何度も唐突に繰り出される不幸の芽攻撃に観てるこっちが慣れつつある中、歌子と下地先生の毎回何らオチのない無限追いかけっこも含めて同じことの繰り返しをどこまで続けるのだろうと不安になっていたが、今週ようやく賢秀ネタで進展という感じで期待したのであるが…
全てを解決する一発逆転ネタを放ってきた。比嘉家の問題はお金が全てを解決してくれるものだったと言うのか…乱暴すぎる。
第21回 主役を食う賢秀
コックさんになりたいから再スタート
さ、今週は話が進展してくれるかな?…比嘉家4兄妹それぞれのエピソードを同時進行で進めようとしているから、全体としてのスピード感がないのは仕方ないのかもしれないけれど、今は良子と歌子の話はやらなくて良いんじゃないかなと。
気持ちのいい朝
フレンチトースト?を箸で食べるのは、上品に見えないの面白い。大きいものは、あらかじめ切っておくか、箸で小分けしながら食べないと食べ方が美しくならない。
これ、新しい食べ物を暢子がチャレンジして作ったが、食べ方を知らないというエピソードなのだろうなぁ。暢子が上京した際に、テーブルマナーに悩まされる暗示に見える。
痛々しい詐欺発覚前のやりとり
視聴者は詐欺だともう分かってる上での、1000ドルが2倍になる話。早く進めてほしいのだが、まだ、ようやく発覚しただけで終わる。主人公自身ではない、こんなネタに時間をかける意味…。母優子を始め三姉妹の信頼を完全に失うところまで描くというのならわかるが…どうなのだろう。
オマージュでさえない安直なパロディ
下地先生は、ハンバーガーショップでの賢秀の騒動の際に、ケチャップを血だと勘違いして、
うわー血、何ねこれ!
とか松田優作風に言ってる。うーん、なんというか、こんなことしちゃダメだな。というか、これがパロディとして笑える感覚は、現代にはない。あえてやっているのだとしたら、その理由が知りたい。
優しさが故に騙される優子
ごく初期において、大叔父賢吉が母優子の優しさを非難し、そのうち騙されると言っていたが、これが現実化してしまう。賢秀に対しては、優しさだけではなく甘さも加わって最悪の事態を生む。元手どころか、暢子の上京費用さえ無くす。賢秀は、博打に強いという謎の運を持っていたようだが、詐欺という、最初から騙すつもりで近づいてきた相手には太刀打ちできないのは当然。それを見抜けないし教えられない親としての優子のダメさ。これは厳しい。良子は薄々気づき、何度も警鐘を鳴らしていたが、家長である賢秀と、母優子の決定に強く出ることはできなかった。
第22回 やはり描写に荒さが目立つ
"複雑打撲"の下地先生
複雑打撲…?こういう冗談出してくるのかぁ。制作側は、どんなセンスでこの言葉を選んだのだろうか。SNSでのウケ狙いなのか?とはいえ、音楽の罪は音楽で償うという理屈は、非論理的であるように思えるがなんとなく理解できる。金銭で補償できない何かを汚されたと下地先生は考えているから同じ音楽で償えと。これは普通の感覚ではない。歌子の歌の才能が、こんな下地先生の言いがかりみたいな告訴案件を救うとは。賢秀の罪に対して歌子が罰を受ける形なの、ほんと賢秀長男としてダメ。
相変わらずお金の話を雑に扱う
このドラマは、お金についての描写はいい加減なのだよなぁ。借金話を描かなければ良いのに、借金で家族の危機を何度も描く割に、その顛末を適当に流すことが多すぎる。ぽってかすなのは、制作側だと思う。持たざる者の借金は、借りるのは一瞬だが、返すのは長期に及ぶ。そんな現実を無視して、家族の危機を表現するために借金話を持ち出すが、用が済めば後は何事も無かったように話を進めるのはリアルさがない。これを一度ならず繰り返すのはどういうことなのか?ストーリーが雑すぎて理解不能。民放の1クールのみのドラマでもダメな部類に入る物語になってる。もはや敢えてやっているのかもと思えるレベル。
第23回 ストーリーは少し進む
借金増えたのに簡単に年越してる
案の定と言うか。こういうのほんとどうなっているの?借金が無かったことになってるのホントおかしい。この世界線は、借金しても結局いつの間にか普通の生活に戻ってしまう。借金は借りるの一瞬、返すの長期というものなのに。
雑炊のみの夕食だけれど…
雑炊食べる描写はあるが…取ってつけた感ありすぎる。しかも暢子に味薄いとか言わせてしまうと、これは普段とは違うと言う描写になってしまう。つまり普段はもっとマシなもの食べてるんだよねとなる。何か描写が甘いと思ってしまう。そもそも翌日の朝食の用意では、野菜切ってるから、野菜のおかずはできたということ。翌日は何事もない感じでフーチャンプルーが出てくる。じゃあ、塩味の足りない雑炊食べてたのは何だったのかという。
早苗は「大学」ではなく「東京」に行くという表現
「東京に送る書類」とかいう言い方。これが暢子には効くのだろうなぁと早苗は合格ではしゃいだ後で気づいたから暢子に謝ったということね。
賢吉の優しさにつけ込む感じの優子
どうしても優子の行動は、賢吉の優しさにつけ込んでいるようにしか思えない。頭を下げればお金のことは何でも言うこと聞いてくれるとしか思えない。優子にまんまとやられている。賢吉が裕福であるなら良いのだが、そうでもなさそうであるし。
決まった就職先を簡単に破る比嘉家
優子はやはり今の感覚からは違和感のあるキャラ。暢子に好きなことをさせてあげたいという気持ちは分かるが、もう卒業までの後1月の2月で、かつ内間食品に就職が決まっているにもかかわらず、東京に行かせると言っている。内間食品の都合などお構いなしというのは流石に大人としてどうかと思う。眞境名商事の就職が無くなって大変な時に救ってもらったはずなのにと思うのだが…借金も簡単にするし、何かついていけない。ただ、借金は貸し手がいなければ借りることができないので、優子が毎度借りることができるということは、当時の感覚ではそんなものなのかもしれない。
第24回 「たった一度の人生やりたいことやらせたい」と「あなたの人生はあなたのもの」
お願いします夢を叶えてやってください
これ、賢吉には頭だけ下げればお金が降ってくるということに慣れっこになった優子の狂気に見える。
プロボクサー比嘉賢秀
もうダメだ、このストーリーは。60万円という大金が突然天から降ってきて解決って、こんなのはドラマではない。お金をジャンジャン借りて、返すのは宝くじで当たったみたいな奇跡的な出来事で一括返済って、なんだこれは。酷い1クールの民放ドラマでもここまではしない。
ん?ところで、当時の60万円って、ボクシングのプロデビューで稼げるような金なのか?
