Golden Time

時はお金で買えませんが、時間はお金で買えちゃいます。

【ちむどんどん】week#07 上京生活本格化、勤務開始


ステレオタイプな描写が多いドラマ。良く言えば昭和なドラマ、悪く言えば展開が古くさいドラマが続いている。

加えて、主人公とその家族は、他人との信頼関係を築くと言うことに全く関心がない。このため、彼らの言動が、今の感覚では許容できないくらいダメで、他人に迷惑をかけることになんの躊躇いもない。これは敢えての描写であろうが、この描写が、今後の展開にどのように生かされるのであろうか。

第31回 10連勤も何となくやり過ごす

なんというか、テーブル配置を覚えられないし、皿を割るし、指示を覚え切れないし…というお約束すぎる展開が待っている。

キャンティクラシコ1967にバローロ1961

イタリアンだからイタリアワインが出てくるなのは正しいと思うけれど、当時のレストラン事情からはそれは正しいのかなぁ。分からない。

忙しい、忙しい

まあ、こういうのはお約束シーン。しかし遅刻するのまで描くのは、ちょっと古い。古いというより稚拙と言った方が良いか。なにかこう、意図的に見えるのは、うがった見方すぎか。

嵐のような忙しさのアッラ・フォンターナ

暢子だけではなく、他の若い料理人も注意されながら働いている。うーん、暢子のテストの日は、そこまで嵐なような忙しさではなかったような…辻褄合ってない気がする。偶然暇な日に当たったのかな?

「ちょっと、因縁があるのよ」

ああ、大城オーナーは、二ツ橋にそこまで話すのか。私情を挟んで暢子に対していると言っちゃって良いのかな。これは、視聴者向けのセリフなのだろうが、二ツ橋はどうすれば良いのだろう。二ツ橋は、この回答は想定外だったようで、更に深く聞き出そうとはしなくなった感じ。単にこれは二ツ橋が仕事をしづらくなっただけで墓穴掘ったか。まあ、二ツ橋の方から聞いて行ったのだから仕方がない。

家事なんかしなくて良い、仕事を続けても構わない

他に好きな男がいるわけ?構わんよー。それでも

え?金吾、凄い。というか、この人、ダメだ。本人は愛が深いとか言うが、良子を人形としか見ていないということにならないか?ただし、良子がラクに生きようと思うのならば、win-winとなるから、金吾は良子にピッタリの結婚相手と言える。石川と天秤にかけるには、両者の属性が違い過ぎて悩むのは分からないでもないが、結婚はタイミングだからねぇ。

智、鶴見に登場

この第31回は、暢子の10連勤、良子の結婚話はあったが、賢秀と歌子の登場はなかった。その代わりというか、智が上京というか鶴見に来た。賢秀はともかく、三姉妹の内、歌子の描写がない中で、歌子が恋する智が、歌子との別れのシーンを描くことなく暢子に会いにくるシーンを描くのか。これはなかなか厳しいぞ。

「変な言葉使うな」

「アキサミヨー」と声に出す暢子に対して浴びせられた「変な言葉使うな」という先輩のセリフ。視聴者も思ってる言葉を制作は自虐的に入れたか?と思えるほどに暢子は大声のワンフレーズを連呼していたから。言葉が悪いのではなくドラマの中での使い方が悪いだけなのに。二ツ橋の「まるで辞めさせたいような」というセリフが、「まるで視聴を辞めさせたいような」って響いてきてしまう。自虐…なのかな。

おかわり&眠くなるの先輩の言葉の捉え方

仕事できないのに2人前食べるのかと言われたり、食べすぎると眠くなると、せっかくアドバイスをもらうのに、その通りになってしまうといったエピソードを見ていると、どっちもどっちとは思えない。やはり、わきまえることは必要に思う。これは、何というか、1人前の分量には意味があるということの理解、抽象化すると、未だ働くことの想像力が足りないことを表すエピソードである。これを乗り越えて一人前になるというのが普通のドラマの展開なのだろうが、『ちむどんどん』では、個人的にこれは、意地悪エピソード、もしくはどっちもどっちエピソードに見えてしまう。不思議。

第32回 学ばせてもらう意識の欠如

「沖縄の言葉笑われたり」

こういうことをセリフで暢子に言わせるの酷い。レストランの先輩は確かに暢子の言葉に対し「変な言葉使うな」と言ったが、これは、ことあるごとにワンフレーズで甲高い声を出していたからで、方言自体を注意されたとは思えない。

