Golden Time

時はお金で買えませんが、時間はお金で買えちゃいます。

【ちむどんどん】第61回 愛に離脱する準備を始めさせた制作陣


恋患いの続き。暢子は罹患したてでボーッとしてるし、賢秀は後遺症でボーッとしている。

食べ物をどうしても粗末にしたいのか?

妹は鶏肉のディアボラ風を床に落とすし、兄は豚の飼料を地面にこぼしまくる。以前もトマトソースをぶちまけてるし、美味しくいただきました…では済ませられない気がする。物語上の必然性などないのに食べ物を使ってギャグをやるのは古臭い。しかし、この古臭さを観たいという視聴者層があるということかな。

よく見ると、鶏肉のディアボラ風を実際に落下させるシーンは撮られていない。皿が空を舞うシーンと暢子が倒れるだけ。鶏肉は舞っていない。結果として鶏肉のディアボロ風は床に落ちているが、これも、実際は見えないように皿の上に置いています。だから撮影後は美味しくいただきましたということかもしれない。しかし、そこじゃ無い。食べ物を落とすことが面白いことと考えていることも、良いと思えないポイントであり、実際に食べ物を粗末にして捨てたか否かだけではないのだよなぁ。

二ツ橋の独演会

後輩(今回は先輩)の話。1度なら良いけれど…2回やる意味というか2回やって面白いつもりなのだろうか。これにより、アドバイスがまどろっこしくというか、余計な時間を使うだけに見えるのだが。

それでも3回目があるとしたら、三段オチ、三度目の正直という言葉があるので、大城オーナー観覧の上での開催になると予想。

結婚式場を押さえた、孫の顔を見せてくれ…への対応

愛の親がこんなことを言い出した。ああ、和彦が結婚回避する理由を与えてしまう。そして、田良島が、仕事の幸せを語る。これは愛の方から退くようにストーリーが進んでいるということか。

ただ、本人たちを置いて、愛の親が暴走しているだけと考えることもできる。そんな親の言動は無視しても良いと考えれば、和彦が絶対悪というわけでもない。和彦が良い人とも言えないが。

今で言う、マリハラ、マタハラを娘の親がやってる図ということか。あと、愛の父親は会社に電話かけて私用の話をしているけれど、愛は一人暮らしだったのか?もしくは既に同棲?…あ、式場のホテル取れたからすぐ連絡しなきゃと思ったのか?いや、ならば事前に予約するぞと言っとけよ。事後報告なのに電話で勤務先に速報って…愛の父も常識がない人だったか。どいつもこいつも。

何にも決めないし、行動もしない

和彦の癖が出た。愛は頭が良いが故の悩みを和彦にぶつけるが、ごめんしか言わない和彦。こういう流れか…。愛の方から、和彦に愛想を尽かし、仕事に生きることにすると。なお、愛自身は親がマンションの契約や結婚式場を押さえることにつき、不快感は持っていない点がポイント。愛は、親には感謝しつつ、決めない和彦を責めている。決められない和彦…が将来、暢子に積極的にプロポーズしたりしたらホラーになる。もはやそれくらいしか楽しみが期待できないのかな、このドラマ。

和彦について、父母が不仲で別居しているというセリフが少年時代にあったが、両親の関係で何かトラウマがあって男女間のやりとりに影響する設定があるのかもしれない。もしくは、父親は亡くなっている描写はあったので、母親との関係で何かあるとか。これ、少年時代に母親は一切出てこなかったので、逆に母親がとんでもない毒親である可能性は高い。

和彦は"愛がわからないかわいそうな人"ということで免罪されるのではないか?

