他人の家の問題に首を突っ込まないと進まないドラマではあるが、それは覗き見趣味であることと人の家の秘密をマンション住民に触れ回ることにもなっている。これがドラマとして扱い方が難しい点になっている。だから、第一話で解決した402号室のエリートサラリーマンを再度出して、チカラの行動は人によっては迷惑に感じるという視点を描いているのだろう。ちゃんとバランスを取ろうとしているのは分かるが、しかしチカラが覗き見して他人の秘密を住民に触れ回らないと話が進まない構成になっているからもどかしい。扱うテーマの難しさから仕方がない気もする。
大学も志望校には入れそうだしフラグ
清江さんの「大学も志望校には入れそうだし」というセリフ、これは志望校には入れなくなるフラグだが、後でもう一度このセリフが出てくる。認知症に絡めた二度目の出し方は上手い。そして二度目のフラグが出てきたことにより、再度フラグが立つことになり、無事志望校に入ることができるオチとなる。
もう閉じるエレベーターに無理やり乗り込む灯
自分が待つことはせず、相手を待たせることは気にしない。そういうキャラかぁ。
余計なお節介では済まないことしてる
チカラは余計なお節介をしている自覚がないのはほんとまずい人間である。それよりもまずいのは、他の家族の問題を周りに触れ回ること。
覗き見
カフェから見えてしまうとはいえ、マンションの住人を眺めることが自分の楽しみみたいになっているチカラの行動は、覗き見
愛理の言葉
パパってさ…いっつも人の問題にすぐ首つっこむけど結局それって逃げてるだけじゃないの?そうしてれば自分の問題に向き合わなくて済むもんね。
これ、このドラマの根幹なのだろうけれど、登場人物に語らせる言葉ではない気がする。
靴下
心配事があると靴下を間違えて履くというの、本当かな。そういうことに気がつかないのは、性格というのであれば納得できるが、心配事があると…というのはないのではないかな。もしその様な状況が起きるなら、かなり精神的に参っていると思うが、そこまでではないので。性格で片付けられそう。靴下左右間違えるみたいなのは、両親がいた頃からやっていたのではないかな。
何かあるとマンションの人に聞く行動の是非
これ、他の家族の問題をマンションに住む他の人々に話しまくっていることになる。「ご近所になったから仲良くしたいだけ」という言葉で、これをするのは迷惑と考える人多いと思う。迷惑どころか危害を加えられていると感じる人もいるだろう。チカラに過去があっても、自分のことではないのだから、相手の意向を聞かずに勝手に行動を取るべきではない。
運命に翻弄される託也を描くこと
扱うテーマは重く、それに対するチカラの行動はイライラさせるけれど、こういう問題ををドラマで描くこと自体には意味があると思う。
困ったらチカラさんに連絡する
この付箋一枚で、チカラの行動は善行になる。そういうのドラマの結末としては良いには良いが、付箋一枚でそれまでの迷惑行動がチャラになる展開は嫌な感じ。
チカラの父母の設定
母が病死、父が後追い自殺。セリフで済ますのではなくて映像で表現すべきではないかな。妻灯に語らせて終わりなのはちょっとという気がする。予算なのだろうなぁ。そもそもこういうの必要なのだろうか。過去のわかりやすいトラウマが今の行動の説明になるというのは、必要ない気もする。そもそも今回の拓也の境遇とかなり被るため、違和感が増す。描くなら描くでガッツリ描けば説得力があると思うが、妻に語らせて終わりなので厳しい。