Golden Time

時はお金で買えません

【ピンク・レディー】シングル曲中女性の恋愛成長記


ピンク・レディーの曲をデビューから並べ、それぞれの曲中の女性を同一人物と考えた場合、1人の女性の恋愛力成長記として見ることができる。

ペッパー警部

まあ、恋に恋するというか、初々しいカップルの女の子。

ペッパー警部 邪魔をしないで
ペッパー警部 私たちこれからいいところ

なんて言っちゃうわけですから。

むらさきいろした たそがれ時

星空ひろがる夏の夜

というように、時間的にも深夜という感じではなく夕方からせいぜい21時とかのイメージ。健全である。歌詞前面が初々しさであふれている。まさにこの女性の恋愛物語が始まったのである。

S・O・S

初々しいカップルの相手の男を、この人だけは大丈夫なんて信じそうになった女性に、乙女のピンチにならないよう警告する歌。誰が警告しているのかはこの曲だけでは不明。

年頃になったなら つつしみなさい

とわざわざ言っているので、女性は年頃になってまだ日が浅いといことがわかる。時期的には、ペッパー警部と同じか少し後だと思われる。誰が警告しているのかについては、S・O・Sの歌詞は、女言葉っぽく書かれているが、前の曲中登場人物であるペッパー警部が、女性に邪魔をしないでと言われながらも語った警告の言葉と考えることができる。つまり、「ペッパー警部」と「S・O・S」は2つ合わせて鑑賞すべき曲ということ。

カルメン'77

3曲目で一気に大人びた雰囲気となる。2曲目との間に何かあったのか。ただし、「まだまだ無邪気なカルメンです」「あー純情過ぎるといわれてます」「あーお色気ありそでなさそうです」と言っているので、背伸びをしている、もしくは背伸びの自覚がないが大人になりつつある状況といえる。この女性、大人びているが、まだまだ青いなと思わせる。特に「あーあなたをきっととりこにしてみます」「きっときっと好きにさせます」というのが一途で健気でかわいい。

渚のシンドバッド

「浮気なひと」「くちびる盗む早わざ」「あなたはセクシー」と言っているのでかなり大人になった。「ちょいとおにいさん いい気なものね」と言ったりするなど恋に余裕が出てきている。

ウォンテッド(指名手配)

「あんちくしょう」とか「盗んだ心返せ」と穏やかでない。一方で「もうあなたなしでいられないほどよ 空っぽよ心はうつろよ何もないわ」と一途な面もある。かなり恋に貪欲になっているのがわかる。

UFO

ついに「近頃少し 地球の男に あきたところよ」と言ってしまう。恋愛の達人レベルにまで到達してしまったようだ。宇宙人との恋愛を知ったからか、この曲を境に曲中の女性は、普通の恋愛では満足できないようになる。

サウスポー

いきなり世界の王と野球対決する。この勝負を恋の気分と思えるくらい恋愛の練度が上がっている。もはや何を見ても何をしても恋愛と捉えて溺れることができる域に達しているのではないだろうか。

モンスター

モンスター この私の可愛いひと
モンスター 目をさますのよ
モンスター さあお前の出番なのよ

…うん、もう何だろうこのモンスターさえ手玉にとる感じ。そもそも言っていることが恋愛とは言えない。ペッパー警部のときの感じはもはや全くない。

透明人間

まさかと思っているのでしょうが
実は 実は
私 透明人間なのです

ん?ついにこの女は透明人間になったのか?その後に続く、

ショック・・・・・・・・・・

って、誰が言っているの?自分が透明人間になったことがショックなのか?宇宙人やモンスターと付き合うのは構わない、しかし自分が透明人間になってしまうとは。変わり続ける女である。

カメレオン・アーミー

透明になるだけでなく、変装までするということか。ただし変装しているのがその女性なのか、女性の親衛隊なのか今ひとつわからない。

女だと甘く見てたら 狼たちよ 泣きべそをかくことになる それでもいいの

これはS・O・Sと対になる歌詞。もはや男は狼だろうがなんだろうが自分の方が強い、泣かせるのは自分の方だとマウントを取っている。

ジパング

この歌詞は意味がわかりづらいが、彼女は恋愛対象を必要としない幸せを求め始めたと思われる。この世の楽園であるミラクルアイランドを求めている。ただし、

必ず行ける 地球はまるい

と言っているぞ。タイトルが「ジパング」だし。これ、日本を出発して日本に戻ることを言っているよね。普通人では理解できない域に彼女は達してしまったようだ。

ピンク・タイフーン

遂に、恋愛など全く必要としない生きているだけで幸せを感じる域に達している。

あの娘がスキ この娘もスキ スキスキ 大好き
したいことがなくなるまで 遊んじゃおうか

PINK LADY もっと元気よく
PINK LADY もっとメチャクチャに
PINK LADY もっとしあわせに
PINK LADY, PINK LADY

いや、恋愛も精神世界だけれど、現実あってこそのものである。しかしこれは…もはや精神が肉体や物質世界から解放されているのではないだろうか?ここにピンク・レディーのデビュー以来続いてきたシングルに登場する女の成長が1つの結末を見た。タイトルも歌詞もピンク・レディーの集大成感にあふれている。

波乗りパイレーツ

この「波乗りパイレーツ」の歌詞は、「ピンク・タイフーン」まで流れてきた世界観から離れ、再度「カルメン'77」や「渚のシンドバット」あたりに戻った感じとなる。歌詞がやたらとサーフミュージック風になっているのも「渚のシンドバット」へのイメージ回帰かもしれない。この曲のシングルは、日本国内と米国内の2つの吹込盤が収録されたものとなっている。米国吹込盤も同時収録されていることの意味は、「波乗りパイレーツ」が、それ以前のピンク・レディーの活動と、次のシングル「Kiss In The Dark」でピンク・レディーが米国進出することの分岐点となるということだ。やはりピンク・レディーのシングル曲における歌詞の世界観は、ピンク・タイフーンで一区切りついているということだ。

まとめ

シングルのストーリーとしては「ペッパー警部」から「ピンク・タイフーン」まで整合性の取れた1人の女性の恋愛成長記となっており、精神的に高みに到達した後に米国進出という形になっているということは、シングルの歌詞の世界としても現実世界に生きるピンク・レディーの2人にとっても当然のステップと言えよう。このシングル12枚を使って歌詞中の女性が成長していくストーリーを展開していき完結させたということは、モンスター級の人気を誇ったピンク・レディーだから成せたものだろう。