Golden Time

時はお金で買えません

【ちむどんどん 】お弁当作戦は悪手


毎朝、お弁当を作り重子の家に持参する暢子。重子が受け取るわけではないが、お手伝いさんが受け取る。これ、作戦として仕掛ける側にかなりの負荷がかかるので、暢子としては悪手になっている。

チキンレースに見えて暢子側がキツい戦い。そもそも暢子から仕掛けているのだから仕方がないが。

やめたら諦めたことになる

しかし、受ける側の重子というかお手伝いさんは、たとえ不在でも、受け取らなくても構わない。暢子は根負けを狙うのかもしれないが、かなり条件が厳しい。

少なくともお手伝いさんは、弁当を期待している可能性

そうなると、1日でも持っていかないとお手伝いさんの心証を悪くする。重子本人ではないのに、お手伝いさんのことを気にしなければならなくなる。これは意外に厳しい。

暢子には大きな負荷がかかるが、重子の負荷はほぼ無し

弁当を作り、配達までするわけだから金銭的にも労力的にも時間的にも暢子の負荷がかかる。一方、重子はこれまで通りの生活で良い。なんなら、暢子が毎朝喫茶店に来てくれるから、顔が見れて嬉しいくらい。

話し合うことを選ばない暢子

弁当の一方的押し付けという、昔の少年マンガの拳で語り合うみたいなことをしているが、人間は言葉を使って話すことができるのであるから、言葉を使ったほうが細やかなやりとりができると思うよ…あ、話が通じないと言われていたんだ。だからこんなことしてるのか。

どこかで和彦が、「話が通じないと言うから、暢子はこうするしかなかった」と言って終わるのだろうか?

『フォンターナ』への嫌がらせによる存続の危機が解決した後の、大城と三郎を強引に再会させようとする際の行動も、こちらは言葉を使ってはいたが、話し合うのではなく、強引に自分の論理を押し付けていくだけだった。自分は一歩も譲らず、相手が折れるのを待つ…これは文字通りの"話が通じない"人間の行動である。

正義の相対性

そもそも、結婚を認めさせるために、お弁当を毎日持っていくというのは、論理的に成り立たない。結婚は美味しい料理を作ることではない。言っていることがそもそもおかしい。ただ、断っているのに毎朝家に来る…というのは迷惑行為である。つまり、毎日の迷惑行為をされたくなかったら結婚を認めろということ。まさに暢子が弁当持参をしている時に並行して描かれた『フォンターナ』の権利書を巡り権田が大城に対し行ったことと重なる。こちらは、毎日の迷惑行為をされたくなかったら金を払えであった。暢子と権田が同じことを同時期に行っていて、重子に対しては自分が加害側であるのに気づかず正しいことをしているつもりでいる。一方の権田に対しては自分は被害者側だと思っている。二つのエピソードに暢子を絡ませ同時に描いたことは、人間は立場が違えば正義はブレるということを描いているのかも知れない。

暢子が重子、大城、三郎にしていることは権田と同じ

大城、三郎に対しても、暢子は、『フォンターナ』の危機が去った直後に披露宴に参加しろと強要している。三郎には脅しは使っていないが、大城にはいないことになっているのにドア越しに参加しろと言い、認めなかったらドアを開けるぞと脅している。やはり関係ないことをダシにして自分の主張を倒そうとする点で権田と同じ。これのダメさに気づいていない暢子。