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時はお金で買えません

【カムカムエヴリバディ】職業の選択、家の事情


三世代が描かれているため、そこに何らかの共通点、差異を探したくなるのは、考察好きなら仕方がない。ここでは、3人の職業の選択とそれに影響を及ぼしたと思われる家の事情を見てみたい。

職業選択の動機

安子

当初は生きるために芋飴から始まり、後に家業であったおはぎ作りに向かう。自分の育った家の影響が大きい。

るい

クリーニング店は竹村家との偶然の縁により、回転焼屋は偶然祭りで見たことにより選ばれたもの。選択において特にこだわりは無い。

ひなた

趣味が高じてのパターン。

趣味

安子

英語学習。ロバートとの関係は、仕事ではなく趣味の範囲の話。家族がいるにも関わらず、趣味のサークルで知り合った男性と…なパターン。

るい

特になし。初の給料を全て貯金すると言って竹村クリーニングの和子に叱られるほどで、趣味どころか楽しみもなしという感じ。それゆえか、ジョーにのめり込んでからはジョーしか見えなくなる。

ひなた

時代劇関連全般。運良く趣味を仕事にできている。

好きなことを仕事に

安子

芋飴の時もおはぎ作りの時も、何の迷いもなく自分の仕事として行っていた。修行はしていないとはいえ、家業であり生まれた時から見ていたということから、自然にできただろうし、家業を継ぐという発想から、他の職業を考えることもなかったと思われる。嫌いでは無いだろうが、好きな仕事をするという発想自体無かっただろう。

るい

計画的とはいえ、家を飛び出してからの職探し。当初予定ホテル勤務のアテが外れたため、竹村クリーニング店に住み込みで勤務。回転焼屋も祭りで見たからという理由であり、やりたい仕事だからということでは無い。

ひなた

ひなたの代で初めて好きなことを仕事にできた。安子は好きなことではなく家業だから、るいは好きなことというものがそもそもなかった。ひなたは、何を仕事にしたいというものはなかったが、趣味として時代劇が好きだった。そして偶然が重なり時代劇に関わる仕事を得ることができた。運がなければ、好きなことを仕事にすることはできなかったので、その場合どうなったのかは興味があるが、漠然と進路に悩んでいたところにいきなり時代劇と関わるお姫様コンテストの話が出てきたため、他の進路に関する手がかりとなるものは一切描かれていない。

働く目的

安子

当初はるいと2人で生きていくために。しかし途中から、『たちばな』再興のためや、るいの額の治療費を自分で稼ぐためにと目的が、客観的には切羽詰まったものから、自己実現的なものに変わっていった。

るい

クリーニングの住み込みのときも、回転焼屋の時も一貫して生活するため。それ以外の目的は無いと言える。

ひなた

これからだが、好きなことだからそれが仕事になればラッキーという感覚。将来のこと等は何も考えていないように見えるが、同級生は進学する者が多く、時代的にはフリーターも出てくる頃でありも多く、就職をするということでは、実は同年齢的にはしっかりしているとも言える。

自営業とサラリーマン

安子もるいも自営業であった。しかし、るいはサラリーマンの道を選ぶ。これは単純に時代の流れと言える。

境遇の組み合わせ

安子は夫と死別するも義理の家は金銭的には困らない、るいは夫と同居するも金銭的には自分が何とかしないといけない。このパターンで行けば、ひなたは、夫と同居し、金銭的にも困らないことになる。では、どんな不自由が待っているのだろうか。もしくは、夫と死別し、金銭的にも困るのか?

ひなたの、勢いで誰にも思ったことを悪びれず言ってしまう性格のルーツ

この性格、るいにもジョーにも、安子にも稔にもなかったもの。どこから得たのか…と考えたが、吉之丞ではないか?というより、幼少期からの植え付けという意味では、吉右衛門。そしてこれは吉兵衛からの流れを汲むもの。ある意味こちらも100年の物語。これは何を意味するかと言うと、吉兵衛は、時代の流れを読んで金儲けする方法は間違えてはいなかった。東京への空襲がなければ、戦後金を稼げたはず。この観点から考えると、条映時代劇を救うという課題に対し、ひなたは最適な人間であることになるのではないか。三段論法的に。

大月ひなたは雉真るいの娘

これ、ひなた編で明かされることになるかな。吉之丞が、ひなたを貧乏人と言っていたことが、フラグになるのではないかな。るいとひなたが、岡山では名の知れた雉真繊維創業者の孫とひ孫であることを、吉之丞及び吉右衛門が知って驚く顔がぜひ見たい。そのための吉右衛門生存と思う。

赤螺吉右衛門は赤螺吉兵衛の息子

吉右衛門は、吉兵衛が身体を使って自分を空襲から守ってくれたことを知って、ケチ兵衛と呼ばれても本心から吉右衛門のためにお金を得ようとしていたことを知る。そして戦後の世界を母と生き抜いていく際に、吉兵衛の言っていたことを正しいと考えるようになり現在に至った。

神様は平等ではない

『たちばな』は砂糖1缶のみを残し、後は店舗兼自宅の全てが焼けてしまった。家族も母、祖母を空襲で失い、生き残った金太も間も無く亡くなり、算太は復員するが逃げ、安子もロバートと駆け落ち。一家離散。『あかにし』も店は焼け、吉兵衛は空襲で亡くなるが、吉右衛門と母は、京都で店を構えるまでに至る。『雉真繊維』は、戦争で後継を失うも、戦前も裕福であり、戦後も、焼け残った工場、自宅があり、戦後の好景気の恩恵を受ける。家としてみた場合に、戦争は平等に襲ってきているわけではなく、運のみで明暗が分かれることが描かれる。それまでの境遇、努力、普段の行い、何も関係なく。運命が襲ってきている。

運命に翻弄されたるいがひなたに将来を考えろと言うこと

高校三年生で将来のことを考えていないように見えるひなたに対し、るいは説教するが、るいのこれまでの生き方を見てきた視聴者からすれば、何を言っているのかと思える。自分のことを棚に上げ過ぎている。選択しなければならなくなったひなたも選ぶだろう。但しその強制的選択の機会が、このモラトリアムの時代を生きる若者にはなかなか訪れない可能性はある。

橘安子、雉真るい、大月ひなた

たちばな やすこ

きじま  るい

おおつき ひなた

るいだけ、苗字も名前も1文字ずつ少ない。何か意味があるのかな。