。
episode 007 (11月9日)
赤螺の息子吉右衛門
赤螺吉右衛門。子供なのに人格者のキャラ設定。戦争が始まると吉右衛門の性格により不幸なことが起きる予感。怖いのは戦争賛美の考えに染まることであるし、その逆に反戦思想になると当時は生きづらくなる。吉右衛門の人格者キャラは戦争でどうなるのだろうか。戦後では、潔癖すぎて闇物資を拒絶し飢餓状態に陥ること。太平洋戦争により、吉右衛門は、自らの境遇と育ちに苦しめられるのではないか。それが年齢が若過ぎて他の登場人物対比浮いている登場人物吉右衛門の意味だと考える。
算太降臨!
タンスホールの格好、チャップリンそのもの。ダンス教師。ダンスで生きていくと宣言するが、それでも家族の雰囲気では算太が跡取りになることは変わらない感じ。だからこその算太の行動なのだろう。しかし算太はダンスホールで色々しでかしていたと。算太の話が信用できないというのが親としては悲しいのだろう。結局、父の中では算太は跡取りから外れたというか外さざるを得なくなっただろう。安子が跡取りになるのか?少女時代の宣言のように?
戦争と雉真と橘
雉真の軍服の受注増。自ら望まなくとも稔は少しずつ戦争に巻き込まれていく。海軍主計中佐神田は武井壮氏が演じるが、初登場の今回は個性の全くないキャラだった。しかし武井氏が演じる役が一筋縄でいくわけがない。期待!
一方の橘は、お菓子の原料の砂糖が配給制となりあり作ることのできるお菓子のバリエーションに影響が出てきた。今後どうなるのだろう。
戦争を境に売上増、売上減の違いが出てきている。
こわもての田中
これまた怪しいキャラが出てきた。田中の言っていることがどこまで真実かわからないが、いかんせん当の算太が行方を絡ましてしまったので、田中の言いなりになるしかない。公式相関図でこの人だけ二つ名が付いている。そういう意味で目立つが、別に主要キャラというわけでもなさそうなのがまた良い。
長男揃い踏み
一人っ子吉右衛門、弟のいる稔、妹のいる算太。この並びというか年齢も家業も家族構成も異なる3人の長男が戦争でどう変わるのかというのが実は裏テーマなのではないだろうか。3人ともタイプは違えど、自由ができる家の長男という立場だからこその思想を持って生きている。これが戦争で変わるのか、そのままなのかという点が描かれていくと思う。
episode 008 (11月10日)
生活必需品の統制強化の話の後のお見合い話
砂糖が欲しいための砂糖業者との縁談。母は小豆農家…政略結婚過ぎる。しかし少なくとも近い将来だけを見たら製菓業は衰退することが明らか。
いきなり家を飛び出す安子
なんでも知っているきぬちゃん。この人の安子愛は凄すぎる。これぞ親友…なのかな?
おぐら荘
あんこつながりの名前かい!それはともかく嘘ついてここまでくる安子の行動力。
女を取っ替え引っ替えする鈴木くん
どれほどの男なのか、一度くらいドラマの中で顔見せして欲しい。そうしないと妄想だけが膨らんでしまうから。
映画見て食事
典型的なデートプラン。で、男がコート?マント?をかける。うーん、典型的すぎる。違うのは、英語で会話してること。しかし日の入りを見るというのは何かの暗示か?
美しい日の入りが見えるか聞いて、川に落ちていく美しい日の入りが見えると答える。どういう意味を持つのだろう。
駅での会話
別れの時にコート?マント?をあげてしまう。稔、よく分かってるな。
稔:それじゃあ またね
安子:ありがとうございました
この会話の後でなんとなく察した稔の表情がなんとも。それでそのまま岡山についてくる稔。こいつ、ほんと分かってるな!勉強ばっかりという下宿のおばちゃん何も分かってない。
10分以上経過した後のオープニング曲
安子が汽車に乗り、涙が自然と溢れたそのタイミングで流れる。オープニング曲が流れている間が、列車が岡山まで走る時間経過を表してくれる。洒落た演出。そこで「なんで泣いてるん、安子ちゃん」ときたら、こっちもグッとくるわ。
勇の登場なし
第8話は勇が登場しない。稔と安子の話は勇のいないところで進んでいく。稔というだけに恋は実るのか。一方の勇は…勇み足で実らないというだけなら良いが、勇猛果敢に戦地へということになりかねない、時代的に。次男だし。
episode 009 (11月11日)
安子の帰りが遅いことを心配し、帰ってきたと思ったら稔が付いてきていることを見て絶句する父金太。それは絶句する。
稔は付き合いを認めろと言ってしまう
稔はいつ安子と付き合いたいと認識し、いつ付き合っていると確信したのだろうか。安子の方よりこっちが気になる。
橘お菓子のおいしさ
戦争により、今後菓子製造業が立ち行かなくなりそうと思いながら、橘のお菓子をほめる稔。それを嬉しそうに聞く祖父杵太郎。何とも言えない感じがする。
跡取りの地位を失っていた算太
