Golden Time

時はお金で買えませんが、時間はお金で買えちゃいます。

【殴り愛、炎】前編 スーパー外科医の崩壊


結局、登場人物は、ほぼ全て単純な感情で動き、それぞれ決定的な性格的欠陥を持っている、清々しいまでに。これは実は誰にでもあることなのかと少し思ってしまったが、そんなことはない。なぜならこれは、ドラマだから。

明田光男は人生で人を殴った事がない、この手は人の命を救うためにある

この光男の座右の銘的な言葉、名言だ。名言?ちょっと違うか。しかし、だからこそ、それでも殴ることになる事態の重さが意味を持つ。とにかく、このドラマでは、光男が一番まともな人間に見えるから不思議。

最初の棒高跳びシーンの意味

信彦が地獄から生還したという例えと、元陸上部であることを合わせた視聴者への提示なのだろう。同時に二つを表現するの良い。

謀略家、家子と信じ過ぎの信彦

こんな謀略ばっかりしたり、嘘ばかりついていて、よくこれまで辻褄合わずに破綻していないな。だいたい服装が悪魔みたいな色と形だし。

信彦は信彦で家子の嘘を信じすぎ。まあ、家子のことを信じすぎなのは信彦だけではないから、単純な信彦が引っ掛かるのは仕方ないけれど。

廃棄箱のカルテ

秀実が責任を持って処分しますと言ったカルテ…いやいやいや院長、自分で処分しろよと。というか、なんか重要なカルテみたいだが、そんなものを、そもそも書庫に放置しておくのもおかしいし、どんな文書管理しているんだ?病院は、顧客情報の塊だが、この病院、信じられるのだろうか。しかも、明田総合病院は大病院なのに、未だ電子カルテではない。これは、電子カルテソフトメーカーは、直ちに営業をかけるべき…というか、これまで電子カルテを入れていないことが逆に怪しい。過去に営業かけられていない訳がないから。怪しい病院だ。

個展で買ってすぐ持って帰って来ちゃう信彦

すごいな。普通、個展が終わるまでは、売却済の札をつけた上で展示は続けるのではないかな。そうしないと、最終日が近づいたら展示が少なくなって作家の能力を見てもらうチャンスが減り、作家は将来の顧客を逃すことになる。まあ、個人で開催する個展だろうから、強く依頼されれば渡すのだろうけれど。

ダメ人間の集まりのドラマ

まあ、登場人物が皆、ダメ人間なのだけど、ダメっぷりが人によって違うところが、魅力?的。誰もが持つであろう人の弱さ、悪さを少なくとも1つ各主要キャラクターにデフォルメした形で背負わせているから、キャラが立っていて頭に入りやすい。

秀実もダメ人間

ヒロイン秀実の流されっぷりはない。何か、周りに翻弄される可哀想な人ポジションに見えるが、流されすぎてるし、信彦との関係では、自重しているようで、ホイホイ工房に出向いて行ったり、キスも拒むようで受け入れてしまうなど、そりゃ光男も怒るわというダメさ加減。

最初のバードウォッチングシーンでの秀実のダメっぷり

つがいの鳥を見て、おしどり夫婦かなぁとか言って、毎年ペアを変えるおしどりと一生相手を変えない白鳥の例えを光男から引き出し、「私たちはどっち?」と言ってキスを引き出す。この人、キスを引き出すの上手くて、ラストの信彦のキスも秀実が引き出していると言える。しかも11回(光男調べ)も。

前編ラストの殴り合いにおける一番ダメな人間

秀実が決定的にダメなのは、殴り合いの際に、信彦が、光男が秀実に対しDVを働いていると言った際、これを否定せず、ただ怯えた顔をして傍観していたこと。光男が殴る行為自体は肯定できないにしろ、いや、このドラマのタイトルからして殴ることはとりあえず肯定するしかないが、光男が殴るのは、自分の婚約者と自分がいないのを幸いにキスを11回もしたということから正当化できそうだが、殴り返した信彦の方は、単に家子の嘘に引っかかっているだけで事実無根だから正当化できない。これは秀実が事実を信彦に話し、殴り合いを止めるべきである。そうすれば、少なくとも直情的な信彦は、自分に正当性がないことを自覚できたはず。

展開のスピード感はF1クラス

流れるように無駄なく展開して行って、前編で殴り合いまで持ってきており、凄いスピード感を味わえる。

NGS米国式記憶除去術

うーん、良い伏線のような…しかしこれは前後編しかないドラマでは時間がないから回収されないな。ただ、これからの展開が、光男にとって、秀実の記憶を消したい、もしくは自分の記憶を消したいくらいに思うことだろうという、視聴者への情報提供と考えれば良いのではないか。それはともかく、NGSがなんの略か気にはなる。NGS米国式という名前の付け方も何か変な気もするし。

外来種

オープニングのバードウォッチングに出てくる鳥…最初のは在来種のキビタキで雄1匹。次は外来種のインコのつがい。これ、インコの方はペットが逃げ出したもの、もしくは野生化したものだろう。これの意味は何だろう。キビタキは信彦。インコのつがいは光男と秀実であろうことは分かる。しかし、なぜ両方とも在来種ではないのだろうか。

バードウォッチングカウンター

あれは、同種のものがたくさんある時に、できるだけ速く数えるものであるはず。オープニングで光男は、異なる種類のしかもそれほど数のいない鳥を数えてるけれど、何数えているのだろう。ただし、前編ラストでキスの数を数えているのは、正しい使い方である。11回とよく数えられました。

登場人物の名前

光男、秀実、信彦。うーん、何か古くさくて、それでいて凡庸な名前。何でこのような名前を登場人物に充てたのだろう。昔のドラマ等で、いるのかな、この名前のキャラが。ただし、家子はさらに古い感じの名前だが、逆に尖っている名前。まあ、家に囚われている感じの女性だけれど…あ、戦国時代の武将から取っているのか…

明田光男:明智光秀

豊田秀実:豊臣秀吉

徳重家子:徳川家康

緒川信彦:織田信長

鈴川倫太:?

鈴◯倫◯って武将知らない…しかし、光秀が秀吉を信じようとして、秀吉に裏切られるの何となく本能寺の変後みたいなんだけど、歴史は踏まえているのか分からん。