Golden Time

時はお金で買えません

【カムカムエヴリバディ】第12週 1963-1964


るいの人生を変える年だからか、第8週から続く1962年からの出来事は、第12週になってもまだ1963-1964年と濃く描かれている。ジョーとの出会いの与えるインパクトはそれだけ大きいということか。

episode 053 (1月17日)

希望フラグ

シャーベットカラーのピンク色のシャツ、赤ワイン色のジャケットを前に、いつかアメリカに行くという夢を語るジョー。夢のためにコンテストに出ると。まあ、これがサブキャラならば、明白な死亡フラグなのだが、ジョーとるいの根幹のストーリーだから、話は別。どうなるかわからない。

ジョーの夢の中身と実現可能性

ドラマ的には、ジョーの、るいと2人でアメリカに行くという夢は、自分のためではなく、母親に会うことができるのに会えないるいのため、母親に会わせるために行きたいというものなのだろうなぁ。ただ、るいとジョーが出会ったことさえ奇跡なのに、今後、アメリカに渡って安子と出会うというのは、どんなレベルの奇跡が起きれば良いのか想像がつかない。そもそも、アメリカに行ける可能性などなくて、今は東京行きが確定するコンテスト出場だけが見えているだけなのに。

磯村吟

この人の評論は当たるのか?トランペットコンテスト予想とモモケン映画の予想が外れるというのがオチではないかな。

モモケン最新作に行く二人

なんで相変わらずホットドッグ持ってるんだジョーは。るいは分かっているからハンカチ用意してるけど、学習しないのか、こいつは。

観に行ったモモケン映画は、支離滅裂、荒唐無稽、迷走…別の意味で目が離せない新作映画だった。小説をよく読むるいは、ストーリーに多少呆れ顔。しかし、ジョーは何かを掴んだような顔をしている。これがヒントになるのか。モモケンを見ながら、ジョーは昔を思い出していた。これ、ジョーは敢えて今風の演奏ではなく、進駐軍のパーティで定一が歌った思いのこもった『on the sunny side of the street』を再現しようとするのではないか。これは、ジョーがジャズに触れた原点。音や技術的にはモモケン映画のように古いが、思いがこもった演奏が、太平洋戦争の時代を経験した審査員をはじめ観客の心を揺さぶるのではないだろうか。

ステージ衣装着たままホットドッグ食べたジョー

自業自得で汚したのに、るいが選んだそのシャツで出場するとか言ってる。ちょっと言ってることわからない。るいの言う通り、食べるなら汚れても良い服に着替えるか、汚れないよう対応してからにしろと。

るいの思いがこもったシャツ

元々新品だったであろうシャツをちゃんとケチャップで汚してくれたおかげで、シャツにるいの手が入ることになった。これでジョーは「るいの思い」がこもったシャツでコンテストに臨める。わざとやった可能性さえ感じる。洗濯が間に合えば、ジョーのテンションがマックスになることは間違いない。しかし、ジョーは気合マックスで臨むような演奏をしようとしているのかな。映画館で得た感触は違うもののような気がする。ジョーのコンテスト演奏の成否はそこにかかっている。

暗闇にいたことのある人間にしか聴こえぬトランペット

勝つよと言うジョーの言葉に、

あの荒唐無稽な映画の何が錠一郎にそう言わせたのかるいにはさっぱりわかりませんでした。でも「きっと勝つ」というジョーの言葉を、なぜだかるいは素直に信じることができました。

と、るいもなぜだか分からない。それはそうだろう。るいが読んでいたオー・ヘンリーのような話は、人間の行動が分かりやすく描かれている。しかし、るいが相手にしているのは、汚してはならない服をいつものようにケチャップで汚してくる人間だから。

これについて考えてみたが、

暗闇でしか見えぬものがある。暗闇でしか聴こえぬ歌がある。

このモモケンの暗闇のくだりこそ、戦中戦後を生き抜いた日本人の魂に響くのかもしれない。この感覚は、実はアメリカ生まれのジャズの名曲「on the sunny side of the street」を日本人が日本人として解釈した演奏を行い、一定の成果を上げたとかなんとかいう評価をジョーは得るのではないかな。つまり、モモケン最新作はヒットし、モモケン映画にインスパイアされたジョーも優勝すると。このあたり、るいがわからないのも仕方がない。生きるか死ぬかの混沌とした戦中戦後当時、るいは物心ついていなかったし、その時は安子がまだギリギリるいと一緒にいたか、雉真家が守ってくれていたから。

