Golden Time

時はお金で買えませんが、時間はお金で買えちゃいます。

【しもべえ】第8話 勝因はリアルさを捨てたこと


設定から人物の行動から、もうあちこちいい加減でちゃんと詰められていないし、しかもそう言う箇所が次から次へと出てくる。しかしそう言う点が、逆に気軽に観るには、丁度良い端折り具合になっていて、楽しめた。リアルさなんて求めていないドラマならでは。

父親は亡くなってはおらず、生きていた

借金系の父親か…。それなら戸籍を見たらユリナにバレると思ったが、ちゃんと結婚していなかったとユリナの母に言わせている。婚姻届出していなければ、戸籍からは父親は追えない。その辺りはちゃんと考慮していたか。

それにしても、死んだことになっていた父親が、結局、最終回で亡くなるのちょっと酷いシナリオ。

しもべえの中身は、お父さんなんでしょ?

ユリナがこんなことを言うが、"中身"という概念が、どういう物なのか、分かるようで全く分からないのが良い。

学校の図書館の医学書…自治体の図書館?

ユリナが見ていた医学書がある図書館は、どこの図書館なのか?高校の図書館のように描かれていたが、高校にそんな医学書あるのか?こう言う、あり得ないでしょと突っ込みたくなるところがあるのがまた良い。

カルテを見ていて気づいたこと

辰馬の父のセリフ。ちょっとおかしいのは、入院しているユリナの父のカルテをどうやって見たのかということ。カルテは個人情報そのものなのだけれど。現実では無理めなことをシレッと入れてくるのも軽いドラマ感あって良い。

しもべえがユリナを助けるということは父親の身を削ること

この設定は合理的。そもそもしもべえという存在自体が非合理的なのだが、設定説明としては合理的。最終回直前で重要人物が生命の危機に陥る事故や病気になるのは、ストーリーが破綻したドラマの定番だが、これは違う…ような気がする。重要人物の生命の危機で盛り上げようとするのは変わらないが。

絡まれる女子高生

誰かに頼ることなく自分で解決しようとするユリナ。解決方法は、ストレートに喧嘩なのか。

「こんなオチか。」

ユリナの自虐的なセリフ。主人公がまだまだ時間を残して、こんなセリフを吐いた時には、まだまだオチではない。

しもべえの初めてのセリフ

ユリナ。生まれてきてくれてありがとう

このセリフを残して、実体化していたしもべえの概念が消えた。それと同時に父は亡くなり、スマホからしもべえのアイコンは消えた。病気の父、しもべえ、スマホアイコン。この3つが結びつくというあり得ない設定ではあるが、オトナのドラえもんのラストとしては、うまくまとまった感じ。

衝撃のラストシーン

ん?しもべえは今も存在しているの?確かにそもそもしもべえ自身は有機生命体ではないのだから、父の肉体と精神が死んでも、存在することは可能なのかもしれない。だからこそ、ユリナは大学に受かったし、少年野球のボールが飛んできても頭部に当たらず助かったのかもしれない。しかし今後は、ユリナは明示的にしもべえのサポートを受けたとの認識なしに、しもべえの支援を受けることになるのだから、これはこれまで以上にユリナはハッピーな人生となるはず。そして、本人も周りも、これを"運が良い"として捉えるのだろう。