Golden Time

時はお金で買えませんが、時間はお金で買えちゃいます。

【オールドルーキー】第2話 対比の巧さに丁寧さを感じる


第1話でプロサッカー選手をやめようとする主人公の話を描き、第2話では一転、これからプロ契約を始めようとするまだ義務教育期間中の少女の話を描く。小さなギャップの驚きと、物語のメリハリのついた押し引きの仕掛けが効いている。

第1話と2話を観た限りだが、構成がしっかりしてそうな印象。第3話以降が楽しみ!

9歳の少女のマネジメント契約

プロスポーツ選手に年齢は関係ない。これ、第1話で37歳のサッカー選手の主人公新町が、行き先がなく引退する話と対になっている。

スケボーの少女は自分の意思というより親の意思でプロになることを迫られており、新町の方は契約相手の意思でプロ契約の解除が迫られた。プロ契約は始める時と終える時に自分の意思を通すことは難しいということを描いておきたかったのかなと思う。これ、最終回への布石であると楽しいなと思う。

梅屋敷

新町は梅屋敷をネイマールと例えるか。うーん。ネイマールは結果を出しているからなぁ。ただ、ネイマールがプレイだけでなく生き方も姑息だと考える人は結構いるようだし、そうそう間違ってはいないのかな。梅屋敷もなかなかダメな人っぽいから。

ボードと友達

ボードは友達…キャプテン翼の「ボールは友達」の一文字違いなのでピクっとしてしまった。しかも後半に、ひかりちゃんから「ケガは友達」と言う言葉まで出て来て、何でも友達かよと思ったら、この友達話は、スケボー界には、"みんな友達"という考えがあるとのひかりちゃんの言葉に繋がっていく。「〇〇は友達」という言葉を、ストーリーの中で非常に巧妙につなげているのスゴい。

第1話でチームメイトもライバルと言っていたドイツで活躍するサッカー選手を描いて、次の回に「みんな友達」と言う小学生スケボー選手を描くの世界観の落差あって見ててゾクっとする。

元人気女子アナのインスタ

このママ友の表現。何となく棘のあるセリフ表現に聞こえる。棘は、制作側から視聴者もしくはSNS世界へのトゲ。

これ、妻果奈子のインスタの収益化が成功し、新町の収入を超えるとかになるのかな。そうなると今度はセレブ話に物語は移行してしまうのだが…どうなのだろう。シビアな現実を描くのかシンデレラストーリーを描くのかで、このドラマの位置付けは180度変わる。果奈子のインスタエピソードの展開はそらくらいのインパクトある。

カフェで余計なこと突っ込んでくる同じマンションのママ友たち

まあ、人は他人の話は好き。不幸話は特に好き。親身になっているふりをして聞き出すのはもっと好き…という感じがステレオタイプ的に描かれてる。特にイヤラしい面を入れず普通に接してる感じの描写だったのは効く。安易に裏のヒソヒソ話入れなかったの良かった。

同じマンションのママ友たちの興味がエスカレートして、果奈子が病んでしまうとか…、日曜劇場でそれはないか?いや、あるか?

現役に未練があることの忌避

何故、周りの人間は新町が現役に未練があることを嫌うのか。そこが分からない。現実を見ろと言うことなのだろうか。現実とはお金のことなのだろう。仕事に集中しろ、生きていくためのお金を稼ぐことを最優先しろということを周りは言っているのだろう。しかし長女だけはサッカー選手であり続けることを望んでいる(と新町は思っている)ので、本人は現役サッカー選手に未練があると。

娘泉美が心配しているのは…父親のこと

大人のお金の話を散々描いた後に、泉美が父親が全然楽しそうに生きていないと言わせる。これは典型的だけれどずるい。

小学生のスケボー選手の自分のやりたい技を試したい気持ちと、娘泉美のサッカーをやってみたい気持ちの2つだけではなく、新町自身のサッカーを続けたい気持ちまでも1話に絡ませてストーリーを展開させているのクドくて好き。3つも投入したら、満足感増すに決まってる。

親がいないところで一緒にスケボーの練習

こんなことあり得るのか?

担当のスポーツ選手を叱りつける梅屋敷さん

梅屋敷さんは信じてくれないと思ったから

と言われて、

あなたのマネジメントしてるのは、僕ですよ、高槻さん

と明後日の方向で怒っちゃう。挙句にオフィスに戻って、

どうかしてるよ。あんなんでよくプロゴルファーって言えるよな

と言ってしまう。そこだよ、信じられないのは。ホント展開が流れるようで綺麗。

金は出すが口は出さない。こんないい条件ありません

…というCM契約話をひかりの父親に持ってくる塔子。これまでの展開を拾うようなセリフの刺さり方がゾクゾクする。それに乗ってくるひかりの父親。極めて俗っぽい話なのに展開もキラキラしてる…が、そこが塔子と父親のピークで、これからひかりと新町のターンが始まるのわかってる。だから一層ゾクゾクする。しかも、ターンどころか逆襲だし。

CM契約の署名捺印

署名は終わりハンコを押すまさに直前で、新町が話し始める。うーん、古典的な手法だが、まあ、良い。

しかし、これが後半の布石になっていたとは…ただでは起き上がらないのか。ただ、アメリカの契約では捺印がないからとか言ってるが、それは法律や慣例によるものであり、日本の契約書で押印欄もある契約書に印がなくてもよいと第三者に主張するのは、詐欺紛いではないのかな。ただし、その後の人間関係で、当事者間では契約は有効なのだろうから、恐らく問題ない。スケボー親子の合意がないのなら論外だが。

実は塔子を叱っている新町

アスリートのために頑張る…という塔子の言葉を逆手にとって、というかそうでなく正論として突きつけて、新町は、塔子の考えの"過ち"を指摘している。そして、塔子はそれを素直に受け入れる。指摘しているだけなのだが、これは新町が塔子を叱っていると言える。ここが今回のクライマックス。

社長と社員の関係

何というか古典的な表現になってるなぁ。薄っぺらい。ドラマではどうしてこうなのだろう。

次回は、ビッグマウスでフラグ立てるマラソン選手の話

フラグ的な何かありそう。まだスポーツ選手の怪我を描いていないんだよなぁ…と。