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【鎌倉殿の13人】(46)源氏より優先する義時の考える"政"


サブタイトル「将軍になった女」。要は尼将軍誕生回。義時にブレーキをかけるにはこれしかなかったという形で描かれる。しかしどうも政子は、実衣を救うためだけに尼将軍になることを決めたみたいになってるのが気になる。

これは京都から次期鎌倉殿を迎える際のドタバタの間隙を縫ったもので、納得の論理展開。実衣を助けるために、義時の暴走をさせないために政子は尼将軍になったと。結果的に義時も救っていることになるのかな。

実衣…この第46話のストーリーの影の主人公。オープニングではギラついた若々しさを発散してズタズタ歩いているが、ラストではもう生気を失って座り込んでいて立ち上がる感じさえしない。

実衣が動く

子、時元を鎌倉殿にすることを狙う。それには宣旨がいると三善康信が変な入れ知恵する。しかも実衣はそれを三浦義村に頼んじゃう。これがダメだったなぁ。鎌倉に生きるなら甘いと言うことかな。実衣は政子にはなれない。

結局、実衣は、時元を将軍にしようとして、巡り巡ってなぜか政子を尼将軍にするという結果になる。実衣は政子を越えられなかった。多分、これが最後のチャンスだったはず。

小四郎…誰?

と言う実衣なのだが、頼んだ三浦義村は、保険なのか、最初からそのつもりなのか義時に話しちゃう。実衣も、義村も、義時も皆面倒な人だが、まだ実衣は分かりやすい方なのか。

いずれにせよ、ドラマ的には、序盤に「小四郎…誰?」と言っていた実衣が、義時に自分の息子を殺され、自分の生死さえも握られる皮肉。

鎌倉は誰にも渡さん

…とか言う義時。ああ、これは誰かに渡すことになるフラグだ。で、今回だけを見れば政子に渡すことになるが、最終回に向けて、この義時のセリフがさらに別の意味を持つことになるかもしれない。

このセリフ、私はまだ死なんと言ったり、後継は泰時でなくても良いと言ってみたり、泰時にお前の声は耳に触る、行けと言ったり、義時は、本当に自分のみのことしか考えていないのか?もはや義時が何を軸に行動しているのか全く分からない。

今回の後鳥羽上皇

鎌倉からの親王の一件に対する手紙を読むシーン。何かのゲームを楽しみながらでもなく、イラついているわけでもなく、自然体。ナチュラル過ぎる。しかし…時房上洛の蹴鞠の際はゲームに興ずる姿を見せ、その後、慈円が鎌倉へ向かったことを話す際にはイラついている。ちゃんと後鳥羽上皇のいつもの姿を描いてくれる。

時元、ナレーションのみで死ぬ

は?そのナレーションの時の映像は、時元が次期鎌倉殿になる気満々のシーン。映像とナレーションの差が怖い。義時は時元に兵を差し向けただけで、自ら出向きもしないからか落ち着いて事務仕事してる。源氏の血を引く時元を討つことに何もためらいがない。

この扱い、源氏であることに殊更特別感を抱いていた義経が聞いたら卒倒するな。

実衣は政子に頼朝と結婚したことをなじる

そこまで遡及してなじるか。それはそうか、全成と結婚したことも、時元を失ったことも、政子が頼朝と結婚しなかったら起きなかったとは言えるから。

実衣は裏で手を引いたことを認める

まあ、これを弱いと言うのかな。何か逆に正しいように思える。

義時は政優先かのように言うが…

義時は正しいことを言っているようではあるが、義時の言う"政"って、何って話。源氏の血を引くものが鎌倉殿になろうとしていることの何を義時は正しくないと言うのだろう。

その後、「私の考えが鎌倉の考えです」とか政子に言っちゃうから、そういうことか。

泰時を会議から外す義時

上皇様と争って何になるのですか

と言う泰時に、太郎!と一喝し、

もういい。お前の声は耳に触る、行け

と、泰時を外してしまう。

ああ…義時、これはもうあかん。義時、泰時、時房、大江広元、三善康信の身内のような5人しかいない会議から泰時を外すって。末期と言うことを分かりやすく描いている。そしてこれで義時に意見する者がいなくなった…はずだが、次に描かれる4人の会議の際には、代わりに時房が頑張る。