結局、和彦は両親の不仲を見ていて結婚に二の足を踏んでいる…という言い訳で、かわいそうな人として再生されるに一票。『ちむどんどん 』は、人の心を踏み躙っても、本人が前向きならば、何でもありの世界観だから。

3通の退職届

矢作が筆頭か。二ツ橋の言う通り辞め方…というか、これでは矢作が悪者になってしまう。というか突然辞表を送りつけて辞めるなんてやり方は悪者キャラのそれ。しかし、矢作はそんなキャラだったのか?嫌なやつだけれど、ちょっと良いヤツだったと思っていたのだが。何か都合よくキャラが消費されている気がする。

今週のミッション

もはや暢子のミッションではなくなったな。『フォンターナ』の危機。料理人3人を欠いた厨房で、店を休まず続けることがミッションだな。それにしても、なんともとってつけたような事件が起きるな、『ちむどんどん 』の世界では。

やはりお金の心配はない賢秀

『フォンターナ』のランチ代、ワインも含めたらかなりの金額になりそうだが、視聴者には説明はなく、うやむやになっている。賢秀が単純に恋煩いできているのだから、賢秀にはお金の心配はないのだろう。養豚場の2人は賢秀を何で追い出さないのかというところには、深い何かがある気がするが、賢秀のクズっぷりはもうお腹いっぱいでなくなっても構わない程度にまでなっている。

まさかやー

退職届騒動の際にオーナーが厨房に立つと言った時に、またも素っ頓狂な「まさかやー」をかましてくれる暢子。よかったね、その声をあげてしまう癖を直されないで。職場によってはうるさいと叱責される可能性があるのに。その意味で『フォンターナ』は、暢子にとって良い職場。そして、だからこそ、矢作にとっては不満の溜まる場所だったと言えるのかもしれない。

矢作の不満は、「まさかやー」が、不意に大声で出されることで、心が不安定になったのが真の理由というのありあると思う。ずっと働かされることより、ずっと「まさかやー」を聞かされるのを嫌ったと。それが良いことが悪いことかはともかく、オーナーはこれを直すことはしなかった。

マンションの名義変更を迫り、結婚式場を押さえる親

これ、現代の感覚だと怖すぎる。あと、愛さんはこれについては、あまり否定的では無いので、それも怖い。何というか、このドラマは、メインに比嘉家族という、とんでもない人間がいるので、周りの人が毒されていくという感じがしてならない。和彦は賢秀と暢子に毒され、そんな和彦のせいで、愛や愛の親もおかしくなっているように見える。元凶を絶てば、和彦と愛の仲は何とか元に戻れそうなのだろうか。それとももう無理なのだろうか。

智の帰省

暢子の母親優子にも報告するつもりか?愚かだな、優子の性格を知らないのかな。子供の時に砂川家にご馳走を届けてくれたおばさんと同一人物にして別人だぞ、あの人は。暢子の口から「結婚する」と言わない限り、ニコニコ受け入れても、いつでもひっくり返すぞ。なんなら暢子が報告した後も暢子の気が変わればひっくり返す。

人は何のために努力するのか

今回、愛は仕事の企画も何度もやり直ししながら通そうとし、和彦との結婚もちゃんと互いが話し合って進めようとしている。行動は全く正しいしそのための努力もしている。正しい努力をしたことで、愛はちゃんと成果を得たであろうか、得られるであろうか。

記者としての非凡な才能はあるようで、企画はこれまで多く通しているが、愛しかできない企画というのがない。しかしこれは愛のなんでもこなせることが逆に仇となっている可能性はある。結婚においては、互いを尊重する真面目な気持ちが強すぎて、恋愛に真面目ではない和彦に良いように使われている感じ。結局、仕事はまあまあ、恋愛は最悪な結果になってもおかしくない。

一方、愛の対極の生き方をしてそうな賢秀。何も努力しないが、度胸と悪事を気にしない性格で、多くの人を犠牲にしながらも、本人は生きたいように生きている。先程、失恋したが、本人的に大したことないというか、失恋さえ楽しんでいる。見渡すと、愛以外は、教科書的にはとても良い人と言えない人間ばかりの『ちむどんどん 』で、真面目で努力家の愛が一番貧乏くじを引いている。これはドラマなので、登場人物の運命は、制作の意向による。さて、『ちむどんどん』では、真面目に努力する人間が一番の貧乏くじを引くということを視聴者に訴えたかったということなのだろうか。一般的にクズと言われるキャラを主人公とその兄弟に据えていることからして、製作陣の言いたいことは、やはり努力は報われない、真面目は損するということなのだろうか。