ジョーは、戦中戦後の混乱期という暗闇にいた人間にしか聴こえぬトランペットを奏で、優勝するか、優勝を逃しても大きな評価を得るのではないか。

モモケン映画

最初は期待の新人、次に『椿三十郎』と比べられ、今度は若大将シリーズと比べられる。その時々のメガヒットと比べられてあ〜だこ〜だ言われるのは、まだまだ人気のある証拠。それこそ日本人がモモケンを愛している証拠。ある意味、アメリカのジャズやハリウッド映画かぶれの磯村吟には理解できない売れるポイントなのではないかな。

宇宙人から言葉なくとも通じる仲に

るいは最初、職業不明の大量の洗濯物を持ってくるジョーを、理解できない人物であることから、宇宙人と呼んでいた。それが、コンテスト前の衣装を箱から出すときには、全てを分かって応援する意思を伝えるために黙って微笑むところまできている。この進歩!映画館でケチャップ落下防止用のため用意周到にハンカチ出したり、コンテスト当日に衣装のシャツにケチャップつけてやってきても、呆れながらも焦らずジョーに的確な指示を出している。るい素晴らしい。

episode 054 (1月18日)

日本の映画史上稀に見る駄作

最低の評価は、人によっては最高の評価を得る可能性があるということかな。モモケン最新作は、ラストの1対1の対決シーンだけは磯村吟も褒めていたし、前半飽きた顔をしていた竹村夫妻も引き込まれていたし、モモケンも負けていないということ。しかし、映画館から出てくる若者の顔は曇っていたから、観る者を選ぶのだろう。やはり戦中戦後の苦しさを知っている者とそうでない者でラストシーンの見え方が違うのではないかな。思うに、絶対的正義であるはずのモモケンが倒した相手も、敵なりの正義を貫こうとしたが敗れたとかそんな感じではないか。要は、一定年齢より上の観客は、負けた敵役に敗戦国日本を重ねたと。これにより敵役を演じた斬られ役俳優だった年齢の行った秘蔵っ子が、モモケンを踏み台にして映画界でのし上がることになるのかもしれない。この流れになれば、ジョーはコンテストに敗れることで、先が開ける気がする。

トミー。負けへんよ。

ジョーによるトミーへの宣戦布告。なにこれ、この言い方。相変わらず捉えどころのない、気の抜けたようにも思える言い方。しかしこれはジョーの本気。それをトミーは分かっている。

東京で通用する逸材探し

そんな枠で考えていないんだよなぁ、今のジョーは。目はアメリカを向いているのだから。実際のところ、実力は未知数だけれど。

ササプロの社長もお嬢様もとぼけているが、トミーには惹かれたみたい、ジョーが出てくるまでは。その後、ジョーも入れた2人に惹かれた模様。この2人から1人を選べるのかな。こういう戦いに1人を選ぶ意味あるのかな。プロモーターならば両取りもあると思うけど。

それ以前に、ササプロは東京で通用する逸材探しにきているつもりなのだろうが、動機と実力はともあれトミーもジョーもアメリカを見据えてて、その辺りの認識のギャップが、追々出てくるのかな。意外に学のあるトミーの方が限界早かったりして。

るいの理解者ベリー

もう完璧な理解者。るいの服装について相変わらずの小言は言うが、心なしか優しさを感じる。

それにしても、ジョーのせいで、ジョーの衣装は立派に仕上げたが、るい自身はおしゃれする時間がなくて、普段着にエプロンの、文字通り着の身着のままコンテスト会場となる『ナイト・アンド・デイ』に来なければならなくなった。これで優勝しなかったら泣くよ、視聴者が。

紅白戦

ジョーが紅組、トミーが白組。2人を見守るマスター小暮の育てたったという顔。しかし、紅白戦で言うと、歴史的には源氏が白なので、勝利者はトミーなのかな?さあ、どっちだ、と期待したら、まず最初は「審査の結果票が真っ二つに割れました」とか言ってるが、審査員はササプロ社長と娘以外に誰かいたのか?真っ二つって…まあ、ここは探る意味の無いところか。

そして、時間切れ、結末は次回持ち越し…って、それはない!圧巻の立ち回りの両者なのに。あ、映画の方は決着付いてたか…。

超特急料金

持ち込まれて直ぐに汚れを落とし、洗濯し、仕上げてステージに間に合う時間に届けた。これ、翌年開通予定の超特急新幹線並みの速さだったはず。恋し合う2人だからこそのスピード仕上げだろうが、だからこそ、竹村クリーニング店として超特急料金を請求してほしい。コンテスト優勝したら更に割増料金もらって良いぞ!

episode 055 (1月19日)

さあ!コンテストの結果発表!