それにしても、鎌倉殿の13人が、いつの間にか、執権殿の3人となってしまった。

ウメという少女

政子を憧れと言うが、ウメとは誰?というか、字幕つけないとあの少女がウメという名前さえ分からないのだが。

ウメの言葉

伊豆の小さな豪族の行き遅れが、こんなに立派になられて…。行き遅れが…。色々大変だったですね。苦労されたんですよね。

憧れなんです。私の友達もみんな言ってます。

どうしても言いたいことがあってと言ったのが、これ。「伊豆の小さな豪族」と言うのも失礼だが、「行き遅れが」と2度言うのも本人は、ネガティブな状況を挽回してすごいと言う例えとして使ったのかもしれないが、他の人がいる前で、高位の人に言う言葉では無い。なかなかやる少女だ。

ところで、「私の友達もみんな言ってます」というのは、「伊豆の小さな豪族の行き遅れ」ということなのかな。

政子の子は皆既に亡くなっている…これをウメは知っての上で憧れと言うのだろうか。

私はまだ死なん

のえに対して強く出るな。ま、妹の実衣が暴走しているのを見た直後だから、母が自分の子を何としても成り上がらせたいとする姿を、別なケースで見せられるのは鬱陶しいのは分かる。のえはタイミングが悪い。まあ、悪いのはタイミングだけではないけれど。それにしても、あれだけ人を謀略により殺してきた義時だが、自分が突然死ぬことは考えていないと。

義時は後継は泰時でなくても良いと言った

なら二郎が継げば良い

これ、本心なのか、のえの言うことが鬱陶しかったからだけか。とにかく泰時にこだわらない的なことを言った。

時房がガチで義時を諌める

広元さえもが、これ以上鎌倉殿の不在が長引けば、御家人の信を失いかねないと言うのを聞いて、時房は、

兄上、意地の張り合いもここまでにしておきませんか?

と、かなり真剣な顔で諌める。泰時がいなければ、ちゃんと意見することもできる時房。普段冷静な時房がいつになく真剣な顔で止めに入ったこともあってか、さすがの義時も再度考えてみたようだが、一瞬の後に、「それはならん!」と言って出ていく。義時、もうダメかな。そして、この義時、広元、時房の3人で政子のところへ行く。あれ?三善康信消えた?

リフティング大会開催!

鎌倉時代のワールドカップ!

結局、後鳥羽上皇が提示した"本音"は、義時と同じたったので、トキューサはなんとか上手くやった。

藤原秀康登場!

これ以上、僧正の好きにさせて良いものか

後鳥羽上皇の義時へのイラつきを利用して、慈円を追い落とすために、鎌倉との戦を仕掛けようとしている。慈円との権力争い的な考えで鎌倉と戦おうというのであれば、ちょっとやめとけとしか言えない。

尼将軍誕生!

姉上にしては珍しい。随分と前に出るではないですか。私への戒めですか

と義時が言うの分かる。これに対して政子は、

全てが自分を軸に回ってると思うのはおよしなさい

と返す。戒めどころではなく、義時の好きにはさせないと言っている。それは良い。それは良いが、「私が鎌倉殿の代わりとなりましょう」「鎌倉殿と同じ力を認めていただきます」と言い出して、その日の夕刻に尼将軍のお披露目というのは、ちょっと色々省略し過ぎではないか?執権を超える力を政子に与えることになるが、後鳥羽上皇の許可なくできるものなの?

ラストの政子と実衣のシーン

光の使い方も政子の衣装も含めて、西洋の宗教画みたいになってる。舞が精神的に参ってしまっているのが画面から伝わってくる。

のえ、実家からの催促はきつい

前妻、前々妻をディスって露骨に自分の子を後継にせよと言ったのは、裏目に出て義時を怒らせる。それを実家の父に報告しても、のえにとって良いことは言われないよなぁ。のえも自分のみの野心というわけではなく、"家"の論理で動かされているだけだったか。義時が権力者だからこそ起きたこと。

母として息子に立派な地位を得させたいと考える実衣とのえ。義時の考えていることとは違う

実衣とのえは今回、"義時と対峙する"ことと"自分の息子を高位につかせる観点から、対照的に描かれているのかな。

そして、実衣とのえの後継との考え方は、義時の考えとは違う。

実衣、義時から同じ回に思わず出た慢心

実衣:小四郎…誰?

義時:私の考えが鎌倉の考えです

妹と弟がこんな2人だからなぁ。

私が鎌倉殿の代わりとなりましょう。

鎌倉殿と同じ力を認めていただきます。

と政子は言うしか無かったのかなぁ。

義時は鎌倉内の上位者には結構従順

尼将軍誕生経緯が、極々私的な理由だったというの政子らしい。そして、こういうことには、義時はちゃんと従う。京都には強く出るが、鎌倉内だと意外なところで序列を守るのが義時。