Golden Time

時はお金で買えませんが、時間はお金で買えちゃいます。

【ちむどんどん 】第72回 強引にシリアスモードへ


先週のことは全て忘れて、沖縄テーマのシリアス編開始。ゲーム攻略のように過去に全くとらわれないタイプの連続テレビ小説。角力大会とは何だったのか?

和彦に至っては、「いい目をしている」と言われるが、前日職場のデスクで死んだ目をしてたぞ。もう無茶苦茶。

優子の年に1回か2回の謎行動

それに偶然出くわす和彦。まあ、遺骨収集活動が年に1回か2回しかないのなら、タイミング合うのは必然か…え?和彦が沖縄に来たのは、失恋旅行として急遽、田良島さんからプレゼントされたもの。そんな偶然ないな。

ところで、優子の不在は過去にもあったようだが、視聴者にもフラグというか、そう言ったものの提示はあったのかな。記憶にない。暢子の少女時代もしっかり描きながら、そういうの有ったねと成人後にセリフのみで示されたというのなら乱暴だと思うけど。どうなのだろう。

最初の記事で嘉手苅さんに迷惑をかけた田良島

そんな事情があるのに、失恋旅行のご褒美で和彦を派遣するとか、ちょっと田良島さんもおかしい。そもそも田良島と和彦が同じ沖縄に興味を持っているのもすごい偶然だな。

しかし、この迷惑をかけたと言う思いが「加害妄想」だとは…もうね。

超人大城オーナー

遺骨発掘の支援をしていたか。確かにストーリー上は合理的だが、やはり大城オーナーは何でもできるスーパーマンになってて不自然。

真面目なシーンに突入

あんたいい目してるよ。田良島さんと同じ目してる

だから、何でも話すと嘉手苅さんは言うのだが…、和彦は、前日、フラれたことによる絶望で死んだ目してたぞ。和彦は、もう完全に愛のことを忘れたか、嘉手苅さんが人を見る目がないかどちらかだな。

そもそも、取材拒否の原因がやはり田良島なら、同じ目をしている和彦の取材を受けるのも何か変な感じがする。あれ、同じなら受けて良いのか?ロジックがよく分からない。

飛行機便

そういえば、沖縄に同じ日に到着したみたいだけれど、賢秀・暢子は、和彦と同じ飛行機で来たのかな?3人一緒で楽しかったかな。

「本日休業」の張り紙のある店に「お休み…ですか?」と入ってくる田良島

うーん、田良島さんは、常識人かと思ったが、記者だからか、遠慮がないな。

しかも、旧盆ウークイの日に。

大城オーナーと二ツ橋

このシーンが入れられた理由は、暢子の沖縄行きが突然の無断欠勤ではないということにしたいのだろうなぁ。旧盆ウークイは事前に分かっていることだから、歌子からの電話ですぐ帰ると言いながら、急遽帰ったわけではないことにしている。先週のラストは何だったのか。脚本の整合性って…、こんなレベルでずれるものか?

二人は落ち着いて話しているけれど、店はもう安泰なのか。やはり3人やめた後の対応何も描かないのは、いつまでも気になる。

大城オーナーと二ツ橋の着座位置。大城は執務机、二ツ橋は応接ソファ。以前、暢子とワインを飲んでいた時は、2回とも、大城は信子と同じソファに座っていた。こういうところで親密度、上下関係を描いているのかな。

「過去を知ることが未来を生きるための第一歩だと思います」

和彦、良いこと言った風なんだけど、あんた、そもそも自分の過去を振り返ることから始めなって。

智はどこに?

都合が悪いというか、今は描くことないから省略されてる。ただ、智も旧盆ウークイでやんばるに帰ってきている可能性はゼロではないんだよな。優子の戦争の話が落ち着いたら、暢子と智の結婚話を優子、良子、歌子は突っ込んでくるだろうな。突っ込まないと変だし。というか電話でしてないのか?描かれてないけど。ま、恋愛モード終わったから無しの可能性もあるか?愛はパリ行っちゃうから登場しなくても不思議ではないが、同じ理屈で、智はスナガワフーズアメリカでも設立しちゃう感じ?

早苗に聞いたのか?

善一と優子の結婚話で兄妹がわざわざ集まって会議をするということだが、暢子は、善一さんの娘早苗と仲が良かった。暢子は早苗には相談というか話を聞いたのだろうか?それとも歌子が立ち聞きしただけなので、未だ伏せているのかな。こういうところの詰めが甘い。

旧盆に晴海は石川本家へ?