10連勤に続く休暇明け

仕事も分かってきた。やる気も増した。

良子と石川

あくまで自分からは行かない石川。良子の方も、最後の一押しはできないからなぁ。

対等を求める暢子の間違い

賄いを作るには未だ早いと言うオーナー大城に対し、その場は引き下がるが、鶴見において、

正々堂々勝負を挑んでやる

とか言っているが、何で入ったばかりの者と大城が戦わなければならないのか。オーナーと自分が対等であると考えるならば、退職すれば良いだけのこと。大城が余りに理不尽であるならば、暢子にも分があるが、先輩を差し置いて賄いがどうのと言う暢子はいただけない。そもそも暢子はまだ入ったばかりなのだから、客観的に見ても何もできないと言えそう。

要するに…

暢子は自分が店の運営において大城オーナーと対等であると考えている。しかし、暢子の現状は、対等どころか大城の下で学ばせてもらっている身。正々堂々と勝負という言葉自体が論理破綻しているくらい暢子の思考は間違っているということ。これに気づかない暢子は東京で料理人として働く上でちょっと難しい性格をしている。

ペペロンチーノ勝負という愚

賄い担当とクビをかけた勝負を売ってしまう暢子。なんとも向こう見ずなのだろう。こんな愚かな人物の言動を、いつまで見なければならないのだろう。主人公のこのような言動を見てワクワクする視聴者が一定数いるということなのか、それとも視聴率気にせず、自分勝手な行動をとる主人公をどうしても描きたいと言う制作側の強い意志があるのだろうか。

一流レストランのオーナー

自分が美味しいと思うか否かではなく、自分の店で出すにふさわしい料理であるか否かがポイントという視点が暢子には無いのだろうな。暢子には、その料理でそれなりのお金を取るという概念が欠落している。

暢子は、前日たまたまもらって店に持参していたシークワーサーを使ってペペロンチーノを作ってきそう。そして確かにそれは美味しいと思われる。しかし、それを『アッラ・フォンターナ』で出せるかと言ったら出せなくて、そこが敗因になる…そんな感じを予想。

賢秀の比嘉家帰還

母優子は喜んでいるが、良子も歌子も特に喜びを示していない。良子と歌子は賢秀をどう受け入れるのだろうか。

暢子の物の置き場所メモ

リモーネ  レモン<野菜の冷蔵庫>

ビネガー  お酢<どこかの作業台>

ビネガーの置き場所の表現が良いな。

ペペロンチーノ勝負と産業まつりのヤング大会

第7週までに料理対決を2つもこなすのか。短距離走バトルも小学校から高校までやっていたし、このドラマの制作は勝負ごとが好きだなぁ。しかし、料理というものは勝負の性質を持つものではないと思うのだが。その辺りは意図してやっているのか、無意識なのかで話の意味が変わるのかな。

勝負強さに関わる能力

大城との勝負はひょっとしたら勝つのかもしれない。暢子は結局、努力とか知識とかそういう積み重ねによって得られる能力ではなく、単に最初からある天賦の才がずば抜けた人でしたという設定は、これまでを見ても十分ある。

これは足が速くて同級生の陸上部にも勝っていたエピソードでも言える。暢子は速く走るための努力をしているシーンはない。単に何もしなくても、毎日練習する陸上部男子よりも速かったのである。産業まつりのヤング大会でも事前に何か特別なことはしていなかった。なのに、優勝の弁は部長ではなく暢子が語っていた。暢子は、努力なしに成果を得て、その中心にいることが当然の人生だった。このロジックで行くと、常識ある大城が味のまとまったまさにペペロンチーノといえるペペロンチーノを作ってきて、それに対して暢子は、意外性のある規格外のペペロンチーノを作ってきて、実は美味しいという落とし所となるのは想像できる。暢子は天賦の才に恵まれていました。めでたしめでたしという展開…だとしたらもう目も当てられない。天賦の才に恵まれた天狗が連続テレビ小説の主人公というのは、制作はなかなか思い切ったことしてくると思う。

才能という意味では、歌子もなんの努力をした形跡もなく歌の才能が認められている。こうも努力を否定し才能だけで他を圧倒するのを見せられると、製作陣は、何が描きたいのか分からなくなってくる。

最初から才能があり、精神性は幼稚という設定

これまで挫折を知らず、他人の恩を感じることができず、自分の欲には真っ直ぐで貪欲な主人公。これが連続テレビ小説の主人公のキャラ設定であるとしたら…怖すぎる。

当時の時代状況からの必然?

