Golden Time

時はお金で買えませんが、時間はお金で買えちゃいます。

【鎌倉殿の13人】(35)畠山は大きな渦に巻き込まれ、和田は小さな渦を作る


暗いイベントが次から次へと生まれてくる。鎌倉殿のためと思って取った行動が正しいとは限らない現状だから、これは仕方ないことかもしれない。時政が、りく絡みでは変に本気出すし、そもそも執権という力を持っているから、暗いイベントメーカーとしての役割を果たしすぎる。

実朝の和歌の才能

才能というか、教養というか、誘導されたというか。実朝は和歌を残すことになるのね。

りくと平賀朝雅

政範の死を、りくが北条の後継にしようと必死だったという話に絡ませて語る義時。そうなると義時は北条義時になれず江間のままだった。政範暗殺は、義時が裏で手を回し…という可能性も残している。ただ、描写的には平賀朝雅による毒殺の可能性が高そう。そんなところに畠山重忠の息子が入ってくる。面倒くさいが血生臭い話になって来る。

のえの野望

のえには野望があったか。やはり名前からして何か怖い感じだからなぁ。男を産んで、後継にするというのは、りくと同じ発想だなぁ。のえが嘘つきであることを三浦義村が見破るの義村らしくて良い。義村危険を知らせる報知器みたいな何かの役割してる。

りくの暗躍

政子には感情を抑えて対応するのに、時政には激しく感情をぶつける。この人、押したり引いたりが悪魔的に天才すぎる。というか、単に地位を濫用しているだけか。いや、破壊力ある人たちの中を感情で生き抜いてるの凄い。けれど、息子には当然その力は常には及ばないので、逆に目の届かないところで酷い目に遭わせられる。これ、りくが過去しでかしてきた所業を、これまで色々描いてその人となりを視聴者に提示してくれているので、政範を失ったりくの今の状況が、ちゃんと自業自得に見えるのだよなぁ。

和田義盛

義盛は義盛で実朝を盛り立てようとしている…のかな?…しかしこれが大事になる。実朝からは信頼を得るが、他の御家人の信頼は失う。義盛は危ういバランスの上に立たされることになる。

巫女

占いする内容が謎すぎる。ただ、実朝は、雪の日は出歩くなと占われた。あと、悩みはどんなことであっても、同じことで悩む者は今も昔もこれからもいることを忘れるなと言う。ちょっと何を言っているのか分からないが、もっともらしいことであり、実朝は涙ぐむ。巫女は「気が晴れたか」と言うのが良い。この巫女は悩みを解決するのではなく、気分転換をさせてくれる人だと。だからこそ、その巫女のところに連れて来たと言うのであれば、和田義盛は本当に良い人。

とにかく八田知家がなぁ。

微妙なタイミングで、微妙なことをする能力抜群だ。正しいことをしているのに、微妙にダメな方に御家人たちを誘導する。実直に勤勉に職務を行い、同僚たちをミスリードしていく才能抜群。

行き詰まる畠山重忠

畠山重忠の、

北条の邪魔になる者は、必ず退けられる。鎌倉のためとは便利な言葉だが、本当に、そうなのだろうか。

本当に鎌倉のためを思うなら、あなたが戦う相手は

と言う話の進め方に対し、話を聞いていた義時は、

それ以上は

と遮る。ここでは、義時は北条ではなく江間として、畠山重忠は義時を見ているのだろう。

しかし畠山重忠は、

あなたは分かっている

と言い、義時は重ねるように、

それ以上は

と話を切る。良い感じの時が流れているように見える…見えるのだが、これ、政範暗殺が義時の仕業だったら、悪虐な嘘つきの義時が、重忠に話を合わせている風で流しているだけのシーンになるのだよなぁ。描いていること、描いていないこと、描かれていてもそれが誰かの脳内の話なのか客観的な話なのかで、視聴者は惑わされている。政範の毒策の話も、映像で描かれているが、義時・時政を含む御家人にとっては、畠山重忠の息子から語られた話でしかない。

義時と重忠の会話シーン。義時の顔色を伺いながら話す重忠の表情の切なさ。

サブタイトルの苦い盃

政範が京都で毒殺された盃のことか、もしくは、ラスト近くで義時が畠山重忠と交わす盃のことか。前者の毒は、味はしないらしいから、どちらも味覚的に苦いというわけではないということになる。どちらも畠山重忠にとって精神的に苦い盃とは言える。