暢子の夢は妨げられない。問題は、周りが解決する。これは今回も徹底していた。しかし、犠牲が遂に身内に及んだ。これまで、周りの人間を犠牲にしながら自分の幸せを掴んで前進してきた暢子だが、遂に博夫・良子という身内も犠牲にして前に進むことになった。ある意味、博夫は暢子にとって血族ではないし、同居もしていないので、賢吉のようなポジションなのかもしれない。賢吉には迷惑をかけても良いと言うのが比嘉家の考えのようだから。
賢秀の責任
マルチ商法をしたことは自業自得の範囲ならまだ良かったが、暢子の連絡先をマルチ側に話したことは罪が深い。暢子の幸せなど願っていないとしか言えない。
素人相手に本気出せないさ
この言葉を和彦と智に言った時点では、賢秀は、まだ悪いことをしたと思っていないのではないか。最後は反省するも、自分もマルチに加わって、被害者を生んだことを反省する言葉はなかった。結局、やんばるで一緒に暮らした比嘉家の家族しか賢秀の頭の中にはない。
マルチ商法の元締との争いにこんなこと言う賢秀を見て、和彦はどう思ったのだろうか。「住む世界が違う」という重子の考えが分かったのではないか?
他の子は万引き、賢秀は金を盗った
万引きも悪いが、少年時代の賢秀は、レジの金に手を出したか。
悪いことをしたけど、お前は悪い人間じゃない
賢三のこの言葉を思い出して、反省すると言い出すのだが…悪いことをしたのに悪くないと言う親も悪けりゃ、金を盗っていながら人ごとのように父親は関係ないとか言ってしまう賢秀もおかしい。賢秀は反省しない。何なら少年時の賢秀は、自分がレジの金を盗っていながら、賢三に頭を下げさせた善一が悪いとさえ思ってそう。賢三は亡くなっているので賢秀の代わりに刑務所に入ることはできない。賢三の死後、賢秀を諌めるべき人がいなかったということ。賢秀、残念ながら治らないな。この感覚は、養豚場からお金をズルズル出させても平気で戻ってこれるし、暢子の財布からお金を盗っても平気で会いに来れた。身内でさえ少額なら盗るので、これまでどこでどれだけ実質的に金を盗ったか話からないくらいではないか。
賢三の土下座
賢秀がレジから金を盗ったことに対して、賢三は、賢秀は悪くないと言いつつ善一に土下座することで済ませてしまった。この姿を見て賢秀は、他人の金を盗ることはそれほど悪いことではないという認識になったのではないか。善一としては賢秀をしっかり叱ってほしかったかもしれないのに、賢三に土下座されたらどうしようもない。代わりに刑務所に行くと言っていた賢三が亡くなってしまうし。
賢秀の言い分の愚かさ
暢子に幸せになってほしかった。母ちゃんに楽させてあげたかった。でも…ただそれだけだのに
目的は悪くなくても、手段が悪ければ誉められない。家族の幸せのためには、他人を犠牲しても構わないという発想が、抜けきれていない気がする。200万円という取り返しのつかない額の損失を暢子に与えて遂にどうしようも無くなったというだけの話。
賢秀は、智、和彦に対し土下座しているが、これは賢三の行った行為と同じで、問題の根本解決ではなく、その場を切り抜ける策にしか見えない。視聴者は同じ回で賢三の無意味な土下座を見せられているのだから。
相変わらずの賢秀の思考
俺は今度こそ心を入れ替えて地道に働く!
何年かかっても暢子の200万、必ず、必ず倍にして返すから!
相変わらず、倍にしてとか言ってるよ。倍じゃなくて、まず元金返すことからだよ。賢秀の場合、倍の400万円貯まるまで、一切返さない発想もありうる。賢秀は信用できないので、何年後かに貯まってから一度に返されるより、コツコツ毎月返す方が暢子は安心できるはずだが、賢秀はそんなこと考えてなさそう。だから200万円貯まったところで一挙に倍にしようとして、またゼロになるとか起こしそう。
今度こそ心を入れ替えて地道に働く
そんなことを言う賢秀。もはや信用できない。200万円という大金を暢子に被せたら、そう言うしかないでしょうくらいにしか聞こえない。養豚場から前借りと称して気軽に金を出させてきた賢秀も、流石に200万円の大金を一度にとなると無理。完全に行き詰まったから、反省したように見せかけて開き直るしかないと。
そもそも賢秀はこれまで、まともな労働で稼いだ金額の総額が200万円に満たないということもあり得そう。
賢秀自筆の200万円の引換券
まだ手元にあるだろうが、暢子と賢秀は、これをどうするのだろう。忌々しい記憶であるが、万一賢秀が今後大成した時には提示し弁償させることはできる。それでも捨てたいと思うことが普通の感覚ではないかな。戻ったとしても、単に失った金が元に戻るだけの話。この時代を考えたら、年々金利がついて元金だけではそもそも返したことにはならないし。
博夫の決断
博夫が海外旅行資金を暢子に差し出すのか…無茶苦茶だわ。博夫から、お金が湧いて出てきたから暢子の開業計画を変更せず済んだというのか。これ、優子を絡ませていないことがミソ。優子が絡んでいたら、また違う展開になるはずだから。しかしもう優子は若くないし、借金も容易にはできなくなっているはず。
それにしても、暢子が自己判断で200万円マルチの人間に渡したのに、そのまま博夫から貰えて事業計画に影響がないとするのは、何か引っかかる。この論理は、暢子の事業が行き詰まった時には重子に適用されるのではないか?金額も1桁増えた形で。
社員特別融資
博夫が出してくれたおかげで、社員特別融資に手を出さなくて済んだと和彦は内心ホッとしただろうな。返済するまでフリーになれなくなるからね。
和彦は、冷静に比嘉家の言動を見てヤバいと思わないのだろうか
これが不思議。暢子はマルチ商法の拠点に何も疑問を持たず200万円を持って行くが、何やかやと言いがかりをつけられて更にたかられるとか考えないのか。また、そんな暢子に博夫が200万円を出すのを見て、和彦は彼らの言動に自分と違う何かを感じないのだろうか。これを見せられて、愛と結婚していればとか思ったりしないのだろうか。
退店する時に初めて「どうして沖縄料理なの?」と大城は聞くが…
本人も、
いろんな人にそれを聞かれて、うまく言葉にできなくて、考えていたんです。
多くの人に聞かれて、初めて理由を考えたと言っている。一方、大城は「何をやりたいのか分からないまま終わることが多い」という言葉は、どうして沖縄料理なのか、分からなくても良いと言っているようにも思う。それが『ちむどんどん 』のスタンスなのかもしれない。
約束
新たに開く店を満席にしたら、三郎、多江と一緒に来店しろと要求する暢子。強引に相手の精神的に嫌だと思うことを"約束"にしてしまう相変わらずの暢子の使う手法だけれど、酷い。披露宴の時に既にこれをやらかしていて再度またこれをやるとか、暢子の精神攻撃の執拗さは冷酷である。というより、既に3人を引き合わせているのに、再度引き合わせて何するの?社暢子は交辞令という言葉を知らんのか?