谷原章介氏が退場か…残念でならない。何れにせよ、武士の美学という点で、谷原章介氏は美しい役を得たなと。ストーリー上は、代わりに近衛前久という美学を持った人物が表に出てきて、個人的には満足。
三淵藤英自刃
うーん、将軍義昭の為にスパイをしていたということにしたのか、なるほど。しかも光秀の助命嘆願を言われなき情けと言いきって自ら果てる。かっこいいように思えるが、これ、光秀に正当性を与えるだけの演出とみると、展開にあざとさを感じてしまう。
三淵の次は、斎藤利三が光秀と信長間の問題人物になる
代わる代わる信長と光秀の間で問題となる人物が出てくる。これが、光秀と信長の確執が悪化する要因になりそうで、かなり危険なところまで行くのだけれど、最終的にはそうならないのがなんとも面白い2人の関係。三淵藤英の時は、三淵本人により、光秀が説き伏せられた形で、光秀は信長に対する憤りを収めたし、斎藤利三の時は、信長が光秀を気持ちよく働かせることが、稲葉一鉄の機嫌をとるより自分のためになると判断し、矛を収めた。一方が我慢するのではなく、持ちつ持たれつでは無いが、主君と家来という関係ではあるが、一方的な関係では無いということ。好き嫌いの話では無く、自らの目的のための選択をしたらこうなっているということだろう。しかし、史実としては、そろそろ光秀の信長への思いがもっと劇的に変わってもおかしく無いような。それとも緩やかに穏やかに変わって行く描写を、『麒麟がくる』では選んだのかもしれない。信長の考えがわからないと三淵には愚痴っていたことだし。
朝廷はとにかく金が無いから大変
天皇譲位にかかる費用は1万貫…今のお金でいくらか分からないが、正親町天皇も難しい舵取りしているのが分かる。自身にはお金はないし、関白の二条晴良の手綱も取らねばならないのだから。二条も信長にマウント取ろうとすれば、正親町天皇は、二条および信長の両者にマウントを取ろうとしている。信長も同様。天皇・公家・戦国大名と、立場が異なる権力者たちによる変則的な三つ巴となっている。そんな中、威厳を保った言葉だけでマウント取るしか術がない天皇も公家も大変である。蘭奢待切り取りも、信長からのマウント取りであり、その片割れを献上されても、毛利にあげてしまうという行為を取る正親町天皇の行為もマウント取り。正親町天皇にとっては蘭奢待切り取りは、なんでも無いことのように振る舞うのが限界。ここに力の差は見て取れるのだが、それでも、動揺せず踏ん張っているからこそ、信長もマウントを取りきれない。
光秀なりの丹波攻略
光秀は丹波をできるだけ平和裡に攻略しようとしたように描かれている。しかしが言うように、丹波は一に戦、二に戦という地であり、光秀の思惑通りいかず、次回、かなりの戦闘になるもよう。