制作が『歌手 スズ子』を描き切ることのみに専念したの凄いことだと思う。視点を変えてドラマとしてのみ考えると、この最終回を描きたいがためにこれまでを積み上げてきたとも言える。とにかく歌手引退でその後まだまだ続くスズ子の人生は省略という割り切りの描き方、素晴らしい。
歌手の物語なので、ステージで最終回なの陳腐と言えばそうだけど、しかしステージの最終回はやはり安定してるし見栄えが良い。引退のステージは最終回のステージと重なるからね。
物語の中では引退でスズ子は歌手を終えるので聴衆は明日からもう聴くことはできない。ドラマとしては最終回で視聴者は来週からもう観ることはできない。このシンクロを制作はやりたかったのだろうなぁ。『歌手 福来スズ子』を描くというより、この最終回を描くためにこんな構成にしたとしか思えないくらい、満足の最終回。
スズ子マジックにかからないりつ子
これが良いのよ。会場全員がノッテいるのにりつ子だけが顰めっ面、これが良いのよ。しかし一応ラストは涙ぐんでうつむく。これも良いのよ。
しかさスズ子はスズ子だったのは主人公だから分かるけれど、りつ子もりつ子だったのが良かった。
後日談
…何年後みたいなのはなく、新しい日常が始まった感じで終わる。その中で、義理と人情の話を強引に出してきてラスト感出してきた。結局、後日談らしい後日談無かった。
半年通して満足だった
強弱を感じなくもなかったけれど、最終回まで充実して走った印象。素晴らしい。
スズ子のキャラとしては抑えて描いてると思うが、それでさえも、あんまり付き合いたく無いタイプだったというのはある。戦中戦後のドラマを令和に観ているというバイアスはあるけれど。そもそも記録映画でも無いし。
梅丸少女歌劇団の面々、元マネージャー山下、村山興業の坂口
最終回要員として動員されている。