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【らんまん】(78)万太郎は植物学教室の多くの人を窒息させる


教育的な回だったなという感想を持つ反面、万太郎は、藤丸だけでなく、波多野、そして田邊教授さえも植物学教室にいることに息苦しさを感じさせる存在になっているなぁと思った。ヤマトグサの共同研究者大窪講師は、ギリギリのところにいそうであり、徳永助教授は海外留学?か何かで植物学教室を離れそうだから、窒息は免れそう。

万さん…助けてよ…

植物学教室にこれ以上いることは窒息しそうだと。

運の良い万太郎は、運が悪い人間のことはわからないと藤丸は言うが、万太郎は、運が悪い人の話をしていない、藤丸次郎の話をしていると言う。うーん、万太郎、それ、詭弁じゃない?

結局、今回は、「万さん…助けてよ…」が言えた藤丸と、言えない田邊以下の植物学教室の面々ということを対比した回と言えるかな。

休学について

休学について、逃げるんじゃなくて探しに行くのだと、長屋のゆうは上手いこと言うな。休学は逃げることと考えがちであるから。ただ、逃げるための休学を否定する必要はないけれど。

ただ、藤丸は万太郎に助けを求めていたのに、長屋の人にその悩みを聞かれるのって、個人的には嫌だなぁと思った。

万太郎は藤丸の言葉に気づく

名付け親に執着する人間だと。しかし藤丸は、万太郎の名付け親の執着は、伊藤家の3代目とは違うと言う。こういうやりとり好き。

驚くほどくだらんな

藤丸が万太郎の人間観察のために最終旅行にどうこうするということに対しての田邊教授の評価。確かに。しかし採集旅行で戸隠草の花の標本を手に入れられなかったそれこそ田邊教授が知りたいことではないのかな。これをくだらないと言うのは違うと思うが…田邊教授はくだらんなと言うしかないとも言える。

加えて、田邊教授は万太郎の学歴がないが大学に入るのは時間が惜しいと言った際、自分なら入学して正規の道をすぐに歩むみたいなことを言っていたが、これと藤丸に対する驚くほどくだらんなは整合しない印象。

最高の褒め言葉

読んだぞ。見事な出来だった。今、この日本で、ここまで描けるのは、お前しかいないだろう。いや…世界でも同じ人間がいるかどうか…お前はこの図譜で、植物学会をこじあけ、自ら植物学者の名を上げた。今、この学会で、お前の名を知らない者はいないだろう。

最高の褒め言葉…なんだけど、しかし植物学会のメンバーって、東京大学植物学教室と博物館の研究者以外にいるのという気はする。

田邊は万太郎を学術的には評価する

特に図譜について。しかし戸隠草のことでかなり嫌味を言う。人間らしいところもあるし、業績は業績と認めるところも立派。

残念だな、槇野万太郎

この先は望みどおりお前を一学者として認めてやろう。

え?田邊教授、それだけ?続きは?その後、強烈な言葉が出るのではないの?絶縁とか出入り禁止とか言うと思った。

そういうところが田邊教授の良心というか育ちの良さかな。最後の最後で冷徹な心にブレーキがかかる。

ただ、"残念だな"+フルネームというセリフは、キツい言葉だと思う。

サポーター

赤ちゃんができたということは、寿恵子をあてにした諸々が期待できなくなったと言うこと。自分のやりたいことをやりたいようにやってきた万太郎が、赤ちゃんのため、寿恵子のために行動を変えることができるのかが問われる…と思ったら、ああ、藤丸がお手伝いするのね。藤丸の学問的行き詰まりは、このためにあったのか。ご都合主義じゃん!

藤丸に諸事任せて、絶景かななんて言っちゃってる。藤丸、可哀想!…と言いたいが、採集旅行に行っちゃうのか。しかも1冊目の植物誌図譜の売り上げを持って行くって…いや、それより植物誌図譜は、そんなに売れるものなの?

助手で残る波多野

藤丸のことを頼むと言う。波多野が微妙に浮かない顔をしているのは、藤丸のことを気にしているからだけとは思えない。助手として残る植物学教室に、研究者のライバルとして万太郎がいることに対する恐れがあるのではないかな。これまでは、自分は学生であるという立場だったから見えなかったものが波多野には見えてきているはず。逆に藤丸はそれを波多野より先に知ったからこそ、休学になったとも言える。植物誌図譜を見て「うん…すごいね」と言った時の波多野の微妙な表情が気になる。万太郎は、藤丸だけでなく波多野の心も笑顔で折っている可能性ある。藤丸の窒息は、波多野も感じているのではないかな。

万太郎の天然攻撃の強さ

万太郎被害者の会結成されそう。 でも、万太郎、悪意なくて過失しかないんだよなぁ。 "らんまん"すぎる。