満場一致でジョーが優勝!敗れたトミーも満足感の下、完敗を認める。ここからは、もうトミーもベリーも過去の人になるな。残念だけれど。『カムカム』は、人が過ぎ去るのが速い。それにしてもトミーの立ち姿、ホントカッコ良い。

結婚しよう

え?ジョーは、コンテストに優勝したら告白しようとしてたのか?これって…既視感、勇…。しかし、ジョーは結果を出し、かつ優勝直後というタイムリーなタイミングで告白する。これがウジウジと告白を遅らせる名目に目標を置いていた勇との違いか。ただ、おそらくその性格のおかげで勇はビジネスで大成した。これは勢い重視に見えるジョーとは異なる。ジョーの今後はどうなるか、ついていくるいはどうなるかが、気になる。

理性的なるいと、情に厚い竹村夫妻

就職に失敗した私のこと拾ってくれた

この「拾ってくれた」には、るいのこれまでの人生観が滲んでいる。それに対して竹村平助が

娘をよろしゅう頼みます

と、るいを「娘」と呼ぶのがまた思いがこもっている。「拾ってくれた」と竹村夫妻への感謝を前面に出するいと、それを受け止めながらも、「娘をよろしく」と、拾った他人ではなく、家族だと認める平助。家族の一員の娘だからこそ、結婚するのであれば送り出すと言う。

理性的なるいと、状況を冷静に判断した上で情に厚い面をも出す竹村夫妻との、「家族」のやりとりが凄い。事のきっかけであるし、その場に居るのにジョーは間に入れない。

結局、「就職に失敗した私のこと拾ってくれた」にはるいの竹村夫妻への感謝から来る恩返ししたいという思いが、「娘をよろしゅう頼みます」には竹村夫妻のるいへの感謝から来る幸せになってほしいという親心が溢れている。実の親子より親子らしいやりとり。

マッチ

『ディッパーマウスブルース』のマッチ。ここから、ジョーとるいは更に繋がっていく。まあ、そんな上手い話はドラマの中だけだけれど。それはそれでドラマティックで良い。

ホットドッグ

こういう出会いをしたのか…だからジョーはホットドッグばかり食べているのか。「じょういちろう」という名前だけあって、漢字は知らないというパターンかな。それで定一から漢字を貰って錠一郎としたのかな。まあそこまでは予想がつく。明日あたり、もう少し意外性のあるジョーの秘密が出てきそう。『ディッパーマウスブルース』のその後とか知りたいのだが。今どうなってるか、ジョーは、何故岡山を出て大阪にいるのか気になる。

episode 056 (1月20日)

大月錠一郎の由来

遂に「大月」の由来が判明!それと同時に定一が亡くなっていることも判明!錠一郎の名前に「定一」の文字を含むことから、自分の中に今でも定一はいると言うジョーのセリフもベタだけれど良い!強いて言えば、「大月」の由来がちょっとチープというか、即席感あふれているのだけれど…まあ、そういうところも戦後のドサクサ感があって良いのかな。

「サッチモちゃん」から「るい」へ

結婚するのだから慣れておくとかジョーは言っているが、こういうのをフラグって言うんだよ。どうもジョーは知らないらしい。ただ、「トミー。負けへんよ。」と言いながら、コンテストに勝つという強烈なフラグ折りをしてきたジョーなので、今回も最終的には問題ないのかな。

『きょうの料理』(1963年11〜12月号)

雑誌なのに無茶苦茶豪華な装丁だな。お金持ちしか買えない感じがするのだが…当時の感じでは違うのかな。今の目で見ると、そんな本を買っているというの、凄い気合だなというのが伝わってくる感じ。

ジョーのスランプ?

スランプなのか?それとも、何か身体に不調でもあるのか?スランプというだけなら、どんなに深くても、何かをきっかけに復活とかありそうだが、例えば指が動かなくなるとかいう病気だったら、ジョーが一人で受け止めるのかなり厳しい。るいが近くにいないのなら、奈々さんの出番かな?うーん!酒は飲まない設定なのが、ここにきて酒に溺れるという展開になったら余計怖いが、どうなるのだろ。誰が救うのか、それとも誰も救わないのか?ジョーが酒に酔って事件を起こして裁判沙汰となり、片桐が弁護士として再登場したら、最高、いや最悪だな。

それにしても、うまく音が出せないというの、素人にも分かるほどなのは、かなりの危機的状況ということだな。

トミー再登場!

