シリアスを逆手に取ったコメディというか…無理なシーンの連続であるが、コメディだからまあ良いかみたいなドラマ。しかしブラック味も癖もあるのだ、シリアス過ぎるとか、コメディ過ぎるとか、コメディとシリアスが中途半端と感じる人も一定数いそうで、観る人を選ぶ気がする。
第1話を見る限りでは、コメディというよりパロディ、コントを見ているような気もする。
チープ過ぎるオープニングCG
え?これシリアスものではないのか…とちゃんと最初に思わせてくれるオープニング。コメディやパロディにおいてシリアス感が強過ぎるのはキツいから、シリアス場面は茶化してくるのね。
それにしてもなんというチープさ。イチョウの葉がリアル感全くなくて、二昔前のゲームかというレベル。続く兄拓郎登場シーンも演技が過剰過ぎて空回りしてて、もはや刑事もの熱血漢のパロディに見える。これを意図的に冒頭に持ってくるの良い。コメディなのだから。
拓郎兄さん
うーん、松岡昌宏氏の力の入った演技が、逆にパロディ感を増す。何というか、大袈裟というかステレオタイプな被害者の身内描写で、こういうキャラは別に良いんだが、ちょっと過剰。一昔前ならこれでも視聴者側にリアルと受け取ってもらえたかもしれないが、今は無理でしょう。これはパロディと受け取るのが正解。
逃亡医もの
こういうのは忘れた頃に出てくるのは需要があるからだろうね。医師というステイタス高い人が、無実の罪で逃げ回りながらも医療行為をしていくというの、よくあるパターンだけれど嫌いじゃない。よくあるパターンだからこそ、パロディ路線で攻めてきたのではないかな。
逃げた場所に置き手紙する後輩
は?戻るわけない。事件現場の病院の自分の机に戻ることを想定した置き手紙ってありえない。何でそんなことするんだろ。見るわけないとモノローグ入れてまでそんなことする後輩キャラは、顔見せのためのものだとしても流石に設定おかしい。それともこれが後々のフラグになっているのか?そうだとしても、リアルさが全くない行動であり、これがフラグになったら逆に引く感じ。こういう変な行動取るのもパロディと考えれば、まあ良いかってなる。
腕時計交換
これはなかなかなシチュエーション。身内と加害者を繋ぐのが、この互いの時計という小物使い良い。
医師と魔術師?
美香子は、藤木の手を観て職業を当てようとするが、占い師なのか?このエピソードは、すぐに生きる。
怪我をした沢井を救う藤木
身近にいる人が怪我をするという設定はチープで、そうそうそんなこと起きないだろと言いたいところだが、外科医設定を生かすには仕方ないか。コナンが小学生なのに毎週殺人現場に居合わせるようなものと考えれば、納得できる。
医学は魔法じゃない
藤木のこのセリフは、沢井が手を観て占い師か魔術師の真似ごとをしたことと繋がるのかな?これから沢井は藤木と共に行動するようだが、沢井がいることで貢献できるのは、沢井の魔術師キャラということか?要は詐欺師?こちらは回が進めば明らかになるだろう。まあまあ期待。
やはりコメディだった
時間がないから斧で腕切断とか、氷から作る顕微鏡とか、もうね。ブラックテイストあるのに一回廻ってギャグみたいになってる。ブラック味はあるが、かなり振り切ったコメディだけに「私、失敗しないので」の一匹狼の女性医師より失敗しないことは分かっている。コメディ感安定してる!
手術の際、音楽を聞く理由
僕、基本的には天才なんだけれど、時間配分だけややアレなんで、その都度オペのテンポと展開に合わせて曲を聴いて誘導してもらってるんです
音楽を聴く天才肌の医師というのは過去のドラマにもいたが、藤木は、リラックスするとか集中できるとか、そういう精神的な理由ではなく、実務的な理由なのが良い。南沙織という意外性ある曲であろうが、それは実務的に選んだという理由で納得できてしまう…いや、やはり無理だけれど、これはコメディだからね。過去の天才外科医のパロディかなと思えるくらいに良い設定。
音楽かけるのも、スマホからワイヤレスイヤホンではなく、古いカセットテープ式ウォークマンに有線の簡易式ヘッドフォン。スポンサーの絡みだろうが、本体のSONYのロゴがかすれてしまって"S"のみかろうじて読めるかいなかというところにしているのも芸が細かい。いや、このドラマ、変なところに妙に気を遣っていて、チープなのにチープでない感じがして、期待が増す。まあ、やっぱりチープだったかってなるかもだけれど、チープに思うのは、見る側の修行が足らないからと思ってしまうような仕掛けは、なかなか巧み。
ボートに乗れる医師
何で一人でボート操縦できるの?ああ、天才脳外科医だからお金持ってて、自分のボートも持ってるという設定あるのね、分かるわ。それは分かったとして、でも、そのボートはどっから出てきた?必要な時に必要なものが出てくるのドラえもん的で良いわ。
満を持して登場の佐々木フェロー役安田顕氏
相変わらずの安田顕氏。"何だこの人?"感が強い。このドラマ、最後にコメディ過ぎるキャラ持ってきた。最初に松岡昌宏氏のシリアス寄りのコメディキャラを持ってきて、最後に安田顕氏のコメディ寄りのシリアスキャラ持ってきた。こういうの含めて『逃亡医F』は、完全にコメディ。