「全略」で始まる手紙
なるほど全て略しちゃうか。これは聞いたことあるネタだけれど、個人的には面白いツボ。しかし賢秀がプロボクサーで成功するという設定がどうしても受け付けない。
電話代
東京の賢秀と暢子は話しているのだけれど、この時代の東京と沖縄の電話代はどれくらいかかるのだろうか。
下地先生
みんな好き勝手に言います。でもあなたの人生はあなたのもの
これは陳腐ではあるが、歌子を励ます良い言葉。こんな良い言葉を良いタイムリーに言う下地先生なのに、何で嫌になるくらい何度も何度もトムとジェリーみたいな追いかけっこをさせたのか。これで下地先生の印象が狂ってしまっていたのだけれど。
人生について先人が語る
優子は暢子に「たった一度の人生やりたいことやらせたい」と言い、下地先生は歌子に「あなたの人生はあなたのもの」と言う。やりたいことを諦めようとする暢子と人に色々言われる人生を歩んできた歌子のそれぞれに対して掛ける言葉としては最適な言葉。同じ第24回の中に出てくる、うまく対になっている言葉という印象。
賢秀と算太
ひとつ前の連続テレビ小説「カムカムエブリバディ」でも今の価値観で言うとダメ長男である算太というキャラがいた。同じように借金の肩代わりをさせたり、逃亡したり。暴力沙汰の有無が違うだけな気がするが、なぜか賢秀の方が印象が悪い。
良子が給与前借りのドルを返さず取っておくと決めたこと
これ、為替的にどうなのだろう。そのまま返すより、借金としておいた方が良いと言うことはないのかな。復帰前にドルで借り、復帰後に円で返すなら、作戦として合っている気がするが…取っておくだけなら意味ないか。
比嘉家の問題は金銭で全て解決される
優子が、何か問題が起きるとすぐ頭を下げてお金を借りてくることに違和感があったが、これ、比嘉家の問題は全てお金があれば解決できると考えているのかもしれない。賢秀が店で暴れても借金して弁償すれば終わりという感じで。良心や責任は全く感じてないように見える。つまりそれは、優子は他者からの評価というか信用を重視していないように見えるということ。だから暢子の内間食品への就職を、入社1ヶ月前に撤回させて何とも思わないのだろう。内間食品も暢子受け入れの準備をしていただろうし、急に辞退されたら人のやり繰りが困るだろうし。そういうことに気づかず、家族のことだけしか考えていない優子はやはり危険な人物としか思えない。
第25回
東京へ出発することが現実化
賢秀のお金があるからね。まさに、"money changes everything"。
男も女も関係ないと言い三線を弾く下地先生
歌子も弾けるのだが、下地先生にそれを言わない。これはなぜなのだろう。
父親の包丁
これが形見であり、お守り。
食事の着座
賢秀がいた時は、優子側に賢秀が座っていたが、賢秀がいなくなっても、良子がそこに座ることはない。あくまで優子側は賢秀のためにあるということか。
沖縄の本土復帰
暢子がその日の朝に東京へ出発する。しかし、東京のどこに行くとか、何をするとか、全く描かれていないのは演出だとしても、何か変な感じ…ま、賢秀がいるし、お金もあるしってことなのかな。そして、賢秀がドルではなくて円で送ってきたのも本土復帰から見て正しいことだろうし、東京に行くことが現実味を帯びるにつれ、何かトーンが変わった印象。突拍子もないことが起きるのは変わらないが、お金にルーズな描写でいられるのは無くなりそう。賢秀について、お金を送って以降の描写がないのも不気味。
話が遅々として進まない理由
沖縄返還の日をドラマと現実で合わせるためなのかなぁ。その試みは良いけれど、別に歌子と下地先生の追いかけっこをしつこく繰り返したり、賢秀の暴力沙汰を繰り返す必要はなく、もっとキャラを掘り下げれたエピソードを増やすだけなのにと思う。沖縄返還の日と合わせるために、ダラダラと似たエピソードを垂れ流す必要はなかろうに。