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【虎に翼】(51)花岡が遺したもの。寅子には伝わったかな


花岡の死は、寅子がバランス感覚を持てる人間になるために必要なエピソードなのだろうと思う。少なくとも寅子の正義感は、弁護士的なもので、裁判官としてのバランス感覚はない印象で描かれてきたから。

悲惨な空襲を経験したよねの言動が柔軟になっていることからも、先週末の寅子の穂高先生への噛みつきは、制作側が意図的に入れたエピソードなのだろうと思う。

花岡の餓死

食糧管理法を担当していた判事が法を守って餓死。これは裁判官は黙るしかない。花岡のことを知っているか否かに関係ないレベルの話。

寅子…なぁ

本音?を寅子に気を遣ったはずの文脈で言ってしまった穂高先生を前回あれだけ責めた寅子。

しかし今回、闇米を食べながら花岡のことを思い、決意を新たにした感じな描写になってて…人間味ありすぎというか、ちょっと近くにいて欲しくない人。

よねと轟の生存確認

よねに拾われることで、よねと轟の生存確認ができた形。この2人犬猿の仲風に始まって、特によねが嫌ってた感じだったのに、よねの方から握手を求めるのが時の流れというやつかな。あと、受験の口頭試験の時の言動から、よねは寅子よりも自らの正義を通すことにこだわっていた印象だが、かなり是々非々というか柔軟になった印象。これも今の寅子との対比なのかな。

酔い潰れた轟をよねが見つけた形に見えるが、逆で、戦地から還った轟は、まず花岡に会おうと汽車で上野まで来たが、そこで花岡の死を知り、目的を失い、上野で知っているのは…ということでよねに見つけられるように道端で酔い潰れていたと考えるのが良いのかな。

よね"読んだか?新憲法"

轟:ああ

さすが法学を学んだ者たち。

"男も女も、人種も家柄も、貧乏人も金持ちも、上も下もなくて横並びである"

男も女も:花岡と梅子

人種も家柄も:香淑と涼子

貧乏人も金持ちも:よねと寅子

こう言う対応関係かな。

よね:"残念だったな、花岡"

しかたあるまい。それがあいつの選んだ道ならば

この轟のセリフから、轟が花岡のことを1段階上の好きだったのではないかという問いに繋がるよねというか制作陣、ちょっとそれ飛躍しすぎじゃ無いかと思うのだけど、多くの人には、もしくは当時の感覚では自然に聞こえるのかな。

よね、邪推?

轟が花岡に惚れていたと言い出す。

俺にもよくわからない

花岡…そんなこと言うのか。というか、『虎に翼』のここでこういうことやるのか。流石に不自然じゃないか?

"もうメソメソするな"

我々があいつのためにすることは、泣くことじゃない

桂場、寅子に優しすぎる。

一方でライアンは、寅子を飲みに誘うと。

桂場とライアンが硬軟分かれて寅子をフォローしてるのね。

桂場とライアンが寅子に気を遣っている感じのシーンって多いんだけれど、これ、女性だから…とは寅子は思わないのかな。反発するそぶり見せないけれど。あと、子供が待っているからと飲みの誘いを断っているが、寅子には娘の面倒を見てくれる人が何人もいる。当時、男が上司から飲みの誘いを受けたら恐らく断れないと思う。それを断れた寅子偉いというより、寅子はこういう場面では、自分の行動が変だと思わないのかな。寅子、自分がどう感じたかしか見ていないというのを、ここでも描いているような気がする。

一緒にやらないか弁護士事務所

弁護士資格の持ち腐れになるくらいならと轟を誘うよね。

誘い方が回りくどいぞと言う轟、その通り。

傷痍軍人の缶に小銭を入れる寅子

初めてじゃないか?今までずっと出てきたが入れず、今回初めて小銭を入れた理由は何だろう。自分のことだけではなく、ようやく周りの人のことを見ることができるようになり始めたということなのかな?

結局、寅子は自分を客観視できない人なのではないかな。これ、改められるのかな

先週、花岡の前で自分が闇米を食べていることに後ろめたさを感じていながら、穂高先生が本心というか根っこの思想のところで男女同権と考えていなかったとしても、他人のいるところであんな糾弾をしたのはバランス感覚か悪かった。

今回、花岡の死を知り、闇米を食べてでも前に進もうと考えたのであれば、恐らく穂高先生に対しても異なる感情を持てたはず。そうでなければ…寅子は成長できない人間ということになる。わざわざ前回穂高先生糾弾を描いたというのは、そういうことだと思う…けど、寅子だからなぁ。

ライアンの役割、桂馬の役割

ドラマとしては、寅子を囲む男たち、父直言、兄直道、夫優三、昔の恋人?花岡をバタバタっと失った。ドラマの役割としては、その代わりに楽天的に見えると言う意味で父、兄、夫の役割をライアンが、真面目に生きると言う点では昔の恋人花岡の代わりを桂場が担うことになるのかな。ドラマだからとはいえ、いなくなったら代わりが出てくるの少し変な感じ。