ただし、これまでの暢子や賢秀の独善すぎるキャラクター描写に意味があるとすれば…当時の沖縄出身者が東京で成功するには、少しばかりの努力や才能ではダメで、ずば抜けた努力か才能がなければ潰されていくということを、このドラマでは描きたいのかもしれない。そしてそれが、これから描かれていくのかもしれない。つまり、暢子、賢秀くらいの精神の持ち主でなければダメだと。その意味で暢子や賢秀より常識があり優しく努力家の智は、早々に潰される役としてストーリー上、配置されているのでははないだろうか。

第33回 4人兄妹の内、3人がそれぞれ暴走している回

クビをかけた勝負

最も簡単で最も奥が深いパスタの勝負に、臆することなく試作を繰り返している。そういうことなのだろうかと。パスタの勝負は時間という客観的指標のある徒競走とは違う。評価軸に客観性はなく、誰かの味覚という主観的なもの。また、イタリア料理としてのペペロンチーノを作るというお題としては、踏まえるべき知識や技術の差は大城と暢子では明らか。暢子に勝ち目はない。それを下宿している先の夫婦も智も気づかず、素直に勝負に勝てるよう協力している。誰も何も分かっていない。

『ちむどんどん』は、情報の偏在を描くドラマなのかもしれない。そうであれば、これまでの現在の視点で見れば非常識過ぎる暢子の言動は意味を持つのだが…しかし余りに酷く描き過ぎている嫌いはある。

ラストの「そうだ!あれだ!」

良子との電話で、何かに気づいてしまった暢子。あー、気づかない方が良かったんじゃないのか?オーソドックスな料理の勝負に、奇抜なネタを出してきて「それもアリ、いや、むしろこっちであるべきか、これは革命だ!」みたいになって勝ちをかっさらう料理漫画によくある展開をやるのかな?前回シークワーサーを手に入れてるからね。いや、もう、創作料理したいなら創作料理が売りの店に行けと…ってなりそう。この展開だけは避けてほしい。

金吾との結婚を決意する良子

良子絡みが一番ドラマらしいドラマが進んでいる。

うちの幸せは、もうそこにはない

まあ、金吾も石川も帯に短しだからなぁ。一視聴者としては、結婚後のイメージがどちらも余り良くない。まあ、これは良子が選ぶことだから。

「とにかく金に汚い野郎で」

ああ、賢秀、クズ中のクズ。石川をダシにお金を騙し取ろうとするのか。完全に詐欺。遂に明確な犯罪に手を染めたか。なんというかもうこんなヤツ何でいるんだよ…いや、何でこんなのを制作は描く気になるんだよ。一方、よく分からないけれど、石川に会いに行って話をややこしくしようとする歌子も困りもの。石川も良子も決断したのに、何でまた引っ掻き回すのか。描かれていないが、歌子は、智との関係で何かあって、それが原因でこのような行為に及んだのかもしれない。うーん、溢れる安っぽい恋愛ドラマ感。ドラマとしてこの展開はあっても良いとは思うが、必要な描写が欠落しているのではないか?

ソーミンチャンプルーを作るために長距離電話をかけることができる裕福な家庭?

おかしすぎる。電話代のこと考えたら、レシピを知りたいが故に長距離電話をかけるなどということは、比嘉家にとって金銭的に余裕のある話なのだろうか。何か雑な感じ。

回想の中の少女時代のシーンでの賢秀の位置

家族でソーミンチャンプルーを食べる回想シーン。賢秀は、父母の間に座っている。この着座位置、父賢三が亡くなる直前だったはず。まあ、ここに余り意味はないかな。

第34回 母優子のダメさ加減は4兄妹全てを汚染していた

これは婚約破棄になるのか?

