Golden Time

時はお金で買えませんが、時間はお金で買えちゃいます。

【ちむどんどん 】第78話 押売り作戦に疑問を持たない暢子


重子は旧来の価値観を押し付け、暢子は自分の価値観を押し付ける。これは新旧価値観の対立とは言えないので、観ていて違和感があるようになっている。単に、互いに歩み寄ろうとしない2人のチキンゲームになっているのだから。これが制作の意図であるとするならば、違和感の正体は、視聴者は、重子と暢子のどちら側にも立てず、第三者として観なければならないことではないか。登場人物の対立のあるドラマで、一方に肩入れして観ることができないのは厳しい。

お弁当を毎朝届けること、鶴見に呼び出すこと

結婚を諦めないための良い考えがこうなるのか。しかも、暢子がどういう意味でそれをするのか和彦は聞かないで、やりたいようにさせる。

胃袋をつかめば何とでもなるという発想、怖い。弁当を毎日届けて、週末に鶴見に呼び出し、で、暢子は何を話すつもりなのだろう。会話が成り立たないと言う相手に、自分の考えるご馳走を提供して、胃袋で納得させてやると言うわけか…さっぱり分からん。重子にとっては胃袋を納得させるのは使用人の役目のはずだから。

言葉ではなく胃袋でのコミュニケーションを重視するのは、"美味しい"が誰にとっても同じであると考えているからだとすれば、そもそも料理人としてヤバい。

なぜ和彦は止めないのか。和彦は暢子の考えを理解した上で同じ動きをしているのだろうか。

恋愛ものドラマで、女が男にコレやったらストーカーでしかない。なぜこれが暢子の中で「良い考え」なのか?当時はストーカーという言葉がなかったから良いということか?これは分からん。

押し売り

玄関に上がり込み、買ってもらうまで出て行かない押し売りという悪質商法があるが、暢子がやっていることは実質的にコレ。お弁当を押し付ける際のお手伝いさんに対する暢子の笑顔、立ち去る時の暢子の笑顔はホントにヤバい。どんな演出なんだと思うくらいヤバい。

さらに次のステップは、暢子のホームに重子を呼び出すという作戦。悪徳勧誘のそれじゃん。重子の周りを暢子側の人間で取り囲み、説得しようとでも考えたのか?

いつも決まった店で朝食を摂る

…と、お手伝いさんが言っているので、重子に朝食の弁当など必要ない。そして受け取れないとお手伝いさんが言うのも聞かず、笑顔で絶対に美味しいと言って強引に渡す。どうするつもりなのこれ。お手伝いさんが食べて「うんめえ」と言うのだから美味しいのだろうが、美味しいかどうかの話ではない。また、料理人が、「絶対においしいと思います!」と言ってしまうのはおごりでしかない。

自分にとって美味しいものは誰にとっても美味しいという考えでいる限り、重子には勝てないのではないかな。しかし、重子にやり初めてそれに気づくというのも変だから、そうならないか。何年料理人やってるんだよと言う話。

暢子は、自分が重子のこれまでの毎日の習慣を否定して、暢子の価値観を押し付けようとしていることに気づかないのだろうか。これこそまさに、会話が成り立たない、違い過ぎることから来ているのに。分かっていてやっているのなら、力と力の勝負ということ。そして、暢子よりものが分かっているはずの和彦は、ひょっとしたら分かってやらせているのかもしれない。重子と暢子の完全衝突を望んでいると言うことなのか?

下宿に来てくれと言う和彦

暢子も同じ下宿に住んでいるとか重子に言う。和彦は、これの意味を分かっていないようだ。結婚を考えた恋人がいたが、同じ下宿に住む女に惹かれてしまった。だから恋人と別れたし、すぐ一緒になりたいから結婚を認めてくれと言っている。和彦は、何でこれが通ると思うのか。

和彦も押し付けを始める

あなたはお父さんとの思い出を美化しているだけ

和彦が、父と沖縄の海を見たというかなり抽象的な思い出を語るのだから、重子が愚痴るのも分かる。さらに愚痴を続ける重子に、

そんなに父さんのことを悪く言わないでくれ

と和彦は言うが、自分で話を振っておいてリアクションされたら怒り始める和彦。大人ではない。

今思うと、愛が結婚に対して異様なまでに和彦に気を遣って話していた理由が分かった気がする。和彦は、どこで沸点に達するか分からない人間なのだ。重子のところに自分から来ておきながら、2度とも怒って席を立つ。親に対しやっていることは、付き合いが長く結婚も考える恋人にもやってたんだろうなと想像できる。和彦は地雷。

