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『先生を消す方程式』と『共演NG』の共通点


2020年秋ドラマの『先生を消す方程式』と『共演NG』には、いくつかの共通点がある。

ヒットメーカーによる作品

『先生を消す方程式』は鈴木おさむ氏が脚本。『共演NG』は秋元康氏が企画・原作。ヒットメーカーによるドラマという点で共通している。まあどちらも、良く言えば規格外、普通にいうとイロモノ的な作風にとられがちな作品を生み出してきた人たちである。

場外乱闘も込みの作品

今のドラマは、放映期間内のスピンオフは当たり前なので、これは場外乱闘には入れない。『先生を消す方程式』はネットに上げた予告篇にストーリーのヒントとなる暗号を付けたり、鈴木おさむ氏がTwitter上で今後の展開を予想してみろと煽ったりしていた。『共演NG』では、初回放映前から、第2話までの期間、お取り寄せグルメ番組『虎ノ門市場』とタイアップしたテレ東のプレゼント企画が実施され、第1話放映後は、ハッシュタグ「#共演NG」がトレンドに上っていたけれど、プレゼントのリツィートの嵐だった。何かこう、ドラマ本体と違うところに力をいれている感じ。

どちらもビックリ系ドラマ

『先生を消す方程式』は考察系の雰囲気で始まったのだが、途中から、何でも思いついたらそれを投入するパターンになって行き、物事の合理性は全く考慮しない展開になった。とにかく衝撃的展開が起きるが、そこに根拠はない。多少なりとも理屈付があるべきところでも、何も説明なく、死んでいてもおかしくない怪我を負った人が、普通に歩き話している。雷に当たっても、しばらくしたらはっきり覚醒している。これに一切の説明なし。つまり何でもあり。そうなると衝撃のシーンは作りやすい。土に埋めても、頭をどんなに殴っても、ピンピンとして普通にしているのだから。これはちょっと掟破りすぎてついていけない。

『共演NG』は、毎回のストーリーは、暴れるだけの『せんけす』よりはしっかりしていた。しかし、複数の共演NGの組み合わせの衝突をそれぞれ衝撃的に描いているだけだった。まあ、1話完結ドラマ風と言うか。しかし、そんなことしていたから、肝心の主人公とヒロインの物語が表面をなでる程度しか描かれなくて、全体として何だったのかという終わり方になっていた。ということで、毎回衝撃的なことを出してくるという点で、両者は同じだった。残念ながら、『共演NG』は、最初から考察系ではなかった。『先生を消す方程式』は、考察系のフリをした何かだった。

結局のところ

『共演NG』も『先生を消す方程式』も、話題作りには力を入れていたが、ストーリーにもっと力を入れるというか、もう少し王道の展開を見せて欲しかった。どちらも奇をてらい過ぎというか、王道を避けているような感じが気になった。鈴木氏も秋元氏もヒットメーカーなので、失敗は許されないし周りも失敗しないように援護射撃しているのだが、それが逆にあざとさというか違和感になっているのが、少なくとも2020年秋ドラマの『先生を消す方程式』と『共演NG』の2作品である。残念。