サプライズ的に、新居、車、カラーテレビ、指輪…ときて、石川博夫、じゃなくて「中村」が来た!サプライズが過ぎる。なんだこりゃ。石川が絡んでくることは分かっていたが、こう来るのか。更に賢秀が出しゃばり過ぎて話はおかしなところに行ってしまう。これ、新居や車とかの準備はどうなるの?婚約破棄とかそんな感じ?慰謝料発生するケース?ぽってかす、遅過ぎると言う良子の言い分は正しい…なのに、結論は金吾とは結婚しないと。何を見せられてるのかと思ったら、金吾が折れることで全てをチャラにする展開。これは酷い。善一の面子も潰した形になったが、善一も祝福するシーンを描くことで誤魔化す。これはあかん。怒るべき人が怒らないシナリオで誤魔化すのダメだ。これはダメだ。それで人生で一番幸せだと言う良子も狂ってる。比嘉家唯一の常識人だと思っていたが違った。そしてこの騒動には大叔父賢吉はいない。サトウキビの納入先の喜納との縁談破棄を最も恐れる人物は敢えて入れていない演出。ありえん。

比嘉優子という母

この人がクズの比嘉家4兄妹を育んだというのよく分かる。多くの人が準備してきたことを最後の最後で壊し、優子が満足げな顔をして終わる。最初の暢子上京話しかり、就職先辞退しかり。そして今回の婚約破棄騒動。いずれも保証人等間に介在する人がいるはずで、優子一人で騒動を終わらせることはできない。誰かが尻拭いをさせられている。優子は悪魔としか言えない。

優子が兄妹に教えたもの。それは、他人の善意を気づかないことにすれば、自分達は生きやすく幸せに過ごせるということ。

この根底にあるのは、優子は自分では何も決断できないが、子供の遅すぎる決断は無条件に受け入れるということ。事態が取り返しがつかなくなっても自分では何もしない。だから子供時代の暢子はバスを降りたし、良子も婚約の場でいよいよとなって石川になびいた。

比嘉家のクズっぷりの後、何事もなかったかのように智と歌子のすれ違いをコミカルに描く演出

どうなっているの、これ?金吾の純情と喜納家のメンツを潰した直後に、こういうの持って来られても笑えるか?

ペペロンチーノ対決が始まる

対決を楽しもうとしている感じの暢子。もしこの対決が真に客観的に行われるとしたら…それは暢子には過ぎた職場環境とさえ言える。暢子は自分のことしか考えていない人間だから。

暢子は、勝ったら勝ったで増長するだろうし、負けたら逆恨みしそう。どちらに転んでもロクな展開にならない感じ。二ツ橋が機転を利かせてノーコンテストにするのが良さそうに思うが…どうなるのだろう。

賢秀の爆弾

賢秀が10万円のために金吾の親を騙した「中村事件」。良子が結婚するわけなので、すぐに中村ではなく石川とバレる。これを有耶無耶にして良いのだろうか。完全なる詐欺なのだけれど。こういうの、資産はないかもしれないが家を重んじるらしい石川の家が受け入れるのだろうか。なんと言っても比嘉家の金銭感覚のユルさと約束事の破壊っぷりはこれだけではないから。

第35回 新しい味

優子のソーミンチャンプルーの味をヒントにした暢子と暢子の持参したシークワーサーを使った大城

暢子は島ニンニクを使うことで新しい味を引き出した…そして、暢子が持参したシークワーサーは大城が使うのか。ええっ?展開が料理対決マンガみたいになっている。連続テレビ小説は、そういうことで良いのだろうか。人間ドラマを描くことは放棄したように見えてしまうのだが。

ペペロンチーノ勝負に負けたがレストランに居座ることに成功する暢子

検品と伝票管理の仕事を増やされた。賄い担当になって浮かれる描写はあるが、仕事を増やされ辛くなる描写が全くないまま半年後とか安易に進む。借金がどんどん増えても比嘉家は全く動じないまま皆高校進学、良子に至っては短大まで進学できているのと同じで、マイナスの結果が後に影響を与えずその場で消化されておしまいになる。ほんともうこう言うところダメ。

暢子は賄い担当になる

うーん、先輩が時間をかけてようやく得たと思われる賄い担当のポジションを入って早々得る。こういうの、組織運営的にはダメだと思うのだがなぁ。闇市から成り上がったはずの大城オーナー何か思うところあるのかな。

