これまでのところ狭い世間を描いて来たので、暢子の周りの主要な男たちは、兄か親しい知人である。賢秀については、もはやわざわざ言うべきことも無いので、その他の兄妹の同世代人について見てみる。
喜納金吾
良子のことを好きな理由が全く描かれないまま、ただひたすら好きだと言い続けた男。ドラマの中では、仕事をするシーンのような別の顔を見せることは全く無く、また、知性を感じさせるシーンも無かった。登場すれば、ただひたすら良子に求愛するだけのキャラ。ただし、相手である良子の意思は尊重しており、良子に他に好きな男がいるのか再三聞いた上で、良子からいないとの答えが返ってきて初めて話を先に進めており、恋愛に関するステップの常識をわきまえた面もある人。精糖工場の御曹子であり、父親は比較的常識人な感じ。ただし、現在は、金銭的な問題はないが、金吾の代で会社を傾かせてしまうリスクはありそう。明るくへこたれない性格が、長所でもあり短所でもある男。
石川博夫
求愛の方法を知らず、暗く考えすぎで行動できない性格。金吾と正反対と言える。小学校教師で何かにつけて勉強会をしているので知的イメージはある。しかし、考えすぎから状況が一周してしまい、結果的に常識はずれの行動に出てしまったりしている。良子は好きだと言う感情を全面に出して押してくる金吾より、押して来ない石川に惹かれるが、石川の考えすぎるあまり行動できない性格とあいまって、金吾とその家族を不幸のどん底に突き落とす。
砂川智
向上心が強く、行動の前に綿密な計画を立てる合理主義者。ただし、暢子攻略に対しては、度々ボロを出している。女性に対しては、優しいようでいて、思い込みが激しく、独占欲も強そうな印象。歌子の思いに気づいているか否か明確には描かれていないが、暢子の親族ということだからか、うまく立ち回ろうとしている印象はある。東京に来て変わってしまった…となる役回りな気がする。実際は沖縄時代からあった傾向が、東京に来て表にはっきり出たという展開を期待している。個人的には、智には性格的にドス黒い面があると考えているので、性格豹変待ちの状態。
新城正男
暢子の同級生。陸上部キャプテンであるが、当初は短距離走で暢子にどうしても勝てなかった。成長期を経て勝てるようになるも、暢子には一目置いていた。恋愛感情半分、友情半分みたいな関係で表面上は描かれていたが、本心はどうだったのか不明。高校卒業後、ブラジルへ働きに行くことに。その後は描かれていないが、過酷な環境での労働となったであろう。やりたいことは何かとか言いながら職を探していた暢子とは覚悟が違うと思うが、しかし、暢子の方は相変わらず勝手に生きていけているので、人生は不平等である。正男は金吾、石川、智と比べて、一番まともな好青年であるのに。
青柳和彦
少年時代の一時期やんばるにいたが、青年期には未登場の人。被害を受けることなくwin-winで暢子の暴走を制御する期待が持てる唯一の人。個人的には、この人でダメならもう暢子は変わらないと考える。