まだ物語の中盤なのに、最終回直前スペシャルのように覚醒した感がある展開。キスを拒絶する一方、曲を聴かせるためにイヤホンつけてあげるのはOKとか、「はいはいはいはい」と「つぎつぎつぎつぎ」のような対比的な表現もあり、充実した回。
突然のキスは無し
ちゃんとその理由を説明する花枝。この説明は、論理的にしようと花枝は努めてはいるが、しかし花枝の中で確固とした考えではなく、今まさに起きた「付き合っている男が突然キスしてきた」ことに対する自分の心の動きに対する考えを、自分のためにまとめている面もある。だから饒舌。最終的に、
心が動くといろんなことが分かってくる
と新しい自分を発見したことに満足するところにたどり着く。だから春樹に対し、春樹は間違っていないと言い、その後も春樹のフォローに入る。春樹は春樹で、
ホントにいい曲できるのかなって弱気になって焦った。自分勝手だった。ホント情けないね。ごめん
と謝る。それにも花枝は、
自分勝手なのは嫌だな。情けないのはいいけど
とちゃんと自分の考えを言う。このやり取りは、2人でこれからの期間限定の付き合いのルールを決めていることになる。
敵?味方?
花枝が春樹にマネージャーの伊達は敵か味方か聞く。それに対しなぜか伊達が「敵」と答えると、花枝は「押忍」と返す。空手設定はまだ生きている。また、花枝は春樹にとって敵か味方か聞いているが、伊達は恋のライバルとして花枝のことを敵と返しているっぽいの良い。
分かりやすいのは伊達の恋心
背の高い薫に上から目線で分かりやすいと言われて怒るが、それほど分かりやすくはないが、伊達が春樹に恋していることは分かる描写だった。直接的な表現はほぼなしで伊達の恋心を表現しているのが、伊達らしさを出している。
結果が出るのは1週間+2日
恋愛期間短縮になるのか否か、春樹次第になるのだが、春樹は答えを返せない。結局、そのまま1週間と2日は経過する。
なんでも話す花枝
ドラマにありがちな、周りに自分の気持ちや恋愛相手のプライベートなことを明け透けに話してしまうの、このドラマでも行われる。
はいはいはいはい と つぎつぎつぎつぎ
ヒデと俊哉が、オーディションに落ちた結果を知った際、バーバーサッコの迫が、
つぎ、つぎ、つぎ、つぎ、つぎ、つぎ、つぎ、つぎ、つ
と言い、「何回言うんすか」とヒデは返す。これ、ヒデと俊哉のネタである、
【ヒデ】はいはいはいはいはいはいはいはいはい集合〜!
【俊哉】「はい」何回言うねん
を踏まえたものであり、じわっとくる。
キスの代わり、恋の終わり
この第4話の最初にキスは拒絶されたが、春樹は花枝にイヤホンを付けてあげて、新しくできた曲を一番最初に聴かせる。これ、明らかにキスの代わり。花枝に自覚があるか否かは描写はないが、音が聞こえなくなる病気の花枝にはキスより意味を持つ。
そして、曲の完成は擬似恋愛の終わり。ただ元々の期間設定から見ると短縮しているので、延長戦がどうなるかがこれからの見どころなのね。
つぎつぎつぎつぎつな、ラストシーン
春樹が花枝に新曲を聴かせるのがラストシーンと思ったら違って、
立石医師が花枝に手術のことを話したのがラストシーンと思ったら違って、
花枝が脳神経外科にいるシーンを穂香が目撃するのがラストシーンと思ったら違って、
伊達からの電話を春樹が受けるのがラストシーンと思ったら違って、
春樹からの電話を花枝が受け、曲のオーディション結果を知るのがこの第4話のラストシーン。
普通のドラマの第4話辺りで考えられるラストシーンが、5連続で続く。このドラマ、只者ではない。