何でも上っ面の口先で解決した気になる性根

これ、母親の優子から受け継いだ物だなぁ。こう言う人物が身近に居たら嫌だなぁ。不用意、不必要に強いことを言いながら、事態が悪化しどうしようもなくなったら手のひらを返して媚びる。ほんと嫌な人間。強気が過ぎる分、優子に輪をかけてキツい。

石川との結婚

新郎石川が新婦良子の家に来た際、新郎の親族は一人も付いて来ていない模様。どういうことだ?婿入り婚なのか?それとも、勘当されたのか?それとも、これから新郎のところに行くのか?そういう風習なのだろうか。分からないので気になる。

まさかやー

もう言うたびに耳につく。何でこんなにしたのだろう。

【第7週雑観】

最後の第35話で相変わらずの全てなかったことになる攻撃を喰らう

第7週は、暢子のペペロンチーノ対決や、良子の結婚騒動及びそれに伴う賢秀の詐欺事件と後に尾を引きそうな問題が立て続けに起きるが、週の終わり金曜日の終盤に「半年後」と言うテロップが出ると共に全て無かったかのように流されているの相変わらず。

大叔父賢吉も共同売店の善一も、積み上げたものを蹴飛ばされたのに、なぜ良子の結婚でニコニコできるのか。優子を筆頭とした比嘉家の周りを食い物にし続ける体質が怖すぎる。

当時の沖縄出身者が東京で生きていくことの難しさを描いていくのかな?

オーナーに盾突いてペペロンチーノ対決を挑むとか、何というか自分の思い通りにならないのは全て相手が悪いみたいな発想をする主人公の想像力のなさが、観ていて怖くなる週。しかし、これくらいの性格でないと、当時の沖縄出身者が東京で生きていくことができないと言うことを描いている可能性はある。

優しく分別のありそうだった智が東京で変わっていく様をどう描くかが、実は『ちむどんどん』の評価を決める大きなポイントであると考える。智は、上京に際し暢子の勤務先を調べて関連する職についているし、鶴見では付き合ってさえいないのに、暢子のことを将来の嫁としてロックオンしていそうなことを口走っている。智は行動力あるだけに、ある意味金吾より怖い。

賢吉の堪忍袋

比嘉家が沖縄でしでかしてきたことは、もはや取り返しのつかないことになっていないか?

両家の結婚話をまとめる際のぶち壊しと賢秀10万円詐欺は、近所付き合いの壊滅的破壊をもたらしそう。縁談をぶち壊した喜納家は、賢吉が育てるサトウキビの納入先なので、まず賢吉が黙っていない。そもそも賢吉は自ら金を貸したり保証人になったりとんでもなく比嘉家に便宜を図ってきていた。賢吉の堪忍袋の緒が切れたら、比嘉家は金銭的に行き詰まる。しかし、そうはならなかった。

やんばるにいられなくなったら…

これ、一家挙げての上京というか、鶴見行きがあるのではないだろうかとおもったが、そうはならなかった。

良子:喜納との破談は、家を重んじる石川の両親の耳にも入り、石川との結婚は許されなくなる。喜納との破談と石川家の拒絶が噂になり、良子は沖縄で教師を続けることが困難になる。石川に駆け落ちする勇気があるか否かは不明だが、とにかく良子はやんばるから逃げたくなるはずなのだが…ならない。

優子:賢秀が行った詐欺的行為もエスカレートし、ついに金吾の父親喜納に対する10万円の詐欺の返済にのため、いつものように賢吉を頼ろうとするも、よりによって賢吉の取引先喜納への詐欺ということで愛想を尽かされ、これまでの借金の一掃を急かされそう。結局、家を売るしかなくなる。これで住むところがなくなり、暢子の部屋に転がり込むことになるのでは?もしこうなれば、暢子は初めて自分の部屋を持てたと言っていたが、それがフラグだったことになる…と思ったがそうはならない。

歌子:東京の音楽関係の学校に下地先生のツテで行けることになるというような理由で上京。

以上から、比嘉家は全員上京するしかなくなる…と思ったが、そうはならなかった。

『ちむどんどん』では、特にトラブルに対する対応についてストーリーの流れが合理的ではない。その後の主人公の人生にダメージを与えるようなとんでもない出来事が起きても、衝撃はその場限りで終わってしまう。借金騒動も、賢秀の犯罪行為も、縁談の破棄も、多くの人にダメージを与え、一家の評判を地に落とすもののはずなのに、それが無かったことにされて次に進む。