嫌な役回りさせられてるな。ジョーの引き立て役の次はストーリーを回す役か。それでも再登場しただけで嬉しい。コンテストに負けた段階で過去のキャラになったかと思ったから。まあ、いずれそうなるのだろうが。

自分の名前の漢字も知らなかったジョー

そんなジョーが、『ジャズ・ジャーナル』誌の記事を読んでいるということ。つまり、定一は、最低限の教育をジョーに与えたということ。他人の定一が、ジョーのことを思って教育をした。これ、一緒に住みながら店の再興や英語教室といった外のことばかりやって、あまり自分の子の教育に関心はなさそうだった安子と対比されている感じがする。

定一は、ジョーに対しトランペッターという職も与えている。才能だけでなく練習も必要な仕事で、関西一となったということは、定一はよほど細やかにジョーを育てたということ。自分の死後のことまで考えて「ナイト・アンド・デイ」の先代にジョーのことを頼んでいたりと、ジョーのことを親身に考えている。一方、安子はというと、やはり定一対比で親としてかなり見劣りする。"i hate you"と言われたとはいえ、自分が産んだ子供を置いてアメリカに行ってしまったのだから。戦地から帰らない子を持つ定一も、子供のいない竹村夫妻も、自分の子供に愛情を注ぐことができない立場から、親のいないジョーとるいに同情を超えた愛情を注いだのだろう。

あと、進駐軍のオフィスに出入りしていたとはいえ、流石にジョーは英語はできないのではないか。アメリカ行きを考えると、ここはるいの登場なのかもしれない。しかし社長令嬢の奈々も侮れないから英語が多少できるだけでは、なんとも言えないか。

るいの恋するタイプ

ドラマの中では、最初、片桐に惹かれて、次にジョーに惹かれている。共にデートするところまで行っている。この二人の共通点はあるだろうか。安子の場合、稔にしろロバートにしろ、自分の知らない世界に導いてくれる人という共通点があった。だから俺の女になれみたいなタイプの勇は安子を振り向かせることができなかったのだが。しかし、るいの惹かれる男はちょっと分からない。今のところ、自分を拒否しなさそうという感じか。自分だけを見てとかそういうのではなく、拒否されなければ良いみたいな感じに見える。片桐の時に額の傷で拒否されたと感じたから、一旦、恋は封印した。額の傷も含めてジョーは拒否しなかったので、るいは心を許した。だからるいの付き合う基準は、拒否されないことと考える。しかしこれ、受け身すぎる。安子がアグレッシブすぎる反動が娘に出た感じか。

episode 057 (1月21日)

コンサート延期を本人から聞けないるい

それどころか、ジョーへの手紙を何通書いても返事がなかったと。ここでオープングソング入れてくるの酷い。1分1秒でも先が観たいのに。

うまく音が出せない

医者?医者が出てきたか…。確かに音自体が出ていない。

小暮や大阪の皆には余計な心配かけたくない

いや、情報は漏れているので、ちゃんと話さないとダメだろ。それくらいは分かれ。

理解のある奈々さん

意外にも奈々さん理解あるな。というか、奈々はジョーのお母さん役かな。

竹村クリーニング店に電話をかけるジョー

奈々のアドバイスに従って電話をかけるも、勇気が出ず、間接的にるいの声を聞いたら思わず切ったのかな。しかし、普段あれだけ察しの良い竹村和子だが、この電話がジョーからのものだと察することができないのはちょっとシナリオすぎる。

ねじれた情報を仕入れたトミー

こいつ、ガセネタ話しておきながら、ただの噂、浮気などできる男ではないと言う。悪い人ではないというのは分かるが、思ったより慎重さに欠ける。というより、やはりトミーは狂言回しとして話を回す役割。だから少しキャラから外れるが、こんなガセネタ拡散要員として使われてしまう。スピンオフで、狂言回しとしてではないトミーが主役のドラマを観たい。この人の人生もドラマのはずだし、心の中もジョーに劣らずかなり複雑なはず。