晴海は博夫が預かったということだが、お盆であるし、これはつまり石川本家に連れていったのかな。これ、石川本家にしてみれば、嫁は旧盆さえも来る気はないということ。まあ、盆と正月の集まりみたいなのを良子は嫌っていたのだが、実力行使ばかりしていると、向こうも同じことしてくると思う。既に、してこないとおかしいレベルのはずなんだけど。前回の自宅での4兄妹の食事でも、賢秀は食べるだけで比嘉家の中で何もしていない。これは少年少女時代もそう。賢秀は何も手伝わず食べるだけ。これは許して、石川家では女だけ働くのは許せないと言うのは、良子はダブスタにしか見えない。これ、意図的に描いているのだろうから、今後の展開が気になる。

賢秀と石川本家

賢秀は良子の血族で、家にいれば常に家事の手伝いをしないばかりか働きもせず、金銭絡みの迷惑までかけているのに、良子は、多少の反発は見せるが、結局、ニーニーとか言って慕っている。一方、石川本家に対しては、良子は、盆と正月などの集まりで、女だけ働かされると文句を言っている。少なくとも石川本家の人は比嘉家に直談判や晴海を奪いに来ることもなく、金銭的に良子に迷惑をかけることもない。なぜ、賢秀は慕って石川本家を悪し様に罵るのか。良子の思考が分からない。

ただ一つヒントになるのは、良子は三姉妹の中では一番上なので、早期に働きに出ており、お金を家に入れる代わりに家事を免除されていたことが関係ありそう。現に比嘉家に舞い戻っても、家事は歌子に負担させている感じ。つまり、良子は比嘉家では、男の側の立場。石川家では女の立場を強制されるために反発しながら、比嘉家では、男の立場で過ごす。そしてこの矛盾に気づかないようでいて、再就職を決めたら即、比嘉家に来たことから、比嘉家に来れば自分が男の立場でいられることを無意識としても分かっている。最近、歌子が博夫に同情的なセリフを言うが、歌子はこの良子の虫の良い矛盾に気づいているっぽい。良子に良いように使われている歌子だからこそである。良子が博夫のアパートから出勤せず比嘉の家にこだわることが、石川本家の考えと根っこで通じていることは、皮肉が効いている。

前回の第71回で、良子は、

このまま別々に暮らす方がお互いにとって幸せかなって、うちはもう諦めかけてる

と言っているが、これは諦めではなく、はっきり希望しているのだろう。歌子が家事をする限り自分は楽だから。この程度なので、4兄妹の中では良子は頭が良いようだが、3代にわたる教員の家系の石川家が本格的に乗り込んできたら、論理では勝てないと思われる。良子の自己矛盾に気づいてそうな歌子が早く諭してあげることが必要。

以上、良子のケースを使っての、女性が働くことについての『ちむどんどん 』における問題意識の立て方は、かなりクセがあると言える。

時系列の辻褄

前回の描写から考えると、暢子・賢秀と和彦の沖縄到着と行動の時系列がおかしい。

暢子が山原で良子、歌子と再会した後に、和彦は田良島から沖縄行きを許可されている。そして、遺骨収集活動の中で和彦が優子を見つける。その後、優子が比嘉家に帰ると、帰省後初めて暢子と賢秀に会ったような挨拶をする。和彦、沖縄行きの許可降りたら速攻沖縄に飛んだのか?流石に辻褄合わないよね。

和彦無双?

考えてみると、和彦って特に何もしなくても、何ならすべきことをしなくても、幸せの種が次から次へと向こうから飛んでくるキャラ設定じゃないか?人格・努力関係なく、他者から見たら羨ましいことが起こりまくる人生。

ドラマのキャラとしては微妙。

戦争を生き抜いた者による教育の物語

『ちむどんどん 』は、過酷な戦争を生き抜いた世代の子育て、教育に焦点を当てたドラマと考えると、暢子、和彦、愛、智のキャラが読み解けるのではないかと思う。成人時に両親が健在なのが愛のみで、暢子も和彦も智も父親を亡くしている。これは制作が意図的に設定していると思われる。愛は両親が健在であるが、正直者がバカを見るように退場した。ただ、同じ父親不在でも、賢秀と智は真逆で、賢秀は何もせず家族に迷惑しかかけないが、智は弟妹のために中学の時から働いていた。これは母親が働き手になるか否かやそもそもの家庭の資産状況によるのだろう。智は働かなければ生きていけなかっただろうから。和彦のまともそうで異様な性格も、生きているはずの母親が一切登場しないことから母子関係に何かあるのだろうと想像できる。戦争の話を挟んで、優子と賢三が4兄妹をどのような考えで教育したか、和彦の父がどのように教育し、亡くなった後、母はどのように教育したか、智の母親はどのように教育したかが、分かるようになると良いな。また、これまで内面をあまり描かず表面的な言動のみに近い描写が多かったため、暢子、和彦、智の行動に意味不明なことが多かった。出来事に対する各キャラの内面も描くようになってくれたら暢子、和彦、智の突拍子もないような言動も理解できるようになるかもしれない。今週というか戦争時のエピソードは、物語を大きく変えるターニングポイントの可能性がある。