金太の中では既に跡取りは安子と決めていた模様。このため雉真の跡取りである稔の交際申し出を認めることは難しい。しかし、稔も稔の父も認識するように、菓子製造業がこれから生き残ることは難しい。これが金太にはまだ理解できていない。この差は、客観的に見ることができるか当事者であるかということと、頻繁に大阪という都会に行き、軍人と会い、時代の空気感に触れる機会があり、時代に合わせて売り物を変えていく者と、一つところで同じものを作り続ける者の違いと言える。戦中はこれが更に進むのだろう。その際には、荒物屋の「あかにし」は、物資統制や金属類回収令が出されるされる中、立ち回りが必要とされ、戦後も物不足となるので立ち回りのうまさが求められる。これをおとなこどもである吉右衛門がどう捌くかということか。一方、戦争開始から終戦まで息のできなくなった橘家は、算太の才覚で従来の菓子製造業とは異なる形で家を復興させるのではないか。違いのわかる舌を活かして洋菓子店を開くといった方法で。
雉真と橘の商売の方向
外国と戦う軍隊を相手にする商売をする雉真と、身近な街の人たちを相手に商売をする橘。軍隊は正当性があっても誰かを傷つけたり命を奪う。お菓子はどんな人も笑顔にする。なんというか、全てが逆向きに思える。
雉真と橘跡取り
今なら、雉真が橘を吸収し、勇が立花の跡を取るというウルトラCもできそうだが…無理か。
菓子を絡めて親を落とそうとする雉真稔
しかしそんな小技も効かず、うちにはもう安子しかいないと言う父金太。そう、ここで兄算太の自由人ぶりが響いてくる。稔は自分は雉真の跡取りとして生きてきて、ただ一つ、結婚相手だけは自分で決めたいと言うのに対し、算太は跡取りの自覚もなくそもそも今ここにいない。金太としてはどうしようもないのだ。それで金太は正座し、今日は安子が面倒をかけたと詫びる。それに対し稔は夜分にお邪魔しましたと返す。互いに肝心なことを外して異なることに対し詫びあって、肝心の付き合いに対することには触れない。もどかしいやりとり。
あなたと日向の道を歩いていきたい
流石に真剣すぎてここで英語はないか。普段ならこれを英語で伝えるか、日本語の後で英語にしただろうに。
最初に言ったもん勝ちの世界?
勇が稔に起死回生の一撃。兄弟の中では、同じ女性を好きになった場合、最初に好きだと言ったほうが勝ちなんか?相思相愛なのに稔は負けるのか?動揺してボール落としてるし、負けそうなんだけど。
episode 010 (11月12日)
キャッチボールの戦い
9話の続き。キャッチボールしながらだからなのか、攻守がきっちり変わる。前回の終わりは勇の攻撃、今回の初めは稔の攻撃。どちらも痛烈なヒットを飛ばす。本気の本音のやりとり感ある。キャッチボールの最後は勇の諦めない宣言。これ、つまり兄と相思相愛の恋人を奪うと兄に宣言してる。どういうことなのか分からない。ただ、相思相愛だろうが家同士の結婚と考えた場合、障害があるのは明らかで、その隙をつくという算段なのか。当時としてはアリの発想なのかな。
甲子園大会
全国大会中止。これの重さ。勇の心の拠り所が、自分の力の無さではなく、外部要因で喪失した。勇の自我が崩壊するのか?と思いきや、そんな描写はなく時間は過ぎてて冬になってる。稔の描写さえなく半年が過ぎていた。
史実では甲子園大会は中止でも岡山大会は最後までやったはずなのだが…そこで優勝すれば甲子園出場と同等だと思うのは、球児のことがわからない素人なのだろうか。
おとなこどもの吉右衛門
やはり変わっているわこの子。
聞いたらいけんもんじゃったらそもそも放送すりゃせんじゃろ
ラジオの基礎英語講座を聴くことは、敵性語の勉強をすることなので米英のスパイではないかと言う吉兵衛に対して、こう言う吉右衛門は、頭が良いというか、やはり精神年齢が高すぎる。そして、この回のラストでは基礎英語講座も放送打ち切りになる。
吉右衛門は、今のままの公平公正な人格で戦時下の日々を生き抜けるだろうか。ちょっと不安要素がある感じがする。軍国少年に染まるかその逆をいくか。とにかく極端になりそう。
召集令状
ついに「たちばな」の中から戦争に取られる従業員が出た。戦争が身近になってきたことで、お菓子が思うように作れなくなるばかりではなく、従業員まで取られる。後継問題以前に経営が立ちいかなくなりつつあることが肌で感じられているようで、金太の勢いというか気力が無くなってきているように見える。
太平洋戦争突入
遂に突入した。これからの4年半とその後の時代。全く読めない。読めないが、橘家には受難の時代になることだけは予想できる。
ラジオで太平洋戦争に入ったことを知らされた安子の周りの人々。色々な場所でその放送を聞くシーンが描かれる。その中に算太がいないのは良いとして、勇がいない。これ、意味があるのだろうか。
岡山大空襲が1945年6月29日にあるのが嫌な予感。