このやうな和彦を見ると、付き合う相手が愛から暢子に代わったことで、和彦の狂気が表に漏れ出した…というように考えて良いのではと思う。

ストーカーの定義

暢子が重子に対し、

好意の感情を充足する目的で、当該特定の者、その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し、繰り返し押しかけている

が、これはドストライクでストーカー行為に当たる。ひょっとしたら「好意の感情を充足する目的」が当たらないかもしれないが、そうであれば、もっと怖い。

殺し以外はタブーがない連続テレビ小説主人公

とにかく、制作は、家に毎日来るということがどれほど恐ろしいことか分かっていない。そのうち暢子は、重子が喫茶店に行く前に捕まえようと、もっと早く来るようになる。このままだと重子は、身の危険から、暢子と和彦の結婚を自由意志ではなく、自らの身の安全のために認めなければならなくなりそう。『ちむどんどん 』は、そういう話なのか?

『ちむどんどん 』では、暢子も大概色々なことをしてきたが、ストーカー行為もしくは脅迫までしてくるとは…殺し以外はなんでもやるな。舞台が昭和とはいえ、さすがに令和の連続テレビ小説で主人公がやる行為ではない。

重子は智のことまで調査済み

なるほど。そして当の智本人は、ターゲットを歌子に変更。これは酷い。完璧に振られたら、日を開けずに、脈がありそうな方に向かう。こいつもあかん。

うちはいつも智ニーニーの味方だから

…とか言う歌子。ん?先日、暢子と和彦が結婚の挨拶に来た際は、ニコニコで喜んでいたのに。民謡教室に通ったり外の空気を吸って、歌子も駆け引きを覚えたか。

暢子は諦めないと言っている、僕も諦めない

相変わらずの和彦節。まず暢子が諦めないと言って、自分もと付け加える。こういう感じに言葉を操る人間は、なまじ頭が良いだけに怖いよ。何も考えてなくて自分のやりたいことをやりたいようにやってくる暢子と組み合わさったら、恐らく『ちむどんどん』世界を破滅に導く。だから2人は結婚してはならない。

弁当押し付けだけではなく鶴見まで来いという

何で沖縄料理でもてなすことが結婚許可を得る良い考えになるのかはともかく、まず相手の都合を考えろと。

弁当を持参して強引に押し付けるだけでなく、鶴見の『あまゆ』まで来いと言う。どういう思考なのか?理不尽なことを言う重子をギャフンと言わせてやると息巻いているとかそんな感じ?重子にしてみれば、付き合う義理も義務もないのに。暢子、何考えているのか分からない。

『あまゆ』本日貸切

貸切料金は誰が払ったのかな?当然企画した暢子なのだろうが…払ってなさそうな気がしてしまうのがなんとも。

第72回でウークイで臨時休業し、今回は貸切。イレギュラー営業が重なるな。

献立

柑橘を使ったラフテー

クーブイリチー

てびち

シブインブシー

しりしり

てんぷらー

ちょっと年齢的に重子にはヘビィじゃないだろうか。名前が重子だけに。

『あまゆ』に誰か来た!

暢子は、嫌な予感がすると言うが、まあ、重子は来ないだろう。来たとしたら、重子はかなりの爆弾になると思う。で、爆誕の起爆剤は…賢秀か…トホホ。「本日貸切」があっても入ってくるのは、当事者の重子か、部外者だとしたら…賢秀しかいない。

暢子の味方ばかりの『あまゆ』にアウェーの重子が来たら…

重子は、暢子の周りを調査しているのだから、賢秀の悪行は当然知っている。お金の問題も未だ抱えているということも含め、洗いざらい周りに暢子側の人間がいる中、話してしまったらと、和彦は考えないのだろうか。結婚しようとする相手の家の恥部なのに。

まくとぅそーけーなんくるないさ

和彦にお弁当作りのことをそこまでしなくても…と言われ、絶対諦めないと返した後に、付け加えたのがこのセリフ。正しい行いをすれば、なんとかなると言う意味らしいが…。暢子のやっていることが、なぜ正しいことなのか。価値観の違いを重子に言われたのに、全くそれについて考えることをしない暢子は、本気で重子と戦うつもりだな。

堕ちた三郎

やはり三郎まで暢子側の愚鈍な仲間たちに加わってしまったのがどうしても悔やまれる。和彦と暢子が結婚しようとするのに人の道を説いて待ったをかけられたのは三郎だけだったのに。

『フォンターナ』の日曜日営業

暢子は気合い入れて重子を『あまゆ』に招待するみたいだけれど、『フォンターナ』は日曜日の夜営業は無いのかな?ビジネス客重視で平日しか営業しないとか?重子招くのは旧盆休み明けすぐの話だよね?それとも、1ヶ月以上間が開いてる感じ?