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SASUKEという"スポーツ"【ネタバレなし】


SASUKE2020が放映された。
1997年の第1回大会から実に38回を数えるテレビ番組である。しかし、1テレビ番組でありながら、23年も続くことで、もはや特番ではなく、スポーツ番組として成立している(体をなしている)。

ライバルはいるが敵はいない

SASUKEの競技形式が、テレビ局が用意した「鋼鉄の魔城」と呼ばれる障害物をかいくぐっていくものなので、己との戦いでありライバルはいても、敵はいない。選手は他の選手の成功を共に喜び、失敗を共に悲しむ(シーンが強調されて描写されている)。

特番としての一面

マイナースポーツではなくテレビ局が製作する特番であるので、視聴率も必要であろう。多くのタレント選手が出場する。オフショットでは、やはり華やかさがあるし、個々のタレントのファンがいるので、タレント選手の描写が多い。しかし、競技中の描写は、平等。というよりも、実績に応じた扱いになっている。23年も続く番組ファンの存在を意識していることにもなる。

アスリートとしての出場選手

番組内では、過去の大会にも出場した選手をその実績で評価して扱っている。レジェンドはレジェンドとして。それは、番組公式ページの写真にも現れている。中心2人はレジェンド、それを現役のトップ2人が囲む。タレント選手はその外側と後列に配されている。番組としては、視聴率の観点からは、タレント選手の起用は必要だが、しかし中心はSASUKEでの実績で評価されるという扱い。この辺りがSASUKEの競技面でのさじ加減なのであろう。

出場選手にとっては競技そのもの

タレント選手の中には様々な想いの選手もいようが、一般から参加した選手は真剣に競技そのものとして参加しているのが分かる。レジェンドらの扱いは、番組演出上、多少大げさな面もあるが、選手として扱っている。驚異的新人が現れる可能性もないわけでは無い競技なので、このような形式の演出は理にかなっている。

ノックアウトシステム

ステージごとにクリアしていき、ファイナルステージクリアで達成というノックアウトシステム。だから、ファイナルステージをクリアする能力があっても、1stステージで脱落したらそれで終わりという残酷なシステム。スポーツならば、10種競技やトライアスロンもそうだが、複数競技を行なっても評価はトータルでなされる。しかし、このSASUKEルールは、そうではなく、個々のステージごとに順番に評価される。これはドラマを生むし、全体の競技時間を削減することにもなるだろう。

高校野球、箱根駅伝

マスコミが、スポーツイベントを開催するという意味では、高校野球も箱根駅伝も同じであり、実績から見てもSASUKEがそれらと異なるという必要はないかもしれない。ただし、SASUKEは、TBSの緑山スタジオでしかできないという特殊な事情があるが。しかし、だからこそ自分で練習施設を作るという者も出てくる。なんというか、仕事を辞める人が出てくる等、文字通りSASUKEに人生をかける人が出てくるのである。

家族が大好きな番組

家族がこの番組を大好きで、毎回必ず観ている。出場選手の名前も、前回の実績も当然のように覚えている。贔屓の野球チーム、サッカーチームの選手のことを覚えているのと同じ感覚なのだろう。こういう視聴者がたくさんいる限り続く番組なのだろう。