「るい」とまだ呼ぶのに「お前とは終わりや」と言うジョーの心の中は不明

まだ、ジョーはるいを「るい」と呼べている。まだまだ大丈夫。なのにジョーはるいを突き放す。なのに「お前とは終わりや」と言う。るいにとっては、え?という感じのはず。でもるいは未だに「大月さん」と呼んでいるんだよなぁ。しかし、「お前とは終わりや」と言われて何も言わずに去るのが、るい。で、片桐のケースに従えば、次回会う時は、能面のように感情を消してジョーに接するのだろう。それがるいの生き方。人との別れのシーンには未練があっても感情をシャットダウンして強引に気持ちを切り替えてしまう。しかし、そもそもジョーはそんな冷酷なことを面と向かって言う男か?定一から何を学んだんだと叱りたい。定一はジョーを投げ出さなかったぞと。定一は自分の死後にまた孤児にならないよう「ナイト・アンド・デイ」の先代に頼むことまで考えてジョーを見守っていた。そんな愛を受けていたのに、何故、最悪の言葉でるいを振るのか。それ以前に、手紙の返事さえ書かなかったことがダメだ。先走って名前呼びまで勝手に解禁していたのに、自分の状況を説明せず放置し、対面したら簡単に振る。なんというか、ジョーのダメなところが見えてきて辛い。

偶然の連鎖による別れ話

小暮だけに会うつもりと言いながら、偶々るいに会ってしまった。だから別れ話は想定していなかったはず。それで思わず別れ話を切り出してしまったのは、たまたま奈々が出てきたから、たまたまトミーが奈々とジョーの噂をるいにしていたから。うーん、偶然が重なりすぎるぞ。

安子の自由奔放さの報い

安子が、恋愛に対し自由奔放に振る舞い成就してきたその報いが、るいに現れているのではないかと思える。勇が隠してきた負の感情が、るいに及んだようにさえ感じる…勇は全く悪くはないのだけれど。

改めてジョーが吹けなくなった理由を考えてみる

これ、肉体的な病気でないなら、一人になることに対する怖さではないかな。ジョーのるいに対する接し方は、勇に似ている。甲子園出場を決めたら告白する、進駐軍との試合に勝ったら告白するという勇の考えは、ジョーの関西トランペッターコンテストで優勝してすぐ結婚しようと告白した姿に重なる。二人とも、告白の切っ掛けを、告白相手とは全く関係ない、自分の人生を賭けて打ち込む対象に置いている。勇は、甲子園は中止となったことで1回目のチャンスを逃し、2回目のリベンジは、試合に勝つ願いは成就したが、肝心のるいがその勝利の瞬間にロバートといるという手遅れな事態になっていた。ジョーの場合、トランペッターコンテストで優勝して結婚の告白をするも、目標は、アメリカ行きであり、まだまだ途中である。勇の場合は、目標を完全に達成したら告白するとしていたが、ジョーの場合、目標が段階的であるのに、その最初の東京行き決定の段階で告白したが、次のアメリカ行きの目標を前に、東京のミュージシャンのレベルの高さに無意識の内に心が折れたのではないだろうか。るいをアメリカに連れて行かなければというプレッシャーに体が押し潰されたと。ジョーの残念な点は、というか、これは勇の残念な点でもあるが、目標達成において愛する人を絡ませていないことだろう。稔は、安子と世界中の人々と自由に交流できる世界を願い英語を学ぶという共通点を持ったし、ロバートも、日本人が世界の人と交流するための手段としての英語を広める活動を安子としていた。このような行為が、ジョーと勇にはない。ジョーの場合、ジャズという共通項があるのに、自分がるいをアメリカに連れて行くとかそんな思いが強くなったために、挫けたのではないか。

しょっちゅう2人で出かけるんやて

このトミーのセリフ。正しいのだけれど情報が足りないので結果的に「出かける理由」が、受け手には間違って取られる。

【誤】奈々と交際しているから

【正】奈々の紹介の医者に一緒に通院しているから

東京からツアーで来たバンドマン、絶妙に中途半端な情報持ってくるなぁ。トミーが悪いのではないけれど、でもこれはトミーが悪い。

ただし、東京のバンドマンがジョーが吹けない理由を知っていたらそれも話したはずで、それならそれでトミーもベリーも小暮さんも別な意味で衝撃を受ける。奈々が、交際していると誤解されてまで、吹けないというトランペッターとして致命的な情報を隠してくれていることをジョーはどう思っているか。これがポイントかもしれない。ジョーは他人に助けてもらうこと特に拾ってもらったという感覚に過敏になっている可能性があるから、奈々に対して恩返ししなきゃみたいな感情は出てきている可能性はある。